物化・化工実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物化・化工実験
科目番号 0383 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:自作プリント。参考書:橋本健治編、ベーシック化学工学、化学同人。後藤廉平編、物理化学実験法、共立図書。松本道明ら編、標準化学工学、化学同人。化学工学会編、化学工学便覧、丸善
担当教員 栫 隆彦,松山 清,松田 貴暁,中島 めぐみ

到達目標

1.実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進め
て様々な現象や単位操作を深く理解し、説明できる能力を身に付ける。
2.技術レポートの書き方を身に付ける。
3.測定機器の取扱および測定技術を身に付ける。
4.チームで協力して実験を実施し,正確なデータを取得できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めて様々な現象や単位操作を深く理解し、説明できる能力を身に付けている。実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めることができる。実測値と既往の実験式や理論式と比較して一致点や相違点を見出し、考察を進めることができない。
評価項目2技術レポートの書き方を身に付けている。技術レポートの作成能力を有する。技術レポートの作成能力を有していない。
評価項目3測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得できる。測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施している。測定機器の取扱および測定技術を身に付け、チームで協力して実験を実施できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学および数学的理論を基礎として化学的分野に理論的体系を与える。主に自然界における物質の挙動を数式を用いて記述し、化学物質の性質および現象に関する精密な測定と解析の結果からその構造単位を解明することを目的とする。本講は物理化学I以降の内容について行う。
授業の進め方・方法:
実験を行うにあたって必要な内容を実験前に説明する。説明後、実験を行い、その結果をレポ−トとして各自提出する。学生は実験ノートを準備し、これに実験ドキュメントを記録し、実験終了後各自実験ノートを担当教員に提出して認印を貰うこととする。実験レポートの提出期限は、原則次回実験日の17時までとする。レポートは手書きとし、使用するグラフ用紙(方眼紙、対数方眼紙)等は各自で用意する。ただし、表のみパソコン等の使用を認める。
注意点:
履修にあたって、物理化学、機器分析、化学工学に関する基礎知識が必要である。
実験レポート70点、期末試験でのテスト30点の合計100点満点から評価する。60点以上を合格とする。再試験を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験概要 物理化学および化学工学で必要となる諸物性の取得方法の概要について理解する
2週 実験の理論、実験操作、データ処理に関する説明1 溶解度と溶解熱・粘度・気液平衡・分配平衡などの物理化学的な諸物性の測定法の概要について理解する
3週 実験の理論、実験操作、データ処理に関する説明2 吸着・撹拌・ろ過・流動層などの化学工学的なプロセス設計で必要となる諸物性の測定方法の概要について理解する
4週 物理化学、化学工学に関する実験1 溶解度と溶解熱の測定方法について理解する
5週 物理化学、化学工学に関する実験2 混合溶液の粘度・密度の測定方法について理解する
6週 結果の整理とレポート作成1 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
7週 物理化学、化学工学に関する実験3 液液平衡系における分配物質の分配定数の測定方法について理解する
8週 物理化学、化学工学に関する実験4 オスマー型気液平衡測定装置を用いて気液平衡データの測定方法について理解する
2ndQ
9週 結果の整理とレポート作成2 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
10週 物理化学、化学工学に関する実験5 活性炭に対する有機物の吸着実験を行い、吸着等温線について理解する
11週 物理化学、化学工学に関する実験6 撹拌動力の測定を行い、動力数とレイノルズ数の関係について理解する
12週 結果の整理とレポート作成3 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
13週 物理化学、化学工学に関する実験7 定圧濾過実験を行い、Ruthの濾過方程式の適用性について検討する
14週 物理化学、化学工学に関する実験8 充填層および流動層の圧力損失および空隙率の測定方法を理解する
15週 結果の整理とレポート作成4 得られた実験データの整理を行い、理論式などの適用性について検討する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学分級や粒径分布について理解している。3前14
粉体の固定層・流動層など流動性について理解している。3前14
粉砕、沈降、ろ過、集じん方法について理解し、必要な計算ができる。3前13
蒸留の原理について理解できる。3前8,前10
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3前8
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。2前8
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。2前7
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。2前10
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。3前13
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3前13,前14
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。3前5,前11
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。3前5,前11
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。3前4
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。3前4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3前13,前14
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。3前8
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3前10,前11,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30000070100
基礎的能力150000015
専門的能力1500007085
分野横断的能力0000000