材料加工実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料加工実験
科目番号 5M12 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:金属系、セラミックス系ともに準備したプリントを使用する。参考書:関連する座学で用いた教科書ならびに授業で取り扱う材料の製造、評価等に関する専門書(Webページに頼らず、図書館を積極的に利用して調べるとよい)
担当教員 森園 靖浩,岩田 憲幸,清長 友和

到達目標

1. 授業で習った事柄を本実験で確認する。
2. 得られた結果をグラフに表すことができる。
3. 得られた結果や調査した事柄を文章にして表すことができる。
4. チームワークで物事を進められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験をグループで協力して実施できる。実験をある程度協力して実施できる。実験を協力して実施できない。
評価項目2得られた結果を分かりやすく表やグラフにし、それを文章で説明できる。得られた結果を表やグラフにできる。得られた結果を表やグラフにできない。
評価項目3実験方法、実験結果、考察をきちんとした文章で表現できる。実験方法、実験結果及び考察をある程度文章で表現できる。実験方法、実験結果及び考察を文章で表現できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【金属系】金属材料学、塑性加工学、融体加工学、接合工学で学んだ内容のうち、その主な講義内容に関する実験を行い、学習内容を身につけることを目的とする。
【セラミックス系】セラミックス材料学Ⅰ、Ⅱで学んだ内容のうち、特にセラミックスの製造と評価に関する実験を行い、学習内容を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
クラスを二つのグループに分け、前半と後半で金属系およびセラミックス系の実験を入れ替えて実施する。
【金属系】4つの班に分け、毎週班別にテーマを変えて実験を行う。レポートは、提出期限を守ることが原則である。提出期限を遅れた場合、レポートの点から減点する。
【セラミックス系】班別に実験を行うが、安全に細心の注意を払って実験に取り組むこと。レポートの作成に当たっては、データの整理に工夫し、よく考察することとし、提出期限は厳守すること。
注意点:
60点以上を合格とする。
再実験は実施しない。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度とその基本的活用度を評価基準とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 金属系およびセラミックス系に関するガイダンス 実験内容の概要と実験を安全に行うための注意事項を理解する。
2週 アルミニウムの溶解鋳造 鋳型の構造、溶解方法、鋳造時に生じる引け、歩留まり、押湯の役割を理解する。
3週 アルミニウムの溶解鋳造のデータ整理とレポート作成 鋳型の構造、溶解方法、鋳造時に生じる引け、歩留まり、押湯の役割を理解する。
4週 アルミニウムの冷間圧延 冷間圧延による材質の変化、圧延による加工法の特徴を理解する。
5週 アルミニウムの冷間圧延のデータ整理とレポート作成 冷間圧延による材質の変化、圧延による加工法の特徴を理解する。
6週 ガス切断およびTIGアーク溶接実験(データ整理とレポート作成を含む) 代表的な溶接法であるTIGアーク溶接、鋼材に熱が加わったとき材質変化が起こること、鋼材がガスと酸素で切断できることを理解する。
7週 鋼の一端焼入れ 焼入れ性の評価方法としてのジョミニ一端焼入れ法、焼入れ性が鋼材の化学成分で異なること、冷却速度により焼入れ性が異なることを理解する。
8週 鋼の一端焼入れのデータ整理とレポート作成 焼入れ性が鋼材の化学成分で異なること、冷却速度により焼入れ性が異なることを理解する。
4thQ
9週 チタン酸バリウムの合成Ⅰ:原料粉末の混合・仮焼 原料粉末の混合・仮焼法を理解する。
10週 チタン酸バリウムの合成Ⅱ:仮焼粉末の成形・焼結 仮焼粉末の成形・焼結法を理解する。
11週 チタン酸バリウムの合成Ⅲ:焼結体の焼結性評価 焼結体の焼結性の評価方法を理解する。
12週 ケイ酸塩ガラスの作製と評価:ガラスの作製 ガラスの作製方法を理解する。
13週 ケイ酸塩ガラスの作製と評価:ガラスのXRD, IR測定 XRD, IR測定によるガラスの評価方法を理解する。
14週 酸化チタン粉体の粒度測定Ⅰ:顕微鏡法 顕微鏡法による粉体の粒度測定法を理解する。
15週 酸化チタン粉体の粒度測定Ⅱ:動的光散乱法 動的光散乱法による粉体の粒度測定法を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。4
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4
社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4
金属材料炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。4
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線と連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方とこれらの相違を説明できる。4
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。4
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。4
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。4
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。4
材料組織線欠陥である刃状転位とらせん転位を理解し、変形機構と関連して説明できる。4
物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。4
弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。4
塑性変形におけるすべり変形と双晶変形の特徴について説明できる。4
刃状転位とらせん転位ならびに塑性変形における転位の働きを説明できる。4
加工硬化、固溶硬化、析出硬化、分散硬化の原理を説明できる。4
マルテンサイト変態について結晶学的観点からの相変態の特徴を説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価取組みポートフォリオレポート合計
総合評価割合00050050100
基礎的能力0002002040
専門的能力0002002040
分野横断的能力0001001020