物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0283 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山内淳著、新・物質科学ライブラリ3 基礎 物理化学Ⅱ -物質のエネルギー論-、サイエンス社。参考書:W.J.Moore著、ムーア基礎物理化学(上)、東京化学同人。佐藤恒夫、細谷治夫著、ムーア基礎物理化学問題の解き方、東京化学同人。P.W.Atkins著、アトキンス物理化学(上)、東京化学同人
担当教員 栫 隆彦

到達目標

1.生物応用化学における専門基礎である物理化学に関する知識を身につける。
2.物理量に単位をつけることができる。
3.気体の性質の各種計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安テスト
評価項目1物理化学の基礎知識を活用できる物理化学の基礎知識を有している物理化学の基礎知識を有していないテスト
評価項目2物理量の単位変換が自在にできる物理量に単位をつけることができる物理量に単位をつけることができないテスト
評価項目3気体の性質の総合問題に関する各種計算ができる気体の性質の個々の問題に関する計算ができる気体の性質に関する計算ができないテスト
評価項目4テストテストテストテスト

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学および数学的理論を基礎として化学的分野に理論的体系を与える。主に自然界における物質の挙動を数式を用いて記述し、化学物質の性質および現象に関する精密な測定と解析の結果からその構造単位を解明することを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業内容を黒板に記載し、それぞれについて説明する。単なる現象、数式の説明のみでなく、例題、演習問題等も取り混ぜる。
注意点:
履修にあたって、数学、物理、化学に関する知識が必要である。
評価方法の詳細
定期試験(中間試験30% 期末試験70%)から評価する。
(評価基準:定期試験の総計が、60点以上を修得とする。)
再試験を行う。60点以上を合格(60点)とする。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物理化学の概要 物理化学の概要を理解する
2週 物理量の次元と定義 : 各種物理量の定義、次元解析 各種物理量の定義を理解し、次元解析できる
3週 物質量 : 化学反応式、モルの概念 物質量を理解し、化学反応式を立て、モル計算ができる
4週 物質の状態(1): 理想気体、状態方程式 理想気体を理解し、状態方程式を用いた計算ができる
5週 物質の状態(2): 標準状態、混合気体 標準状態を理解し、混合気体についての計算ができる
6週 物質の状態(3): 気体分子の運動 気体分子の運動を理解し、圧力に関連した式を導出できる
7週 中間まとめ これまでの内容を復習する
8週 物質の状態(4): 気体の凝縮、実在気体 理想気体と実在気体の違いを理解できる
4thQ
9週 物質の状態(5): 対応状態の原理 対応状態の原理を理解し、各種計算ができる
10週 物質の状態(6): 実在気体の状態方程式 実在気体の状態方程式を用いた計算ができる
11週 物質の状態(7): ファンデルワールス方程式 ファンデルワールス方程式について理解できる
12週 物質の状態(8): 物質の三態 物質の状態変化について理解できる
13週 物質の状態(9): 圧縮率と膨張 圧縮率と膨張率の計算ができる
14週 物質の状態(10): 相間の平衡 相間の平衡を理解し、ギブズの相律を用いた計算ができる
15週 まとめ これまでの内容を復習する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2
化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2後12
水の状態変化が説明できる。2後12
物質の三態とその状態変化を説明できる。3後12
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後4
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後4
原子の相対質量が説明できる。2後3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。2後3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2後3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2後4
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3後4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。3後6
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3後8,後9,後10,後11
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。3後8
混合気体の分圧の計算ができる。3後5
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。2後12
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。2後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000