品質管理

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 品質管理
科目番号 0384 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 田中 久

到達目標

1.品質問題の基本である品質のばらつきを理解し、その管理手法を習得する
2.品質工学のパラメータ設計を理解し、実践する
3.QC検定3級レベルの知識を習得する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 品質工学の考え方従来の開発方法との違いが理解できる不十分ではあるが、概ね理解できる品質工学の考え方が理解できない
評価項目2 分散分析・SN比それぞれの考え方が理解でき、かつ計算もできる理解力は不十分ではあるが、計算はできる分散分析・SN比が理解できない
評価項目3 パラメータ設計パラメー設計による実験計画が立案できる不十分ではあるが、パラメータ設計が理解できるパラメータ設計が理解できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE A-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
将来、生産活動の場に直接または間接に携わる技術者は、社会に提供する製品やサービスに対し、顧客の要求がますます厳しくなることを意識しなければならない。顧客要求の一つである品質に関する知識は、単に「ものづくり」の現場にとどまらず、技術開発・設計・販売・サービスとあらゆる場面で有用である。本科目では、品質の基本を理解することから始め、最終的には、技術開発・設計段階で高度な品質を作り込む品質工学のパラメータ設計法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
1.座学、テキストを中心とする講義
2.ものづくり現場における品質に係る話題を提供し、その解決方法について議論する         
3. 品質工学のパラメータ設計法の実習および解析方法の講義
注意点:
定期試験(中間+期末)90%、課題レポート10%を目安にとして評価
再試験は必要に応じて行う
評価基準:到達目標に記載した内容を主な評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 品質のばらつき(誤差)について 品質がばらつくことを理解できる
2週 ばらつき(誤差)を改善する方法(1) -QC七つ道具- ものづくり企業で実施されている品質管理手法を理解できる
3週 ばらつき(誤差)を改善する方法(2) -標準偏差、分散、検定- ばらつきの表現方法について理解でき、その計算方法を理解できる
4週 統計学の基礎 -分散分析- データ解析の基礎である分散分析について理解でき、かつ計算できる
5週 品質工学、特にパラメータ設計とは ばらつきを改善する手法である品質工学、特にパラメータ設計の考え方を理解できる
6週 直交表とは -L18直交表、L12直交表- 直交表の意味および応用範囲について理解できる
7週 因子の分類 -制御因子、誤差因子、信号因子- 実験因子を正しく分類でき、直交表に割り付けることができる
8週 品質の良し悪しを評価するSN比とは -静特性のSN比、動特性のSN比- SN比の考え方が理解でき、さらにSN比の計算ができる
2ndQ
9週 品質工学による技術課題の解決事例 パラメータ設計の実験の流れが理解できる
10週 パラメータ設計の実習(1) グループ単位で実験計画について検討し、まとめることができる
11週 パラメータ設計の実習(2) グループ単位で実験を実施し、その結果について正しくまとめることができる
12週 企業における品質問題、品質保証の現状 わが国のものづくり企業で発生している品質問題、また品質保証の実態が理解できる
13週 国際標準とトレーサビリティ制度 ものづくりにおけるトレーサビリティの重要性が理解できる
14週 計測の不確かさ 計測データがばらつくことが理解でき、かつそのばらつきの大きさが正しく評価できる
15週 品質に関する国際規格(ISO) -ISO9001、ISO14001- 品質に関する国際規格を概して理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。2
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。2
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。2
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75002500100
基礎的能力3500100045
専門的能力3500100045
分野横断的能力50050010