高分子化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 高分子化学Ⅱ
科目番号 0371 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:中條善樹,中建介著,「化学マスター講座 高分子化学 合成編」,丸善。参考書:井上祥平著,「はじめての高分子化学」,化学同人。高分子学会編,「基礎高分子科学」,東京化学同人。遠藤剛・三田文雄著,「高分子合成化学」,化学同人。山下雄也監修,「高分子合成化学」,東京電機大学出版局 他
担当教員 渡邊 勝宏

到達目標

1.高分子化合物がどのようなモノマーからどのような重合反応で合成されるか理解する.
2.様々な重合法の特徴を理解し,実際に重合する際の注意点等を判断・理解する能力の習得.
3.様々な重合手段の特徴を理解し,使用するモノマーに応じた重合手段を選択する能力の習得. 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子化合物がどのようなモノマーからどのような重合反応で合成されるか十分理解できる.高分子化合物がどのようなモノマーからどのような重合反応で合成されるか理解できる.高分子化合物がどのようなモノマーからどのような重合反応で合成されるか理解できない.
評価項目2様々な重合法の特徴を理解し,実際に重合する際の注意点等を十分に判断・理解できる様々な重合法の特徴を理解し,実際に重合する際の注意点等を判断・理解できる様々な重合法の特徴を理解し,実際に重合する際の注意点等を判断・理解できない
評価項目3様々な重合手段の特徴を理解し,使用するモノマーに応じた重合手段を選択する能力が十分身についている様々な重合手段の特徴を理解し,使用するモノマーに応じた重合手段を選択する能力が身についている様々な重合手段の特徴を理解し,使用するモノマーに応じた重合手段を選択する能力が身についていない

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高分子化合物の合成法について,理解を深める.具体的には,高分子化合物の合成法(重縮合,付加重合,付加縮合,重付加等)の特徴を理解し,重合反応機構の面からは,ラジカル重合やイオン重合の連鎖重合と,重縮合の逐次重合の違いを理解する.主な重合法(塊状重合,溶液重合,乳化重合,懸濁重合)や共重合(共重合法の概念,共重合組成曲線の利用法等)に関する内容も扱う. 
授業の進め方・方法:
有機化学で学んだ各種ビニルモノマー,ジオール,ジカルボン酸,ジアミン等の基礎的な性質、有機反応機構が理解されているものとして授業を進める.また,前期開講科目の高分子化学Ⅰ内容(高分子の構造や物性等)についても,理解しているものとして授業を進める. 
注意点:
定期試験(中間試験40%+期末試験60%)で評価する.再試験は必要に応じて実施する.60点以上を修得とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション,高分子の合成法(1)-重縮合-  重縮合について理解を深める
2週 高分子の合成法(2)-付加重合-  付加重合について理解を深める
3週 高分子の合成法(3)-付加縮合-  付加縮合について理解を深める
4週 高分子の合成法(4)-重付加-  重付加について理解を深める
5週 ラジカル重合(1)-反応機構-  ラジカル重合の反応機構について理解を深める
6週 ラジカル重合(2)-反応速度-  ラジカル重合における重合速度論について理解を深める
7週 ラジカル重合(3)-重合法-  ラジカル重合における各種重合法について理解を深める
8週 中間まとめ 
4thQ
9週 イオン重合(1)-カチオン重合-  カチオン重合の反応機構について理解を深める
10週 イオン重合(2)-アニオン重合-  アニオン重合の反応機構について理解を深める
11週 配位重合  配位重合の反応機構について理解を深める
12週 開環重合  開環重合について理解を深める
13週 リビング重合  リビング重合について理解を深める
14週 ラジカル共重合  共重合体の構造,特性について理解を深める
15週 共重合組成曲線  共重合組成曲線を作成し,共重合条件との相関性について理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。2
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000