工業倫理

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 工業倫理
科目番号 0159 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:齊藤了文他著;はじめての工学倫理 第三版;昭和堂。その他必要に応じてプリントを配布する
担当教員 冨岡 寛治

到達目標

1. 技術者の倫理観の欠如により起こった事故や事件の調査を通して,その背景や原因を的確に捉えることができる
2. 事例発表ならびに質疑応答を通して,物事をより深く多面的に思考できる
3. 事例発表ならびにグループ討議を通して,技術者が日常の業務の中で直面する可能性のある倫理的問題を幅広く捉え,倫理的な価値判断を行うことができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1講義で取り上げた技術者倫理の欠如により生じた事故の背景や原因を理解し説明することができる講義で取り上げた技術者倫理の欠如により生じた事故の背景や原因を理解できる講義で取り上げた技術者倫理の欠如により生じた事故の背景や原因を理解できない
評価項目2発表事例のそれぞれに対し,倫理上の問題を理解し説明することができる発表事例のそれぞれに対し,倫理上の問題を理解することができる発表事例のそれぞれに対し,倫理上の問題を理解することができない
評価項目3技術者が直面する可能性のある問題に対し,倫理的な価値判断を行い行動することができる 技術者が直面する可能性のある問題に対し,倫理的な価値判断を行うことができる技術者が直面する可能性のある問題に対し,倫理的な価値判断を行うことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者の倫理観の欠如によって,事故や事件など社会的に非常に大きな問題が生じ,時として生命が失われたり,環境が破壊されている実情を過去の事例調査によって理解する。さらに,調査結
果に基づいた討議を通して,技術ならびに工業製品が社会や自然に及ぼす影響の大きさを学習し,技
術者が負うべき倫理的責任を認識できるようにする。
授業の進め方・方法:
技術者倫理について概説した後,受講者をグループに分け,グループ毎に設定した事例を対象に,事例の詳細な調査を行い,技術者の行動や判断を分析し,結果を持ち回りで発表させる。その後,仮想事例などを用いてさらに掘り下げたグループ討議を行い,技術者が遭遇する種々の倫理的課題に対する解決策の提案,実践について討議させる。
注意点:
定期試験は行わず,目標への到達度は,発表,討議内容および授業終了時の課題レポートから評価するので,授業への積極的な参加が重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業の概要ならびに進め方の紹介(授業ガイダンス) 本授業の概要と進め方が理解できる
2週 「なぜ今,技術者倫理なのか?」~JCO臨界事故ならびに雪印集団食中毒事件を参考に~ 技術者倫理を学習することの必要性が理解できる
3週 事例調査スキルおよび発表スキルに関するDVD鑑賞,及びグループ毎に調査・研究対象とする事例の設定
事例調査および発表に関する基本的なスキルが理解できる。調査対象となる事例が決定できる
4週 事例調査および発表用スライド作成のためのグループ作業(1) 事例についての大まかな調査ができている
5週 事例調査および発表用スライド作成のためのグループ作業(2)  事例について調査ができ,スライドが作成できている
6週 事例発表と討論・相互評価(1)(グループ1,2,3) 1~3グループの事例発表を行い,それに関する討論により事例が大まかに理解できている
7週 事例発表と討論・相互評価(2)(グループ4,5,6) 4~6グループの事例発表を行い,それに関する討論により事例が大まかに理解できている
8週 事例発表と討論・相互評価(3)(グループ7,8,9) 7~9グループの事例発表を行い,それに関する討論により事例が大まかに理解できている
4thQ
9週 事例発表と討論・相互評価(4)(グループ10,11,12)  10~12グループの事例発表を行い,それに関する討論により事例が大まかに理解できている
10週 事例発表と討論・相互評価(5)(グループ13,14,15) 13~15グループの事例発表を行い,それに関する討論により事例が大まかに理解できている
11週 事例研究 - 技術者と環境倫理(1)  環境関連の事例紹介により,環境倫理の現状と問題点が大まかに理解できる
12週 事例研究 - 技術者と環境倫理(2) 
環境関連の事例紹介により,環境倫理の現状と問題点を理解し,説明することができる
13週 事例研究 - 技術者と生命倫理(1) 生命倫理関連の事例紹介により,生命倫理の現状と問題点が大まかに理解できる
14週 事例研究 - 技術者と生命倫理(2) 生命倫理関連の事例紹介により,生命倫理の現状と問題点を理解し,説明することができる
15週 まとめ これまでの総まとめを行い,到達目標に挙げた能力・スキルを修得している
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合040200040100
基礎的能力0100001020
専門的能力03020003080
分野横断的能力0000000