セラミックス材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 セラミックス材料学Ⅰ
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめて学ぶセラミック化学(日本セラミックス協会)、配布プリント
担当教員 岩田 憲幸

到達目標

・セラミックスの特徴について説明できる。
・代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性の関係を理解し、説明できる。
・ケイ酸塩やガラスの構造について理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1セラミックスの定義と種類、特徴を正しく説明でき、かつそれらの用途を説明できるセラミックスの定義と種類、特徴を説明できるセラミックスの定義と種類、特徴を説明できない
評価項目2代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性の関係を説明できる代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性を説明できる代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性を説明できない
評価項目3ケイ酸塩やガラスの構造を説明でき、かつそれらの性質を説明できるケイ酸塩やガラスの構造を説明できるケイ酸塩やガラスの構造を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
我々の身の回りにある材料は、セラミックス材料、金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合材料に分類される。セラミックスは、金属元素と非金属元素の組み合わせによるイオン結合または共有結合によってできており、耐熱性や耐食性に優れるほか、多くの特異な機能性を有する材料である。本講義では、セラミックス関連のモノづくりを支える材料技術者や研究者に不可欠な「セラミックス材料学」の基礎的な知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行うが、適宜プロジェクターなどを使用し、補足説明に必要な参考資料を提示しながら授業を進める。
無機化学の基礎的な知識を必要とするため、関連科目を再度復習しておくことが望ましい。
本科目は4年前期「セラミックス材料学Ⅱ」に継続される。
注意点:
2回の定期試験(中間試験50%、期末試験50%)100%として評価する。
各試験は100点満点とし、総合評価で60点以上を合格とする。
再試験は、すべての学習内容を試験範囲として1回のみ行い、100点満点で60点以上を合格とするが、成績は60点として評価する。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度を主な評価基準とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス セラミックス材料学Ⅰの学習意義と目的を理解する
2週 人間生活とセラミックス 身の回りのセラミックスを把握し、セラミックスとは何かを理解する
3週 原子の構造と化学結合Ⅰ セラミックスを構成しているものや物質の構成について理解する
4週 原子の構造と化学結合Ⅱ 原子・分子・イオンと電子配置について理解する
5週 原子の構造と化学結合Ⅲ 元素と化学結合の種類について理解する
6週 固体構造と物性 結晶とは何かを把握し、結晶の構造について理解する
7週 前半のまとめ 前半の学習内容について、理解度の確認を行う
8週 中間試験 理解が不足する学習内容を復習し、理解度の向上を図る
4thQ
9週 固体構造と物性Ⅰ 無機物質の結晶構造および結晶の構造と性質について理解する
10週 固体構造と物性Ⅱ 結晶の不完全性と特性変化について理解する
11週 固体構造と物性Ⅲ ケイ酸塩の構造と性質について理解する
12週 固体構造と物性Ⅳ ガラスの構造と性質について理解する
13週 平衡状態図Ⅰ 平衡状態図から得られる情報と物質の三態について理解する
14週 平衡状態図Ⅱ 系、成分、相および相律、一成分系状態図、二成分系状態図について理解する
15週 後半のまとめ 後半の学習内容について、理解度の確認を行う
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。3
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。3
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。3
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。2
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。3
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3
無機材料原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。3
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
原子価結合法により、共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。3
イオン結合の形成について理解できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。3
配位数と構造について説明できる。3
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。3
材料組織点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。3
線欠陥である刃状転位とらせん転位を理解し、変形機構と関連して説明できる。3
面欠陥である積層欠陥について説明できる。3
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。3
全率固溶体型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。3
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020