1. 産業財産権の基礎知識の習得
2. インターネットによる特許検索能力の習得
3. 特許出願書類の作成能力の習得
概要:
特許などの産業財産権の制度は、発明者の研究成果を保護するとともに、優れた技術知識を世の中に広く公開して、技術の進歩、産業の発達に役立たせることを目的としている。本講義では、技術者として産業財産権の重要性と基礎的な知識を習得し、卒業研究や日常生活の工夫から発明を発掘し、模擬明細書に取りまとめることで、産業財産権制度に明るい人材の育成を目指す。
授業の進め方・方法:
授業は産業財産権制度に関する学習と、各自のアイデアを発掘し、発明に展開し、模擬明細書にまとめる演習を平行して実施する。
1. 産業財産権制度の概要について学習し、演習問題を実施して理解度を深める。
2. インターネットによる特許情報の検索は、外部講師(特許流通アドバイザー)を招聰して行う。
3. 明細書の書き方指導は、弁理士を招聴して行う。4. 演習は4人程度の少人数の班に分けて行う。
注意点:
期末試験40%、発表会(中間および最終)60%とする。中間試験は実施しない。60点以上を合格とする。再試は行わない。本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
産業財産権制度の概要(特許) |
産業財産権制度の概要について理解する
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2週 |
産業財産権制度の概要(実用新案、意匠、商標など) |
特許権、実用新案権、意匠権、商標権について理解する
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3週 |
特許情報の概要と取得方法 |
特許情報プラットフォームの利用方法を理解する
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4週 |
アイデア考案方法 |
卒業研究や日常生活の工夫から発明を発掘する手法を習得する
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5週 |
産業財産権の調査方法 |
テキスト検索と分類検索の違いについて理解する
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6週 |
インターネットによる検索演習(1) |
特許情報プラットフォームを利用して、分類検索を行う
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7週 |
インターネットによる検索演習(2) |
自ら提案したアイデアに対して分類検索を行い、アイデアの新規性について検討できる
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8週 |
発明発掘演習 |
自ら提案したアイデアについて、概要を簡略に書面にまとめるようにできる
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4thQ |
9週 |
中間報告会 |
自ら提案したアイデアの新規性について発表することができる
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10週 |
明細書の基礎 |
特許明細書の概要について説明することができる
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11週 |
明細書の作成演習1 |
自ら提案したアイデアについて明細書にまとめることができる
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12週 |
明細書の作成演習2 |
自ら提案したアイデアについて明細書にまとめることができる
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13週 |
明細書の作成演習3 |
自ら提案したアイデアについて明細書にまとめることができる
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14週 |
発明報告会の準備 |
自ら提案したアイデアについて明細書およびプレゼンテーション用資料にまとめることができる
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15週 |
発明報告会 |
自ら提案したアイデアを明細書にまとめ、既往の発明との違いや新規性について説明することができる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | 後2 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 後8,後15 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | 後5,後6,後7 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | 後5,後6,後7 |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | 後5 |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | 後8,後9 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | 後4,後6,後7 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 後9,後15 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 後9,後15 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 後9,後15 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 後9,後15 |