機器分析

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機器分析
科目番号 0379 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 前期・教科書:加藤正直・山内一美・鈴木秋弘共著、基礎からわかる機器分析、森北出版。参考書:日本分析化学会近畿支部編・ベーシック機器分析化学・化学同人、江藤守總編著・機器分析。後期・教科書:M.Hesse等著、馬場章夫等訳、有機化学のためのスペクトル解析法、化学同人。参考書:R.M.Silverstein等著、荒木峻等訳、有機化合物のスペクトルにより同定法、東京化学同人
担当教員 石井 努

到達目標

1.有機化学、無機化学、物理化学、分析化学等で用いる機器分析方法の専門基礎原理を理解する。
2.機器分析データの解析能力を修得する。
3.定量・定性・構造同定における問題解析力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種機器分析方法の基礎応用原理を理解している各種機器分析方法の基礎原理を理解している各種機器分析方法の基礎原理を理解していない
評価項目2複数の機器分析データによる解析能力を修得している各種機器分析データの解析能力を修得している各種機器分析データの解析能力を修得していない
評価項目3複数の機器分析を組み合わせた定量・定性・構造同定ができる機器分析による定量・定性・構造同定ができる機器分析による定量・定性・構造同定ができない

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
多くの化学分析の分野が機器分析に移行し、省力化、迅速化、高感度化等の点で機器分析法の占める役割が大きくなっている。本講義では、化学に携わる学生に必用な各種機器分析法の原理・用途・装置・検出データについて概説し、これらの使用法の理解及びデータ解析能力の修得を目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを併用する。授業内容は、白板とパワーポイントを併用して説明する。
各種機器分析法の原理、用途、装置、検出データについて概説し、これらの機器分析の定性・定量・
構造同定における重要性と必要性を説明する。
適宜演習を加えて、各種機器分析データの解析を行う。
注意点:
すでに受講した関連科目(有機化学、物理化学、無機化学、分析化学)の基礎知識を必要とする
前期中間試験(25%)、前期期末試験(25%)、後期中間試験(25%)、後期期末試験(25
%)から評価する。再試験は必要に応じて行う。評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 各種機器分析の導入 各種機器分析を知る
2週 ガスクロマトグラフィー ガスクロマトグラフィーの原理を理解する
3週 高速液体クロマトグラフィー 高速液体クロマトグラフィーの原理を理解する
4週 検量線によるクロマトグラム解析 検量線によるクロマトグラム解析ができる
5週 電気泳動 電気泳動の原理を理解し、生体分子の分析に応用できる
6週 電磁波と物質の相互作用 電磁波と物質の相互作用を理解する
7週 Lambert-Beerの法則 Lambert-Beerの法則を理解し、定量分析に応用できる
8週 中間まとめ 上記内容の理解度を確認し、前期後半授業に繋げる
2ndQ
9週 紫外・可視分光法 紫外・可視分光法の原理を理解し、スぺクトル解析能力を修得する。
10週 蛍光分光法 蛍光分光法の原理を理解し、スぺクトル解析能力を修得する。
11週 原子吸光分析 原子吸光分析の原理を理解し、定量分析に応用できる
12週 ICP発光分析 ICP発光分析の原理を理解し、定量分析に応用できる
13週 X線分析 X線分析の原理を理解し、データの解析能力を修得する
14週 電子顕微鏡・プローブ顕微鏡 電子顕微鏡・プローブ顕微鏡の原理を理解し、データの解析能力を修得する
15週 前期まとめ 前期内容の習得度を確認する
16週
後期
3rdQ
1週 有機化合物の同定法 有機化合物の同定法を知る
2週 核磁気共鳴分光法(NMR) 核磁気共鳴分光法(NMR)を知る
3週 NMRの基礎原理ーゼーマン分裂・核磁気共鳴・緩和 NMRの基礎原理の原理を理解する
4週 NMRによる構造同定1:化学シフト 化学シフトによる構造同定ができる
5週 NMRによる構造同定2:スピンースピンカップリング スピンースピンカップリングによる構造同定ができる
6週 NMRによる構造同定3:積分 積分による構造同定ができる
7週 13C NMR 13C NMRの原理を理解し、基礎知識を習得する
8週 中間まとめ 上記内容の理解度を確認し、後半の授業に繋げる
4thQ
9週 2次元NMR 2次元 NMRの原理を理解し、基礎知識を習得する
10週 赤外分光法(IR)の基本原理 赤外分光法(IR)の基本原理を理解する
11週 IRによる構造同定1:伸縮振動 伸縮振動による構造同定ができる
12週 IRによる構造同定2:変角振動、指紋領域 変角振動及び指紋領域の振動による構造同定ができる
13週 質量分析法の基本原理 質量分析法の基本原理を理解する
14週 質量分析法による構造同定 質量分析法による構造同定ができる
15週 後期まとめ 後期内容の習得度を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後13,後14
無機化学電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。2前6
分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3前6,前7,前9,前10,後10,後11,後12
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3前7
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3前3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。2前3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3前5,後1,後2,後11,後13,後14
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3前2,前3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3前4,前11,前12,前13,前14
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。2前13
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。2後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010