有機合成化学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機合成化学
科目番号 1370 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:クリスティーン・L・ウィリス、マーティーン・ウィルス「有機合成の戦略~逆合成のノウハウ~」化学同人、(適宜、資料を配布します。)参考書:ヴォルハルト・ショアー「現代有機化学(上・下)」化学同人、ストライトウィザー「有機化学解説 1・2」広川書店
担当教員 辻 豊

到達目標

1.これまで学んだ有機化学の知識が使えるようになる
2.逆合成解析に基づき標的化合物の合成計画の立案ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な有機反応を有機合成に活用できる。代表的な有機反応を覚えている。代表的な有機反応を覚えていない。
評価項目2二つの官能基を有する化合物の合成法が立案できる。一つの官能基を有する化合物の合成法が立案できる。標的化合物の合成法を考えることができない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
逆合成の考え方を用い、有機反応や、官能基の性質について理解し、新規化合物の合成計画の立て方を修得する。
授業の進め方・方法:
チョークアンドトークで授業を進めていきます。必要に応じて資料を配布します。
注意点:
これまでに修得した有機化学関連の知識を使います。σ結合やπ結合など結合の特徴、二重結合の反応、カルボニル化合物の反応など一般的な反応は既習として講義が進みますので、しっかり理解しておいてください。有機化学で学んだ知識の使い方を学ぶ科目です。知識を使い「考える」ことを修得してください。60点以上を修得とする。再試験を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有機合成の役割・化学結合と結合の極性 有機合成の役割について理解する。結合の極性を復讐する。
2週 イオン反応とラジカル反応 イオン反応とラジカル反応の特徴を理解する。
3週 逆合成の考え方と方法 逆合成の考え方を理解する。
4週 逆合成とシントン・合成等価体について シントンについて理解し、その合成等価体を考えることができるようになる。
5週 二個の官能基をもつ化合物の合成 二つの官能基をもつ化合物の合成法を立案できるようになる。
6週 カルボニル基の反応 カルボニル基に関する代表的な反応を使えるようになる。
7週 潜在極性と極性転換 潜在極性と極性転換を理解する。
8週 環状分子の合成 環状分子の合成法について理解する。
4thQ
9週 官能基相互変換 官能基の変換方法について理解する。
10週 選択性について どのような選択性があるか理解する。
11週 官能基選択的反応 反応性の異なる官能基の片方だけを反応させる方法について理解する。
12週 水酸基の保護 水酸基を保護する必要がある場合を判断できるようになる。
13週 カルボニル基、アミノ基の保護 カルボニル基・アミノ基を保護する必要がある場合を判断できるようになる。
14週 アルケンの位置選択的反応 アルケンを位置選択的に反応させることができる。
15週 置換ベンゼンの位置選択的反応 位置選択的に二置換ベンゼンの合成法を考えることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。2
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。1
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。2
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。2
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。2
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。2
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。2
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。2
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。2
反応機構に基づき、生成物が予測できる。2
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。2
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。2
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。1
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。1
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。2
イオン結合と共有結合について説明できる。1
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。1
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。2
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000