概要:
これまでに学んだ生物化学関連講義の基礎及び専門知識並びに分析化学実験,基礎生物化学実験,生物化学実験などの基礎的な実験を踏まえて,各研究室で行われている卒業研究を体験する。本実験の修得が5年生での卒業研究への糧となることを目標とする。
授業の進め方・方法:
全学生が4つのテーマを経験するオムニバス形式である。卒業研究室で個別に実施するので,学生は小グループで密接な指導を受ける。仮配属研究室では,実験・研究を通した上級生(5年生,専攻科生)とのコミュニケーションも経験する。実験終了後は,レポート作成を行う。
各担当教員の実験内容
泉本:バイオマスの酵素糖化反応実験と糖の定量分析
冨岡:唾液からのDNA抽出と,性別とハプログループの決定
中嶌:プラスミドによる大腸菌の形質転換,プラスミドの抽出並びに解析,PCR法による特定遺伝子の増幅
笈木:生物資源の工業生産の模擬試験
松田:酵素によるゴム分解とSECによる高分子の分子量測定
萩原:蛋白リゾチームの精製と結晶化
注意点:
実験に当たっては,安全に留意する(薬品の取り扱い,保護具の装着,機器の取り扱い,細菌の取り扱い等)。
研究室の運営状況,学生の希望などを考慮し,研究室Cにおける実験を省略し,9回目から仮配属研究室における実験を実施する場合がある。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 3 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 3 | |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 3 | |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 3 | |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 3 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 3 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 3 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 3 | |