材料機器分析実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料機器分析実験
科目番号 0312 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:配布実験テキスト/参考書:視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録(数研出版)、実験を安全に行うために(化学同人)
担当教員 岩田 憲幸,小袋 由貴

到達目標

1. 代表的な化学薬品の性質を理解し、正しく取り扱うことができる。
2. 代表的な実験器具や分析機器の特性を理解し、正しく取り扱うことができる。
3. 実験目的および内容を理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。
4. 工学的な実験レポートの書き方を理解し、適切なレポートが作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な化学薬品の性質を十分理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な化学薬品の性質を理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な化学薬品の性質を理解できず、正しく取り扱うことができない。
評価項目2代表的な実験器具や分析機器の特性を十分理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な実験器具や分析機器の特性を理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な実験器具や分析機器の特性を理解できず、正しく取り扱うことができない。
評価項目3実験目的および内容を十分理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。実験目的および内容を理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。実験目的および内容を理解できず、グループで協力して安全に実験が遂行できない。
評価項目4工学的な実験レポートの書き方を十分理解し、適切なレポートが作成できる。工学的な実験レポートの書き方を理解し、適切なレポートが作成できる。工学的な実験レポートの書き方を理解できず、適切なレポートが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の機器分析は、物質に含まれる化学成分の種類と含有量をはじめ、金属、セラミックス、プラスチックのような各種工業材料の同定・組成分析に必要不可欠であり、あらゆる産業分野における科学技術の根幹を支えている。近年は、分析機器性能の向上とともに、操作の簡便化・能率化、コンピュータによる制御やプログラム化など、目まぐるしい進歩を遂げているが、機器分析法の基礎的な理論や普遍的な原理を理解することは重要である。本実験科目では、基礎化学、材料化学、物理化学分野の実験を通して、化学反応の基本である熱分解反応、中和反応、酸化還元反応、沈殿反応、電析反応についての理解を深めるとともに、代表的な化学薬品、実験器具や分析機器の正しい取り扱い方を習得することを目標とする。また、工学的な実験レポートの書き方を習得し、適切なレポートを作成するための基本的な能力を養う。
授業の進め方・方法:
クラスを12のグループに班分けし、グループで協力して安全に配慮した実験を行う。
実験の基礎となる課題演習を適宜実施する。
本実験科目は、化学Ⅰ、化学Ⅱ、化学実験、基礎材料化学、材料化学Ⅰ、物理化学Ⅰとも深く関連しているため、当該授業科目で理解が不十分な内容を再度復習しておくことが望ましい。
注意点:
事前に実験テキストを熟読し、実験内容について十分な理解を得るための予習を必ず行うこと。
実験テーマ毎にレポートを作成し、当該テーマの担当教員に提出する。
原則として、レポートの提出期限は実験終了後、1週間以内とする(提出期限厳守)。
特段の理由なく、提出期限を過ぎたレポートは受理しないので注意すること。
レポートの記載内容が不十分であると判断される場合は、必要に応じて再提出(再々提出)を指示することがある。
すべての実験テーマのレポートを提出し、その平均点で60点以上を合格とする。
再実験は実施しない。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度とその活用度を評価基準とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 本実験科目の学習意義と目的を理解する。
2週 実験における安全の心得 実験を安全に行うために必要な心構えを理解する。
3週 課題演習 実験を行うために必要な基礎知識を理解し、応用力の向上を図る。
4週 実験レポートの作成方法 実験レポートの書き方を理解する。
5週 有効数字の取り扱い方法 有効数字の取り扱い方を理解する。
6週 表・グラフの作成方法 表・グラフの作成方法を理解する。
7週 各種溶液の調製方法 各種溶液の調製方法を理解する。
8週 ビュレットの操作方法 ビュレットの操作方法を理解する。
2ndQ
9週 pHメーターの操作方法 pHメーターの操作方法を理解する。
10週 熱重量測定:CuSO4・5H2Oの重量変化 熱重量測定によるCuSO4・5H2Oの重量変化の測定法について理解する。
11週 中和滴定Ⅰ:NaOH中のNa2CO3の定量 中和滴定によるNaOH中のNa2CO3の定量分析法について理解する。
12週 中和滴定Ⅱ:市販食酢中の酸濃度の定量 中和滴定による市販食酢中の酸濃度の定量分析法について理解する。
13週 酸化還元滴定:CuSO4・5H2O中のCuの定量 酸化還元滴定によるCuSO4・5H2O中のCuの定量分析法について理解する。
14週 沈殿滴定:食塩水中の塩素イオン濃度の定量 沈殿滴定による食塩水中の塩素イオン濃度の定量分析法について理解する。
15週 ファラデー定数測定:硫酸銅浴からの銅電析 硫酸銅浴からの銅電析によるファラデー定数の測定法について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。3
レポートの書き方を理解し、作成できる。3
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。3

評価割合

試験発表相互評価取り組みポートフォリオレポート合計
総合評価割合00050050100
基礎的能力0003003060
専門的能力0001001020
分野横断的能力0001001020