機能材料

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機能材料
科目番号 5M16 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント。 参考図書:これまで使った材料工学科の専門基礎科目の教科書。河本邦仁編:無機機能材料(東京化学同人)、本間基文、北田正弘編:機能材料入門(アグネ)
担当教員 川上 雄士

到達目標

1. 機能材料の製造プロセスに関する知識を習得し、実例を説明できる。
2. 機能材料の構造に関する知識を習得し、実例を説明できる。
3. 機能材料の性質に関する知識を習得し、実例を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属系・無機系機能材料の製造方法を理解し、実例を挙げることができる。金属系・無機系機能材料の製造方法を理解できる。金属系・無機系機能材料の製造に関する基礎が理解できていない。
評価項目2金属系・無機系機能材料の化学結合、結晶構造を理解し、実例を説明できる。金属系・無機系機能材料の化学結合、結晶構造、および実例を理解できる。金属系・無機系機能材料の化学結合、結晶構造、および実例が理解できていない。
評価項目3金属系・無機系機能材料の性質(機能)および基礎を理解し、実例を説明できる。金属系・無機系機能材料の性質(機能)および基礎を理解できる。金属系・無機系機能材料の性質(機能)および基礎を理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、金属系・無機系の機能材料について、その基礎および応用に関する講義を行う。われわれの身の回りには様々な機能を有する材料が数多く存在しているが、目的とする機能を有する材料に関して、性質(機能)、構造、製造の三つの柱が相互に関係しているので、これらを知ることが重要である。そこで、本科目では性質(機能)、構造、製造に関する基礎的な知識を習得するために実例を挙げて教授する。
授業の進め方・方法:
基礎事項をしっかりと理解しておかなければ、応用は難しいので、これまで学んできた金属系、無機系材料に関する基礎事項の確認を最も重視する。また、機能材料に関する具体的事例の調査、報告書の作成、発表の時間を設け、これを通じて、実践性、創造性を高める一助としたい。
関連科目:材料工学科の専門基礎科目
注意点:
定期試験80%、小テスト・課題等20%として評価する。
到達目標に記載した内容を主な評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする。
必要に応じて再試験を実施するが、評価は60点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスーなぜ機能材料か 機能材料の多様性について理解する。
2週 原子、イオン、電子配置、周期表など
化学結合(金属結合、共有結合、イオン結合)
元素の構造と周期表について、復習し知識を再確認する。
化学結合(金属結合、共有結合、イオン結合)に関する知識を再確認する。
3週 電気・電子関連機能材料-1 半導体材料、超伝導材料、電子材料について理解する。
4週 電気・電子関連機能材料-2 抵抗材料、コンデンサ、圧電材料について理解する。
5週 磁性材料-1 磁性材料の基礎について理解する。
6週 磁性材料-2 磁石、ケイ素鋼鈑、磁気センサー、磁気記録材料について理解する。
7週 光関連機能材料 LED、レーザ、蛍光体について理解する。
8週 中間試験 合格点を目指す。
4thQ
9週 熱関連機能材料 温度センサー、耐熱材料(金属・セラミックス、極低温材料について理解する。
10週 エネルギー関連機能材料 太陽電池材料、水素エネルギー関連材料、原子力関連材料について理解する。
11週 機械関連機能材料-1 形状記憶合金、超塑性材料、耐食材料について理解する。
12週 機械関連機能材料-1 超硬材料、焼結材料、耐摩耗材料について理解する。
13週 化学関連機能材料 ガスセンサ、バイオセンサ、固体電解質、膜材料について理解する。
14週 生体材料 歯科材料、人工骨材料について理解する。
15週 機能材料のまとめ 全体のまとめと最新トピックスの紹介をする。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4後1,後2
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。4後1,後2
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。4後1,後2
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。3後1,後2
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。3後1,後2
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。3後1,後2
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。4後1,後2
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4後2
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。4後2
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。3後2
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3後2
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。3後3
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。2後3
不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。3後3,後4
真性半導体の伝導機構について説明できる。4後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701000020100
基礎的能力400000040
専門的能力20100001040
分野横断的能力1000001020