応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0288 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 検定済教科書 高等学校理科用 物理(啓林館)問題集: センサー物理(啓林館)
担当教員 一政 遼太郎

到達目標

1. 電気・磁気についての基礎的な物理法則を理解する。
2. 具体的な電気・磁気に関する問題を解くことができる。
3. 身の回りの現象との関係を電磁気学的に理解できる。
4. 電磁気学の知識を日常生活に生かす技術と態度を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ガウスの法則と応用電荷分布が既知の系に対し、基本法則を用いて様々な物理量の計算・説明ができる対称性ごとのガウスの法則を覚えており、これを用いて物理量が計算できるガウスの法則を理解しておらず、簡単な問題を解くことができない
キルヒホッフの法則と応用キルヒホッフの法則を用いて任意の回路の電位・電流などの物理量を計算できるキルヒホッフの法則を用いて簡単な回路の電位・電流などの物理量を計算できるキルヒホッフの法則を理解しておらず、簡単な問題を解くことができない
電場から受ける力とローレンツ力任意の系での荷電粒子が電磁場から受ける力を計算することができ、基本法則を用いて説明できる荷電粒子が電場・磁場から受ける力を計算することができる荷電粒子が電場・磁場から受ける力を計算できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁気学の基礎・仕組みを学び、生物学的・化学的な反応において重要な電気・磁気についての考え方を理解する。さらに物理学的視点から物事を観察・分析できる能力を養う。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で進める。理解を深めるために適宜演習や実験を行い、レポート課題を課す。授業の進行は基本的に教科書に従うが、より高度な内容を適宜盛り込む。物理学は、講義を聴くだけでは理解しにくいため、自ら考え自ら手を動かすことが必要となる。身近な現象や日常的に使っている機器の原理を知ることも理解につながるため、身の回りの現象に興味を持ち観察することも重要である。
注意点:
中間試験50%、期末試験50%で評価を行う。
60点以上を合格とし、60点未満の者に対して再試を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電荷と静電気力 電荷、静電気力について説明できる
2週 静電誘導・誘電分極 静電誘導・誘電分極について説明できる
3週 電界とクーロンの法則 電界とクーロンの法則を説明できる
4週 電気力線とガウスの法則 電気力線を書くことができる
ガウスの法則を用いて電場を求めることができる
5週 電位 電位を求めることができる
6週 導体と電界・電位 電場中に導体を入れたときの電場の様子を説明できる
7週 コンデンサーの電気容量と静電エネルギー 電気容量と静電エネルギーを求めることができる
8週 コンデンサーの接続 並列、直列に接続したときの合成容量を求めることができる
2ndQ
9週 電流・抵抗とオームの法則 電流、電位、抵抗の関係を理解する
10週 電力・ジュール熱 ジュール熱の説明・計算ができる
11週 直流回路 電圧降下や合成抵抗の説明ができる
12週 電流・電圧・抵抗の測定方法 電流計・電圧計の仕組みを理解する
13週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を説明できる
14週 抵抗とコンデンサーを含む回路 抵抗とコンデンサーを含む回路に流れる電流を計算できる
15週 半導体 半導体の仕組みについて説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 磁気力 磁気力について理解する
2週 磁界・磁力線 磁界・磁力線の説明ができる
3週 電流がつくる磁界 電流がつくる磁界を求めることができる
4週 電流が磁界から受ける力 フレミングの左手の法則を説明でき、力の大きさを求めることができる
5週 磁束密度と磁性体 磁束密度と磁性体の説明ができる
6週 ローレンツ力と粒子の運動 荷電粒子が磁場から受ける力と電流が磁界から受ける力を関連付けて理解できる
また、ローレンツ力を用いてそれらの運動を計算できる
7週 電磁誘導の法則 電場と磁場の関係について理解する
8週 誘導起電力 電場と磁場の関係について理解し、説明できる
4thQ
9週 自己誘導と相互誘導 誘導起電力について理解し、応用した考え方ができる
10週 交流の発生、抵抗に流れる交流 誘導起電力の計算ができる
実効値について理解する
11週 コンデンサーやコイルに流れる交流 電流・電圧などの位相のズレを基本原理から求めることができる
12週 RLC回路 基本原理、実効値の定義を用いて回路のインピーダンス等の物理量を求めることができる
13週 共振回路 固有周波数、共振について説明できる
14週 電気振動 電気振動の説明ができる
15週 電磁波 電磁波の種類と性質について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。1前1
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2前3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。1前9
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。1前11
ジュール熱や電力を求めることができる。1前10
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2
基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3
細胞周期について説明できる。3
分化について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。2
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。2
グリコシド結合を説明できる。2
多糖の例を説明できる。2
脂質の機能を複数あげることができる。1
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。1
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。2
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
クエン酸回路の概要を説明できる。3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。2
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。2
遺伝子組換え技術の原理について理解している。2
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。2
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。2
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000