科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 物理
科目番号 0144 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 生物応用化学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教 科 書:総合物理1(数研出版検定教科書)、総合物理2(数研出版検定教科書) 参考図書:リードα物理基礎・物理(数研出版問題集) ※その他参考図書は、必要に応じて授業で紹介する。
担当教員 山﨑 有司

到達目標

1.物体にどのような力がはたらくか作図し、力のつり合いの式や運動方程式を立てることができ、どのような運動するか説明できる。
2.速度・加速度・エネルギー・運動量など、力学を学ぶ上で基本となる物理量を求めることができ、物体の運動を法則に従って理解し、説明することができる。
3.比熱や熱量など熱力学を学ぶ上で基本となる物理量を求めることができ、理想気体の基本法則を理解して気体の状態がどのように変化するか理解できる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物体の運動の理解求めた物理量から物体の運運動を説明することができる。与えられた条件を整理し、物体の直線運動を表す基本的な物理量を計算し、求めることができる。与えられた条件を整理し、物体の運動を表す基本的な物理量を計算できず、求めることができない。
質点にはたらく力の理解質点にはたらく力の向きと大きさを求め、どのような運動をするか説明できる。質点にはたらく力を作図し、求めることができる。質点にはたらく力を作図できない。
剛体にはたらく力の理解剛体にはたらく力と力のモーメントを求めることができ、どのような運動をするか説明できる。剛体にはたらく力を作図し、求めることができる。剛体にはたらく力を作図できない。
熱に関する基本的な物理量の理解熱に関する基本的な物理量を求めることができ、熱量の移動・保存則を説明でき。熱に関する基本的な物理量を求めることができる。比熱や熱容量、熱量などを計算して求めることができない。
理想気体の法則の理解理想気体の法則を式で表すことができ、気体の状態がどのように変化するか、式やグラフで説明できる。理想気体の法則から気体の状態(圧力・体積・温度)を求めることができる。気体の法則から気体の状態(圧力・体積・温度)を求めることができる。
熱に関する理想気体のエネルギーの理解熱力学に関するエネルギーを求めることができ、それらの関係を説明できる。気体に加えた熱量Q、気体が外部にする仕事W、気体の内部エネルギーUを求めることができる。気体に加えた熱量Q、気体が外部にする仕事W、気体の内部エネルギーUを求めることができない。
気体の分子運動論の理解熱力学に関するエネルギーや理想気体の法則を、気体分子の運動を模型として説明し、導くことができる。気体分子の運動による模型がどのようなものか説明できる。気体分子の運動による模型を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理では、身の周りの様々な現象を、抽象化・法則化して理解する。小・中学校の理科で定性的に学んだ事柄を、法則としてきちんと学び、数式化することで理解を深める。しかし、数式に数値を代入して値を求めるだけでは、理解したことにはならない。教科書等に記載されている数式は何らかの現象と結びついており、結果を丸暗記するのではなく、導く過程を学ぶことで、数式と現象の結びつきを理解する。本授業を通して、物理的な理解の仕方・考え方を学び、将来、専門科目を学ぶ上で必要な基礎知識・基礎学力・思考力を身につける。
授業の進め方・方法:
教科書を指定しているが、これは自主学習のためであり、授業中に教科書を開いて読むようなことはほとんどない。たまに教科書を開いて写真や図を見る程度である。授業の進行は教科書によらず、基本的には本シラバスの「学習内容」の順に従う。
 物理学関連科目全体で学ぶ内容を考慮し、物理法則を体系的に理解できるよう進める。授業内容が教科書のどこに当たるか、次に何を学習するかは、その都度、授業において指示する。従って、留年等の事情で指定教科書がなくても、同等の教科書・参考書があれば、新に購入しなくてもよい。
注意点:
授業計画では

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理総合Ⅰ ~数学の復習~ ベクトルとスカラー,連立方程式,比例・反比例,式とグラフ 等
2週 物体の運動Ⅰ(1) ~物体の運動を表す物理量~ 時間,速度,加速度,距離,質量,力 等
3週 物体の運動Ⅰ(2) ~物体の運動の基本1~ 速さと速度,加速度 等
4週 物体の運動Ⅰ(3) ~物体の運動の基本2~ 等速直線運動,式での表現,グラフでの表現 等
5週 物体の運動Ⅰ(4) ~物体の運動の基本3~ 等加速度直線運動,式での表現,グラフでの表現 等
6週 物体の運動Ⅰ(5) ~重力場での落体運動1~ 自由落下,下方投射,上方投射 等
7週 物体の運動Ⅰ(6) ~重力場での落体運動2~ 水平投射,斜方投射 等
8週 質点にはたらく力(1) ~力の種類~ 重力,張力,抗力(垂直抗力と摩擦),ばねの力,浮力 等
2ndQ
9週 質点にはたらく力(2) ~力の基本1~ 要素,単位,表し方,作図(基本的な考え方) 等
10週 質点にはたらく力(3) ~力の基本2~ ベクトルでの表現,作図 等
11週 質点にはたらく力(4) ~力のつり合い~ 合成と分解,つり合いの式,作用反作用の法則 等
12週 剛体にはたらく力(1) ~剛体にはたらく力の基本1~ 要素,合成と分解,作図による解析 等
13週 剛体にはたらく力(2) ~剛体にはたらく力の基本2~ 力のつり合いの式 等
14週 剛体にはたらく力(3) ~力のモーメント~ 力のモーメント,重心,重力のモーメント 等
15週 剛体にはたらく力(4) ~力のモーメントのつり合い~ 剛体が静止するための条件 等
16週
後期
3rdQ
1週 物体の運動Ⅱ(1) ~運動の法則~ 慣性の法則,運動方程式 等
2週 物体の運動Ⅱ(2) ~物体(質点)の加速度~ 運動方程式による物体の運動の説明 等
3週 エネルギー原理(1) ~エネルギーの基本~ 仕事の定義,運動エネルギー,位置エネルギー 等
4週 エネルギー原理(2) ~仕事とエネルギー~ 仕事とエネルギー、力学的エネルギー保存則 等
5週 エネルギー原理(3) ~物体の運動とエネルギー~ 等加速度直線運動とエネルギー原理 等
6週 運動量原理(1) ~運動量の基本~ 運動量の定義,力積の定義 等
7週 運動量原理(2) ~力積と運動量の関係~ 力積と運動量の変化,運動量保存則,物体の衝突 等
8週 運動量原理(3) ~物体の運動と運動量~ 等加速度直線運動と運動量原理 等
4thQ
9週 熱力学の基本(1) ~熱の基本~ 熱容量,比熱,熱量,熱量の保存,物質の三態 等
10週 熱力学の基本(2) ~気体の法則~ 理想気体,気体の状態変化,気体の状態方程式 等
11週 熱力学の基本(3) ~気体のエネルギー~ 気体のエネルギーの分類・定義,熱力学の第1法則 等
12週 熱力学の基本(4) ~気体分子の運動論~ 気体分子のモデルを使った計算 等
13週 物体の運動Ⅲ(1) ~色々な運動1~ 相対速度(等速直線運動)、慣性力 等
14週 物体の運動Ⅲ(2) ~色々な運動2~ 等速円運動 等
15週 物体の運動Ⅲ(3) ~色々な運動3~ 単振動 等
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力200000020
分野横断的能力200000020