日本史

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 日本史
科目番号 0297 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布する
担当教員 松尾 弘毅

到達目標

①日本史の基礎的知識を身につけつつ、通史的理解を深める。
②九州を主体とした歴史的情況が日本全体の動向とどのように関わるのかを把握する。
③国際関係史における九州の位置を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本史に対する理解事実関係を正しく把握し、必要に応じて知識を抽出することができる事実関係を正しく把握している日本史の知識を正しく理解していない
歴史知識の活用与えられた知識から考察を加えつつ、歴史的背景を説明できる与えられた知識の範囲で歴史事蹟を説明できる知識を活用して表現することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、現在の日本を形成してきた歴史について学習することで、日本人の特質や性格について造詣を深めつつ、地域性に立脚した国際的議論ができる知識を涵養することを第一の目標とする。歴史的事跡の通時的な総覧が授業の主体となるが、その際、一義的な通史の学習のみに終始するのではなく、より複数で広範囲な視点から、各事象を様々な項目と関連付けて理解するように心がける。また、「九州」という土地柄とそこで培われてきた対外関係について学習し、日本史に占める「九州」の位置付けを把握した上で、「九州」の視点から現在の国際関係を考察できる能力を養う。
授業の進め方・方法:
授業の進行は、講義の聴講は配布したプリントへの書きこみを主体とする。授業の進行はプリントに即したものになるが、把握しておいてほしい事項などを適宜追加していくので、重要と思われるものは追加記入することを勧める。質問は随時受け付けるので、疑問に感じた箇所については積極的に発信することを望む。
注意点:
評価は前・後期それぞれで期末試験(1期点数配分50%)を行い、それを総合することで決定する。また、テストで60点に満たない者については、各期末ごとに特別授業を課す。この特別授業は、前・後期の成績単体で該当者を選定する。
欠席やそれに類する行動は評価に直結するので注意されたい。また、授業態度も評点に加える。私語・居眠り・内職といった授業に対する集中力を著しく欠く態度が限度を超える場合は、警告した上で著しい減点を加える。評価テストの点数が良い場合でも、授業態度が悪いと認められる場合は、特別授業への参加を求めるなどの措置を講じることがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本列島の形成と原始時代 日本文化の起源とそれぞれの特質を理解する
2週 古代における日本社会の構築 クニの形成と大陸との関わりについて理解する
3週 飛鳥時代の日本と7世紀における国際方針の転換 飛鳥時代の社会、および大陸とのかかわりから九州の位置付けがどう変化したのかを理解する
4週 奈良時代における国家経営 奈良時代の政策の推移について理解する
5週 平安時代における国家経営 平安時代の政策の推移について理解する
6週 平安時代の文化と荘園 平安時代の社会的様相について理解する
7週 武士の出現 中世初期の政治形態の特質と武士の政界進出の過程を理解する
8週 鎌倉幕府の成立と武士の社会 鎌倉幕府の成立過程と初期政策、社会的慣習について理解する
2ndQ
9週 北条氏専制と鎌倉文化 鎌倉中期の政治的推移と文化的特質について理解する
10週 蒙古襲来と九州 蒙古襲来の最新の研究成果と九州における位置付けを理解する
11週 鎌倉幕府の滅亡と建武政権 鎌倉幕府滅亡の推移から南北朝の動乱までの流れを理解する
12週 南北朝の動乱と九州 南北朝の動乱と九州における観応の擾乱の推移について理解する
13週 室町時代の社会 室町期における幕府政治と社会の様相について理解する
14週 室町時代から戦国時代へ 応仁・文明の乱前後の状況と戦国時代の様相について理解する
15週 前期・期末試験
16週 補講
後期
3rdQ
1週 東アジア社会における前期倭寇の影響 前期倭寇の活動と東アジア社会の再編、さらに各国で講じられた倭寇対策について理解する
2週 後期倭寇の跳梁と貿易の進展 後期倭寇の特質と東アジア社会で果たした役割について理解する
3週 織豊政権と朝鮮出兵 安土・桃山時代の特質と朝鮮出兵が東アジア社会にもたらした影響について理解する
4週 徳川将軍家と幕藩体制 近世前期における幕政の推移と幕藩体制の特質について理解する
5週 産業の発達と近世対外関係の実態 近世における産業発達の要因と過程、および対外関係について理解する
6週 幕府政治の推移 近世の三大改革に即した幕政の推移について理解する
7週 幕末の動乱と明治新政府の発足 幕末における経済と対外関係、および明治新政府の発足経過について理解する
8週 明治政府の施策と近代初期の国際関係 明治政府が構築した国家統治システムと対外発展の端緒について理解する
4thQ
9週 自由民権運動の高揚と立憲君主国化 立憲君主化の過程とその位置付けについて理解する
10週 日清・日露戦争と政争 日本の本格的な対外進出過程とそれによる国内的な影響について理解する
11週 社会運動の高揚と軍部の台頭 軍備拡張を主題とする政局とそれに抗う社会運動の経過を理解する
12週 第二次世界大戦・日中戦争・太平洋戦争 昭和前期における戦争の過程とその位置付けについて理解する
13週 戦後日本の復興と東西対立構造 戦後復興期における政策とその変節について理解する
14週 現代日本における諸問題 高度経済成長から経済縮退に至るまでの過程と現代社会の問題について理解する
15週 後期・期末試験
16週 補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。1
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。1
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。1
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。1
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。1
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。1
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。1
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。1
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。1
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。1
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。1
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。1
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。1
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。1
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。1
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。1
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。1
工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。1

評価割合

試験態度出席合計
総合評価割合602020100
基礎的能力40202080
専門的能力200020