1. セラミックスの特徴について説明できる。
2. 代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性の関係を説明できる。
3. ケイ酸塩やガラスの構造について説明できる。
概要:
我々の身の回りにある材料は、セラミックス材料、金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合材料に分類される。セラミックスは、金属元素と非金属元素の組み合わせによるイオン結合または共有結合によってできており、耐熱性や耐食性に優れるほか、多くの特異な機能性を有する材料である。本科目では、セラミックス関連のものづくりを支える材料技術者に不可欠な「セラミックス材料学」の基礎的な知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行うが、プロジェクターを適宜使用し、補足説明に必要なパワーポイント資料やビデオ教材を提示しながら授業を進める。
無機化学の基礎的な知識を必要とするため、関連する授業科目で理解が不十分な内容を再度復習しておくことが望ましい。
本科目は、4年前期「セラミックス材料学Ⅱ」の授業科目に継続される。
注意点:
2回の定期試験(中間試験:50%、期末試験:50%)を100%として総合評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
再試験は、授業内容のすべてを試験範囲として1回のみ行うこととし、100点満点で60点以上を合格とするが、最終成績は60点として評価する。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度を主な評価基準とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 2 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 2 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 2 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 2 | |
工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 1 | |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 1 | |
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 1 | |
インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。 | 1 | |
情報セキュリティの必要性、様々な脅威の実態とその対策について理解できる。 | 1 | |
個人情報とプライバシー保護の考え方について理解し、正しく実践できる。 | 1 | |
インターネットを用いた犯罪例などを知り、それに対する正しい対処法を実践できる。 | 1 | |
数値計算の基礎が理解できる | 1 | |
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。 | 1 | |
データの型とデータ構造が理解できる | 1 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。 | 3 | |
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。 | 3 | |
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 3 | |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 2 | |
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。 | 3 | |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 3 | |
無機材料 | 原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。 | 3 | |
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | |
原子価結合法により、共有結合を説明できる。 | 3 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。 | 3 | |
イオン結合の形成について理解できる。 | 3 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。 | 3 | |
配位数と構造について説明できる。 | 3 | |
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 3 | |
材料組織 | 点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。 | 3 | |
線欠陥である刃状転位とらせん転位を理解し、変形機構と関連して説明できる。 | 3 | |
面欠陥である積層欠陥について説明できる。 | 3 | |
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。 | 3 | |
全率固溶体型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。 | 3 | |
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。 | 3 | |