微生物学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 微生物学
科目番号 0285 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:微生物学(基礎生物学テキストシリーズ4) 青木健次編著 化学同人。参考図書:応用微生物学 改訂版 村尾澤夫,新井基夫編 培風館。微生物学 坂本順司著 裳華房
担当教員 中嶌 裕之

到達目標

1.微生物の基礎的な分類法について理解できる。
2.微生物の利用方法の現状を把握できる。
3.微生物の取扱い方法について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
微生物の分類微生物を種類ごとに学名で記載できる微生物の学名を見て特徴的分類を判定できる微生物について,真菌類,細菌類の区別ができない
微生物の代謝微生物の代謝及び遺伝子を理解し,その利用方法を説明できる微生物の代謝について説明できる微生物の性質を理解できない
微生物の取扱い微生物の取扱い及び無菌操作についてその理由を含めて理解している微生物の取扱い方法を説明できる微生物の取扱いを理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物は,食品産業,医薬関係,環境浄化及びバイオテクノロジー等様々な分野に利用されている。そこで,微生物に関する最小限の基礎知識を習得させるとともに,微生物の利用法の実例を紹介する。また,微生物災害の防除法についても講義する。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義する。微生物学の基礎として代表的な菌類の名称を学名で覚える。また,各菌の性質を理解し,どのように有効利用できるかを考える。菌の扱い方,危険性を理解し,その対応策を考える。
関連科目:生物学Ⅰ・Ⅱ
教科書:微生物学(基礎生物学テキストシリーズ4) 青木健次編著 化学同人
参考図書:応用微生物学 改訂版 村尾澤夫,新井基夫編 培風館
     微生物学 坂本順司著 裳華房
注意点:
微生物の分類は,各菌が持つ特有の性質ごとに整理して理解すること。また,学名からその菌がどのような性質を持つのか判断することができるようになること。菌の扱い方は,並行して受講する「生物化学実験」で実践的に習得すること。定期試験(中間試験50%+期末試験50%)の100%で評価し、60点以上を合格とする。必要に応じて再試験を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微生物学の歴史 微生物学の発展に貢献した人物及びその内容を理解できる
2週 微生物の取扱い方 滅菌・培養技術を含む微生物の取扱い方について理解できる
3週 微生物の観察 グラム染色法を主とした光学顕微鏡観察方法について理解できる
4週 微生物の種類と分類 微生物の主要な分類群とそれに属する主な種を把握できる
5週 微生物の細胞構造 細菌の細胞構造について,グラム陽性菌,陰性菌を区別して理解できる
6週 微生物の栄養と増殖 微生物の増殖曲線の各時期について説明できる。また,増殖の測定方法について説明できる。
7週 微生物の遺伝と遺伝子工学 遺伝に関する基礎的な内容と微生物特有の遺伝方法について理解できる
8週 微生物の代謝 微生物におけるエネルギー獲得方法について理解できる
2ndQ
9週 微生物による発酵 微生物の代謝の中で,発酵について理解できる
10週 微生物による製造 微生物の代謝を利用した各物質の製造について理解できる
11週 微生物の生態,地球化学的物質循環への寄与 自然環境における微生物のフロラについて理解できる
12週 微生物の環境保全への利用 水質浄化やバイオレメディエーション等環境保全への微生物の利用について理解できる
13週 微生物災害とその防除 微生物災害とその防除方法について理解できる
14週 食品の腐敗と保蔵 食品の腐敗の原因菌とその保蔵方法について理解できる
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。1
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。1
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。1
地球上の生物の多様性について説明できる。2
生物の共通性と進化の関係について説明できる。2
生物に共通する性質について説明できる。2
森林の階層構造を理解し、森林・草原・荒原の違いについて理解している。2
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。2
世界のバイオームとその分布について説明できる。2
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。2
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。2
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。4
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。2
有害物質の生物濃縮について説明できる。2
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。2
人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識英語のつづりと音との関係を理解できる。1
英語の標準的な発音を聴き、音を模倣しながら発声できる。2
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。2
細胞周期について説明できる。2
分化について説明できる。2
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。2
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。1
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。1
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。1
単糖と多糖の生物機能を説明できる。2
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。1
多糖の例を説明できる。2
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。1
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。2
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。2
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。2
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。2
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。2
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。3
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3
微生物の育種方法について説明できる。3
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3
食品加工と微生物の関係について説明できる。3
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。2
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。3
遺伝子組換え技術の原理について理解している。3
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。3
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。1
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010