化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0316 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:松本道明、薄井洋基、三浦孝一、加藤滋雄、福田秀樹、標準化学工学、化学同人。参考図書:化学工学会監修、化学工学(改訂第3版)―解説と演習―、朝倉書店;化学工学教育研究会編、新しい化学工学、産業図書;橋本健治著、反応工学、培風館;齋藤勝裕著、反応速度論 化学を新しく理解するためのエッセンス、三共出版
担当教員 栫 隆彦

到達目標

1.反応工学に関する基礎的内容を理解できる。
2.各種反応速度式を導出し、反応器設計の基礎式を用いることができる。
3.化学反応を行う場合に重要となる操作,ならびに反応後の分離精製操作として行われる各種単位操作の原理を理解し,説明できる能力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種化学反応の反応速度式を導出できる反応速度式を立てられる反応速度論を理解できない
評価項目2反応器設計式を反応器設計に活用できる反応器設計式を立てられる反応器設計学を理解できない
評価項目3単位操作(吸収、抽出、吸着、膜分離)の知識を活用できる単位操作(吸収、抽出、吸着、膜分離)を理解できる単位操作(吸収、抽出、吸着、膜分離)の知識を有していない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
本講では、各種物質生産を行う上で必要な各種反応に関する基礎的知識を得るとともに、各プロセスに適用される操作法や装置の設計法などについて学ぶことを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業内容を黒板に記載し、それぞれについて説明する。単なる現象、数式の説明のみでなく、演習問題等も取り混ぜる。
注意点:
履修にあたり、化学、生物化学、物理化学、数学に関する知識が必要である。
評価方法の詳細
前期及び後期に関しては定期試験(中間試験30% 期末試験70%)から評価する。
前期成績50%、後期成績50%として総合評価する。(評価基準:60点以上を修得とする。)
再試験を行う。再試験は60点以上を合格(60点)とする。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 反応速度論の概要 反応速度論の概要を理解する
2週 反応速度式 反応速度式を立てられる
3週 反応とエネルギー 反応速度とエネルギーの関係を説明できる
4週 定常状態近似法 定常状態近似法を用いた基本的な反応速度式の導出ができる
5週 律速段階近似法 律速段階近似法を用いた基本的な反応速度式の導出ができる
6週 複雑な反応の速度 各種反応速度式の導出ができる
7週 酵素反応速度論(1):Michaelis-Menten式、Lineweaver-Burkプロット Michaelis-Menten式、Lineweaver-Burkプロットを適用できる
8週 酵素反応速度論(2):酵素反応速度式の導出 酵素反応速度式を導出できる
2ndQ
9週 反応器設計学の概要 反応器設計学の概要を理解する
10週 反応装置、操作方式 反応装置、操作方式を説明できる
11週 流れ状態、滞留時間分布 流れ状態、滞留時間分布を説明できる
12週 反応器設計の基礎式(1):回分反応器 回分反応器の設計式を適用できる
13週 反応器設計の基礎式(2):連続槽型反応器 連続槽型反応器の設計式を適用できる
14週 反応器設計の基礎式(3):管型反応器 管型反応器の設計式を適用できる
15週 反応工学のまとめ これまでの内容を復習する
16週
後期
3rdQ
1週 固体触媒反応の基礎 固体触媒反応の概要を理解できる
2週 固体触媒反応の速度と反応器設計の基礎式(1):回分反応器 固体触媒反応に回分反応器の設計式を適用できる
3週 固体触媒反応の反応器設計の基礎式(2):連続槽型反応器、管型反応器 固体触媒反応に連続槽型反応器、管型反応器の設計式を適用できる
4週 ガス吸収の基礎 ヘンリーの法則を理解し、溶解平衡を説明できる
5週 吸収速度 二重境膜を理解し、境膜内の拡散を説明できる
6週 吸収操作 吸収操作の基礎式を立て、説明できる
7週 抽出の基礎 各種抽出操作の概要を理解できる
8週 後期中間まとめ(中間試験) これまでの内容を復習する
4thQ
9週 抽出操作 抽出操作の基礎式を立て、説明できる
10週 吸着の基礎 各種吸着操作の概要を理解できる
11週 吸着操作 吸着操作の基礎式を立て、説明できる
12週 膜分離の基礎 各種膜分離法の概要を理解できる
13週 膜分離操作(1):ガス分離膜、透析膜 ガス分離膜、透析膜の基礎式を立て、説明できる
14週 膜分離操作(2):限外濾過膜、逆浸透膜 限外濾過膜、逆浸透膜の基礎式を立て、説明できる
15週 後期期末まとめ これまでの内容を復習する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3前2,前3
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3前3,前6
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3前3
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。3前2,前6
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。3前4,前5,前6,前8
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。3前3
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。3前7
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。2前7
化学工学基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。3後7,後9
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。3後10,後11,後12,後13,後14
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000