到達目標
1. 化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解し、化学工学などへの応用力を習得する。
2. これらの化学的現象を数理的に取り扱うことができる。
3.物質の状態平衡、溶液の熱力学、電解質溶液と電気化学の理解を深める。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解し、化学工学への応用が可能である。 | 化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解している。 | 化学的現象を理解するために必要な基礎式・基礎理論を十分理解していない。 |
評価項目2 | 相平衡に関する現象を数理的に取り扱うことができる。 | 相平衡に関する現象を理解している。 | 相平衡に関する現象を理解していない。 |
評価項目3 | 電気化学に関する現象を数理的に取り扱うことができる。 | 電気化学に関する現象を理解している。 | 電気化学に関する現象を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学の基礎として、物質の性質、変化、化学反応及びエネルギーに関する物理化学的な基礎理論を理解し、応用のための計算手法を学習する。工業物理化学Ⅱでは、物質の平衡状態、溶液の熱力学、イオン溶液および基礎的な電気化学に関する内容についての理解を目指す。
授業の進め方・方法:
教科書およびプリントを用いて授業を進める。
注意点:
計算に必要な関数電卓を持参すること。中間試験45%、定期試験45%、レポート10%として評価する。60点以上を合格とする。成績が60点未満の者を対象に再試験を行う。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
相転移と相平衡 |
相律の定義を理解して、純物質および混合物系の自由度を計算できる
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2週 |
一成分系の相平衡 |
純物質の状態図を理解して、蒸気圧曲線を説明できる
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3週 |
一次相転移と二次相転移 |
一次相転移と二次相転移の定義を説明できる
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4週 |
理想溶液 |
溶液の理想性および非理想性について説明ができる
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5週 |
気液平衡、液液平衡、固液平衡 |
二成分系の気液平衡、液液平衡、固液平衡を説明し、相図を理解できる
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6週 |
化学ポテンシャル |
非理想溶液のケミカルポテンシャルについて説明ができる
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7週 |
溶液の束一的性質 |
束一的性質を説明でき、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧の計算ができる
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8週 |
中間まとめ |
これまでの内容を復習する
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2ndQ |
9週 |
電解質溶液 |
電解質溶液の特性について説明できる
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10週 |
イオンの活量 |
電解質溶液の活量を計算することができる
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11週 |
酸化還元反応と電池 |
電池の構造と原理について説明することができる
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12週 |
電池の起電力とネルンストの式 |
ネルンストの式を用いて、起電力を計算することができる
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13週 |
電池の熱力学 |
電池の自由エネルギーや平衡定数などの熱力学変数について説明できる
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14週 |
半電池と標準電極電位 |
半電池と標準電極電位について説明できる
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15週 |
電気分解と燃料電池 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 3 | 前10 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | 前13 |
物理化学 | 実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 3 | 前4,前6 |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 3 | 前2 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | 前4 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 3 | 前2 |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 3 | 前5 |
束一的性質を説明できる。 | 3 | 前7 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前7 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前7 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 3 | 前1 |
ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。 | 3 | 前12,前13 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 3 | 前15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |