技術哲学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 技術哲学
科目番号 5MG08 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考図書:村田純一『技術の哲学』岩波書店、2009年;P.フルキエ著 ; 中村雄二郎 [ほか] 共訳『哲学講義』ちくま学芸文庫、1997年;その他必要な資料は授業中に適宜指示・配付する。
担当教員 三川 譲二

到達目標

1.技術に関する哲学的考察が、工学や技術を学ぶうえで不可欠であることを理解できる。
2.技術に関する哲学的考察の歴史について理解し、自分なりに技術哲学を定義できる。   
3.各専門分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。 
4.技術に関して独自に哲学的考察を行い、それを社会が抱える諸問題の解決のために利用することを構想できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術に関する哲学的考察が、工学や技術を学ぶうえで不可欠であることを理解できる。技術に関する哲学的考察と工学や技術が連関していることを理解できる。技術に関する哲学的考察と工学や技術が連関していることの理解が不十分である、または理解できていない。
評価項目2技術に関する哲学的考察の歴史について理解し、自分なりに技術哲学を定義できる。 技術に関する哲学的考察の歴史について理解できる。 技術に関する哲学的考察の歴史についての理解が不十分である、または理解できていない。
評価項目3各専門分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。いくつかの専門分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。専門分野の技術哲学上の背景や課題についての理解が不十分である、または理解できていない。
評価項目4技術に関して独自に哲学的考察を行い、それを社会が抱える諸問題の解決のために利用することを構想できる。技術に関して独自に哲学的考察を行える。技術についての独自の哲学的考察が不十分である、または考察できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術に関する哲学的考察は、工学や技術を学ぶうえで不可欠である。技術に関する哲学的考察の歴史について概説し、技術哲学についてある程度の定義付けを行ったうえで、各専門分野の工学または技術に関する有識者から体験に基づいて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。結びに、受講者は、技術に関して独自に哲学的考察を行い、それを社会が抱える諸問題の解決のために利用することを構想する。
授業の進め方・方法:
・授業は、講義、講義に関する質疑、まとめ(口頭発表、討議、レポート)の順に進め、最後に総まとめ(レポート)を行う。
・第5週以降は、各専門分野の工学または技術に関する有識者から体験に基づいて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。お話の後に質疑の時間を設ける。積極的な質疑を期待する。
・受講者は、グループ(2〜5名程度)に分かれ、平常まとめについて、口頭発表と討議を行う。

注意点:
点数配分:口頭発表20%、平常まとめレポート60%、総まとめレポート20%
再試験:行う。
評価基準:60点以上を合格とする。
備考:授業中の質疑は口頭発表に加点する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本授業の目的と概要、評価方法等を理解できる。
2週 村田純一『技術の哲学』の序章の内容を手がかりにして技術に関する哲学的考察と工学や技術との連関について説明する。 技術に関する哲学的考察が、工学や技術を学ぶうえで不可欠であることを理解する。
3週 技術に関する哲学的考察の歴史について概説し、技術哲学の定義について説明する。 技術に関する哲学的考察の歴史について理解し、自分なりに技術哲学の定義を行うことができる。
4週 第2、3週のまとめ:受講者は、技術に関する哲学的考察と工学や技術との連関及び技術哲学の定義についてレポートを書く。 技術に関する哲学的考察が、工学や技術を学ぶうえで不可欠であること、技術に関する哲学的考察の歴史、自分なりの技術哲学の定義などについて文字表現ができる。 
5週 機械系工学または技術に関する有識者から体験に基いて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。 機械系分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。
6週 第5週のまとめ:第5週の内容及び自己の考察について、グループ討議のうえ、レポートを書く。 機械系分野の技術哲学上の背景や課題についての理解を口述及び文字で表現できる。
7週 電気電子系工学または技術に関する有識者から体験に基いて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。 電気電子系分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。
8週 第7週のまとめ:第7週の内容及び自己の考察について、グループ討議のうえ、レポートを書く。 電気電子系分野の技術哲学上の背景や課題についての理解を口述及び文字で表現できる。
4thQ
9週 制御情報系工学または技術の有識者から体験に基いて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。 制御情報系分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。
10週 第9週のまとめ:第9週の内容及び自己の考察について、グループ討議のうえ、レポートを書く。 制御情報系分野の技術哲学上の背景や課題についての理解を口述及び文字で表現できる。
11週 生物・化学系工学または技術に関する有識者から体験に基いて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。 生物科学系分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。
12週 第11週のまとめ:第11週の内容及び自己の考察について、グループ討議のうえ、レポートを書く。 生物・化学系分野の技術哲学上の背景や課題についての理解を口述及び文字で表現できる。
13週 材料系工学または技術に関する有識者から体験に基いて技術哲学とは何か及びその課題、当該分野の現状と将来、当該分野の技術者になるために必要なことなどについてお話していただく。 材料系分野の技術哲学上の背景や課題について理解できる。
14週 第13週のまとめ:第13週の内容及び自己の考察について、グループ討議のうえ、レポートを書く。 材料系分野の技術哲学上の背景や課題についての理解を口述及び文字で表現できる。
15週 総まとめ:講義の全体に理解を踏まえ、技術に関して独自の哲学的考察を行い、それを社会が抱える諸問題の解決に利用することを構想する。 技術に関して独自に哲学的考察を行い、それを社会が抱える諸問題の解決のために利用することについて文字表現ができる。
16週 第5週~14週の授業の順番及び内容は、有識者の事情により変更する場合がある。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合02000080100
基礎的能力050001015
専門的能力0150005065
分野横断的能力000002020