日本史

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 日本史
科目番号 3M02 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布する
担当教員 松尾 弘毅

到達目標

①日本史の基礎的知識を身につけつつ、通史的理解を深める。
②九州を主体とした歴史的情況が日本全体の動向とどのように関わるのかを把握する。
③国際関係史における九州の位置を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本史に対する理解事実関係を正しく把握し、必要に応じて知識を抽出することができる事実関係を正しく把握している日本史について十分な知識を獲得していない
歴史知識の活用与えられた知識から考察を加えつつ、歴史的背景を説明できる与えられた知識の範囲で歴史事蹟を説明できる知識を活用して表現することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、現在の日本を形成してきた歴史について学習することで、日本人の特質や性格について造詣を深めつつ、地域性に立脚した国際的議論ができる知識を涵養することを第一の目標とする。歴史的事績の通時的な総覧が授業の主体となるが、その際、一義的な通史の学習のみに終始するのではなく、より複数で広範囲な視点から、各時代の特徴を様々な項目と関連付けて理解するように心がける。また、「九州」という土地柄とそこで培われてきた対外関係について学習し、日本史に占める「九州」の位置付けを把握した上で、「九州」の視点から現在の国際関係を考察できる能力も同時に養っていく。
授業の進め方・方法:
授業の進行は配布したテキストプリントへの書きこみを主体とする。また進行にあわせて把握しておいてほしい事項などを適宜追加するので、重要と思われるものは追加で記入していくことをすすめる。質問は随時受け付けるので、疑問に感じた箇所については積極的に発言することを望む。
注意点:
評価は前・後期それぞれで行う期末試験(1期点数配分50%)を総合し、60点以上を合格とする。合格点に満たない者については、各期末ごとに特別授業を課す(再試は行わない)。この特別授業は、原則的には前・後期の成績単体で該当者を選定するが、必要があると判断した際には特別に受講を課す場合もある。
時間外で行う特別な課題を課すことは無いが、単元によっては2年次に学習する世界史の知識があると理解がはかどるものもあるため、復習しておくと良い。
欠席やそれに類する行動は評価に直結するので注意されたい。また、授業態度も評点に加える。私語・居眠り・内職といった授業に対する集中力を著しく欠く態度が限度を超える場合は、警告した上で著しい減点を加える。評価テストの点数が良い場合でも、授業態度が悪いと認められる場合は、特別授業への参加を求めるなどの措置を講じることがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本列島の形成と原始時代 日本文化の起源とそれぞれの特質を理解する
2週 古代における日本社会の構築 クニの形成と大陸との関わりについて理解する
3週 飛鳥時代の日本と7世紀における国際方針の転換 飛鳥時代の社会、および大陸とのかかわりから九州の位置付けがどう変化したのかを理解する
4週 奈良時代における国家経営 奈良時代の政策の推移について理解する
5週 平安時代における国家経営 平安時代の政策の推移について理解する
6週 平安時代の文化と荘園 平安時代の社会的様相について理解する
7週 武士の出現 中世初期の政治形態の特質と武士の政界進出の過程を理解する
8週 鎌倉幕府の成立と武士の社会 鎌倉幕府の成立過程と初期政策、社会的慣習について理解する
2ndQ
9週 北条氏専制と鎌倉文化 鎌倉中期の政治的推移と文化的特質について理解する
10週 蒙古襲来と九州 蒙古襲来の最新の研究成果と九州における位置付けを理解する
11週 鎌倉幕府の滅亡と建武政権 鎌倉幕府滅亡の推移から南北朝の動乱までの流れを理解する
12週 南北朝の動乱と九州 南北朝の動乱と九州における観応の擾乱の推移について理解する
13週 室町時代の社会 室町期における幕府政治と社会の様相について理解する
14週 室町時代から戦国時代へ 応仁・文明の乱前後の状況と戦国時代の様相について理解する
15週 前期・期末試験
16週 補講
後期
3rdQ
1週 東アジア社会における前期倭寇の影響 前期倭寇の活動と東アジア社会の再編、さらに各国で講じられた倭寇対策について理解する
2週 後期倭寇の跳梁と貿易の進展 後期倭寇の特質と東アジア社会で果たした役割について理解する
3週 織豊政権と朝鮮出兵 安土・桃山時代の特質と朝鮮出兵が東アジア社会にもたらした影響について理解する
4週 徳川将軍家と幕藩体制 近世前期における幕政の推移と幕藩体制の特質について理解する
5週 産業の発達と近世対外関係の実態 近世における産業発達の要因と過程、および対外関係について理解する
6週 幕府政治の推移 近世の三大改革に即した幕政の推移について理解する
7週 幕末の動乱と明治新政府の発足 幕末における経済と対外関係、および明治新政府の発足経過について理解する
8週 明治政府の施策と近代初期の国際関係 明治政府が構築した国家統治システムと対外発展の端緒について理解する
4thQ
9週 自由民権運動の高揚と立憲君主国化 立憲君主化の過程とその位置付けについて理解する
10週 日清・日露戦争と政争 日本の本格的な対外進出の過程とそれによる国内的な影響について理解する
11週 社会運動の高揚と軍部の台頭 軍備拡張を主題とする政局とそれに抗う社会運動の経過を理解する
12週 第二次世界大戦・日中戦争・太平洋戦争 昭和前期における戦争の過程とその位置付けについて理解する
13週 戦後日本の復興と東西対立構造 戦後復興期における政策とその変節について理解する
14週 現代における日本経済の成長と収縮 高度経済成長から経済縮退に至るまでの過程と現代社会の問題について理解する
15週 後期・期末試験
16週 補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3

評価割合

試験態度出席合計
総合評価割合602020100
基礎的能力40202080
専門的能力200020