概要:
有機化学薬品と実験器具の正しい取り扱い方を修得し、有機合成化学実験の基本的な操作である混合、溶解、加熱、冷却、蒸留、再結晶、抽出などの方法を学ぶ。有機化学の講義で学んだ有機反応を実際に薬品と器具用いて合成反応を行い、実験経過を注意深く観察し、レポートにまとめる。
授業の進め方・方法:
実験は3-4人1組のローテーションで行う。実験前日までに予備調査を行う。実験毎に各自レポー
トを提出する。
注意点:
次回反応に使用する試薬の物性(分子量・融点・沸点・密度)を調べると共に、使用量・モル数等を計算しておくこと。
基礎実験操作技術を修得していること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション |
有機化学実験に必要な実験装置・操作等を知る
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2週 |
実験説明 |
各実験内容を把握する
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3週 |
実験単位操作 |
基礎的な単位操作技術を修得する
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4週 |
ガラス細工 |
沸石、キャピラリー作成技術を修得する
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5週 |
アミド化反応:アセトアニリドの合成 |
本実験を通して、実験技術(加熱、ろ過等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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6週 |
ジアゾ化とジアゾカップリング反応:オレンジIIの合成 |
本実験を通して、実験技術を修得本実験を通して、実験技術(吸引ろ過等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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7週 |
ラジカル乳化共重合:スチレン-アクリロニトリル樹脂の合成 |
本実験を通して、実験技術(不活性学ガス条件下の操作等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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8週 |
エステル化反応:酢酸エチルの合成 |
本実験を通して、実験技術(加熱、蒸留、分液操作等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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4thQ |
9週 |
芳香族求電子置換反応:ニトロ安息香酸メチルの合成 |
本実験を通して、実験技術(再結晶、吸引ろ過等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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10週 |
Wittig 反応:アルデヒドからオレフィンの合成 |
本実験を通して、実験技術(抽出、TLC、エバポレーター等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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11週 |
水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元反応:ケトンからアルコールの合成 |
本実験を通して、実験技術(再結晶、TLC等)を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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12週 |
カラムクロマトグラフィーによる分離 |
カラムクロマトグラフィーによる分離技術を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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13週 |
機器分析:赤外分光法・核磁気共鳴分光法・融点測定 |
機器分析の測定操作を修得すると共に、レポート作成能力を身に着ける
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14週 |
施設見学 |
有機合成に関する近郊企業・大学を見学し、有機合成化学の見聞を広げる
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15週 |
全体まとめ |
単位操作能力、実験反応の理解度、レポート作成能力を確認する
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 加熱還流による反応ができる。 | 3 | 後7,後8 |
蒸留による精製ができる。 | 3 | 後8 |
吸引ろ過ができる。 | 3 | 後5,後6,後9,後11 |
再結晶による精製ができる。 | 3 | 後5,後6,後9,後11 |
分液漏斗による抽出ができる。 | 3 | 後8,後10 |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 3 | 後10,後11 |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 3 | 後13 |
収率の計算ができる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13 |
沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 3 | 後8 |
分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 2 | 後13 |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 2 | 後13 |
物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 1 | 後1,後2,後3 |