数学ⅢA

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 数学ⅢA
科目番号 3M03 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 1.田代 嘉宏・難波 完爾 編 新編 高専の数学3(森北出版株式会社)2.田代 嘉宏 編 新編 高専の数学3問題集(第2版)(森北出版株式会社)3.日本数学教育学会高専・大学部会教材研究グループ(TAMS)編集 ドリルと演習シリーズ 微分積分(電気書院)
担当教員 菰田 智恵子

到達目標

1.自発的・継続的に学習し、抽象的な内容を理解する能力を身につける。
2.極限の概念を含めた、1変数関数の微分積分の応用ができるようになる。
3.2変数関数の微分積分の基礎的な計算力を身につけ,工学の基礎問題を始め様々な問題に対する解決能力を高める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1いろいろな関数の微分に関する応用問題を解くことができる。いろいろな関数の微分に関する標準問題を解くことができる。いろいろな関数の微分に関する基本問題を解くことができない。
評価項目2いろいろな関数に対する積分の応用問題を解くことができる。いろいろな関数に対する積分の標準問題を解くことができる。いろいろな関数に対する積分の基本問題を解くことができない。
評価項目3いろいろな関数の偏微分に関する応用問題を解くことができる。いろいろな関数の偏微分に関する標準問題を解くことができる。いろいろな関数の微分に関する基本問題を解くことができない。
評価項目4いろいろな関数に対する重積分の応用問題を解くことができる。いろいろな関数に対する重積分の標準問題を解くことができる。いろいろな関数に対する重積分の応用問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分は、工学、自然科学を含む現代科学の必須の基礎概念である。二年生で学習した一変数関数の微分・積分を発展させて学ぶ。さらに2変数以上の関数の微分・積分の概念と計算能力を養成する。そして、微分・積分を使って様々な問題を解決できるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿った分かりやすい講義を目指す。しかし1、2年生で学んだことを踏まえた内容であり、またこれまで以上に抽象的で高度な数学を学ぶことになる。イメージをつかんで内容を理解すること、学んだことを応用して問題を解決することを心掛けてほしい。
授業を実りあるものにするために、数学に興味を持って、前向きに受講することを期待する。
注意点:
点数配分:定期試験70%、課題30%を目安として評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
再試:必要に応じて行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 復習と発展学習(数列・関数の極限および微分) 様々な数列の計算、関数の極限値の計算および微分計算ができる。
2週 第2次導関数と曲線の凹凸 第2次導関数を計算し、曲線の増減や凹凸を調べグラフがかける。
3週 逆関数 逆関数の定義を理解し、その導関数を求めることができる。
4週 逆三角関数と導関数 逆三角」関数の定義を理解し、その導関数を求めることができる。
5週 曲線の媒介変数方程式 媒介変数による関数の表現を理解し、グラフがかける。
6週 極座標と曲線 極方程式による関数の表現を理解し、グラフがかける。
7週 平均値の定理 ロルの定理、平均値の定理を理解し、応用問題が解ける。
8週 不定形の極限値 様々な極限値を計算できる。
2ndQ
9週 べき級数 べき級数の定義を理解し、収束半径が計算できる。
10週 高次導関数 高次導関数の計算ができる。
11週 テイラーの定理 1、2次近似式の計算ができる。テイラーの定理を理解できる。
12週 復習と発展学習(極限と微分) 極限と微分に関する応用問題が解ける。
13週 主な関数の不定積分 不定積分の公式を覚えて応用できる。
14週 分数関数の積分 分数式を部分分数に分けて分数関数の積分計算ができる。
15週 正弦、余弦の分数関数の積分 三角関数の様々な公式を使って正弦、余弦の分数関数の積分ができる。
16週 復習と発展学習 これまでの内容を理解して応用問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 和の極限値としての定積分 定積分の定義を理解し区分求積法に関する問題が解ける。
2週 面積・体積 定積分を使って図形の面積・体積が計算できる。
3週 曲線の長さ 定積分を使って曲線の長さが計算できる。
4週 広義積分 広義積分の定義を理解し計算できる。
5週 2変数関数 2変数関数のグラフがイメージできる。
6週 偏導関数 2変数関数の偏導関数が計算できる。
7週 合成関数の偏導関数 合成関数の偏導関数が計算できる。
8週 2変数関数の平均値の定理 2変数関数の平均値の定理を理解し応用問題を解くことができる。
4thQ
9週 2変数関数の極大・極小 2変数関数を偏微分して極値を計算できる。
10週 陰関数定理 陰関数定理を理解して、曲線の接線の方程式が計算できる。
11週 条件付き極大・極小 ラグランジュの乗数法を使って、2変数関数のて極値を計算できる。
12週 重積分 重積分の計算ができる。
13週 極座標による重積分 極方程式で表された関数の積分計算ができる。
14週 演習と発展学習 微分、偏微分に関する応用問題が解ける。
15週 演習と発展学習 積分、重積分に関する応用問題が解ける。
16週 課題学習 既習の微分・積分を用いて問題を作り、それを解決する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力5000002575
専門的能力200000525
分野横断的能力0000000