概要:
微生物を中心とした生物の観察やこれらを用いた実験を通して将来のバイオ工業・工学技術者として必要な知識を体験的に学習させ,レポートの整理,実験結果からの考察により技術の素養を身に付けさせる
授業の進め方・方法:
3班に分かれて,テーマを同時進行するため,シラバスの順序と異なる学生が生じることに留意すること。(DNA解析のテーマ等一部の実験については,未学習のため実験前に解説を加える。)これにより,実験中に各操作の意味を理解していけます。実験中は,積極的に手を動かして,実験のスキルを身に付けてください。
関連科目:生物学Ⅰ・Ⅱ,微生物学,酵素構造工学
作成した実験テキストを配布する。
注意点:
実験中は積極的に手を動かして,実験のスキルを身につけてください。レポート作成には真剣に取り組み,実験内容を深く理解すると共に,実験データの処理方法とレポート作成の方法とを習得してください。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験説明及び実験準備 |
生物化学実験に必要な器具のキット(道具箱)を整備する
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2週 |
DNAの解析:DNAの抽出 |
DNAの特性と試薬の取扱い方法について学び、細胞内からDNAを抽出することができる。
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3週 |
DNAの解析:PCR法によるDNAの増幅 |
PCRの原理について理解し、DNAの増幅反応を実行できる。
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4週 |
DNAの解析:制限酵素によるDNAの切断 |
制限酵素の種類や特性について理解し、DNAを配列特異的に切断することができる。
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5週 |
DNAの解析:電気泳動法によるDNAの解析 |
DNAの特性を理解し、電気泳動することによってDNAのサイズを純度を見極めることができる。
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6週 |
タンパク質の解析:カラムクロマトグラフィーⅠ(イオン交換クロマトグラフィー) |
TLCでLysとLeuを分離同定でき,イオン交換カラムにより分離回収することができる
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7週 |
タンパク質の解析:カラムクロマトグラフィーⅡ(ゲルろ過クロマトグラフィー) |
ゲルろ過によって,分子量の異なるタンパク質を分離でき,選択性曲線を描くことができる
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8週 |
タンパク質の解析:タンパク質の定量 |
Lowry法とBradford法によりタンパク定量ができる
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2ndQ |
9週 |
タンパク質の解析:酵素の活性測定 |
ジャガイモに含まれる酸性フォスファターゼ酵素の最適pHと最適温度を決定できる
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10週 |
細菌の観察及び解析:空中浮遊細菌・土壌細菌の採取及び培養 |
空中浮遊細菌及び土壌細菌の採取,無菌操作及び細菌の培養方法を習得する。
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11週 |
細菌の観察及び解析:グラム染色法による細菌の観察 |
グラム染色法及び細菌の顕微鏡観察法を習得する。
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12週 |
細菌の観察及び解析:簡易同定法を用いた細菌の同定 |
オキシダーゼテスト及び簡易同定法による細菌の同定技術を習得する。
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13週 |
細菌の観察及び解析:大腸菌の増殖測定 |
大腸菌数の種々測定方法を習得すると共に,同菌の増殖状況を理解する。
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14週 |
実験レポート提出,器具整理 |
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15週 |
実験総括 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 2 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 3 | |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 3 | |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 3 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 3 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 3 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 3 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 3 | |