1. バイオプロセスのアップストリームからダウンストリーム(培養準備から培養,分離精製)までの基本構成とそれぞれの課題が理解できる
2. 微生物や動植物細胞など,様々な生体触媒を利用して物質生産や環境浄化が行われている現状が理解できる
3. バイオプロセスの設計・運転に係る要素技術として,培養,計測・制御,通気,滅菌の基本操作が理解できる
概要:
生物機能を利用したバイオプロセスのアップストリームからダウンストリームに至る全体像を,実際の工業プロセスであるイースト製造プロセスの事例紹介を通して理解させる。さらに生物機能を利用した有用物質生産ならびに環境浄化などを効率的に実施するための合理的な設計・操作・制御手法についても体系的に理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書およびプリントを用いて授業を進める。なお本科目は学修単位科目であることから,自学自習のエビデンスとして,講義内容に関連したレポートあるいは復習テストのいずれかを毎回課す。レポートや小テストの成績は評価方法に示した配分で最終成績に加味する。
注意点:
本科目は学修単位科目であり,単位の修得に当たっては十分な自学自習を行うことが義務付けられている。このため毎週レポートあるいは復習テストのいずれかを課すので,自宅において十分な量(2時間/1講義)の予習,復習を実施すること。
2回の試験結果(中間試験(40 %), 期末試験(40 %))およびレポート・復習テスト(20 %)により評価する。
60点以上を合格とする。
再試験は必要に応じて行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
バイオプロセスの概要 |
バイオプロセスの目的が理解できる
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2週 |
バイオプロセスの構成 |
バイオプロセスがアップストリームからダウンストリームで構成されていることが理解できる
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3週 |
生体触媒のいろいろ |
バイオプロセスで用いられる主要な生体触媒の種類と,それぞれの特徴が説明できる
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4週 |
バイオプロセスの実際 発酵工業とニューバイオテクノロジー |
古典的な醸造工業とバイオテクノロジーによる新産業の現状が理解できる
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5週 |
バイオリアクターの分類と特徴 |
バイオリアクターとして用いられている撹拌槽,気泡塔,流動層のそれぞれの特徴が理解できる
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6週 |
培養操作と培養特性 |
基本的な回分,半回分,連続操作の操作方法ならびに培養特性が理解できる
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7週 |
微生物反応速度論 |
微生物反応の速度論として,増殖・基質消費・代謝産物生産速度が理解できる
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8週 |
中間まとめ |
ここまでの内容のまとめを行う
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2ndQ |
9週 |
バイオプロセスにおける計測 |
バイオプロセスで用いられるセンサーの特徴並びに個々のセンサーの概要が理解できる
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10週 |
バイオプロセスにおける制御 |
バイオプロセスの制御方式としてシーケンス制御,定値制御の概要が理解できる
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11週 |
通気操作と撹拌操作 |
バイオプロセスにおける通気操作と撹拌操作方法が理解できる
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12週 |
滅菌操作とその特性 |
バイオプロセスで用いられる種々の無菌操作と加熱滅菌における特性が理解できる
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13週 |
環境バイオテクノロジー |
活性汚泥プロセスとバイオレメディエーションの概要について理解できる
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14週 |
バイオマスの有効利用 |
バイオディーゼル,バイオエタノール生産を例にバイオマスの有効利用について理解できる
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15週 |
まとめ |
バイオプロセスの全体構成ならびに設計・運転に係る要素技術について理解できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 2 | |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 2 | |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 2 | |
化学工学 | バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。 | 3 | |
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。 | 2 | |
プロセス制御の方法と代表的なプロセス制御の例について理解している。 | 2 | |
基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 2 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 2 | |
生物化学 | 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 2 | |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 3 | |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 2 | |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 2 | |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 3 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 3 | |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 3 | |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 3 | |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 2 | |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 3 | |
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。 | 2 | |
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。 | 2 | |
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。 | 2 | |