電気化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気化学Ⅱ
科目番号 0354 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:電気化学 基礎化学コース(丸善),新しい電気化学(培風館),イオン平衡(化学同人),ベーシック電気化学(化学同人),エッシェンシャル電気化学(東京化学同人),金属電気化学(共立出版)
担当教員 矢野 正明

到達目標

1.水溶液の電気化学的性質について説明できる。
2.水溶液からの金属の電析反応について説明できる。
3.金属やめっきの腐食現象が説明できる。
4.金属の防食法について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水溶液の性質(導電率,輸率,強電解質,弱電解質)について説明できる水溶液の性質(導電率,輸率)について説明できる水溶液の性質(導電率,輸率)について説明できない
評価項目2水溶液からの金属の電析反応における,拡散過電圧,電荷移動過電圧について説明できる水溶液からの金属の電析反応における,過電圧について説明できる水溶液からの金属の電析反応における,過電圧について説明できない
評価項目3金属やめっきの腐食現象について,局部電池機構に基づき説明できる金属やめっきの腐食現象について,アノード部とカソード部を説明できる金属やめっきの腐食現象について,アノード部とカソード部を説明できない
評価項目4金属の防食法の4種(環境制御,電気防食,被膜,組成制御)について 説明できる金属の防食法をいくつか説明できる金属の防食法をせつめいできない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属材料のめっきや腐食などについて理解を深める
授業の進め方・方法:
この科目は,以下に示す科目と関連していることを念頭に受講すること
 化学,基礎材料化学,材料化学,物理化学,電気化学Ⅰ
注意点:
(1)点数配分:中間試験50%、期末試験50%
(2)評価基準:60点以上を合格とする
(3)再試:再試は必要に応じて行う

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 腐食の分類 腐食現象を大きく分類できる
2週 腐食のメカニズム 局部電池機構について理解する
3週 鉄の腐食(水素発生型腐食,酸素消費型腐食) 腐食現象がpHによって変化することを理解する
4週 腐食速度の単位変換(mdd,A/m2) 腐食速度の表現方法が複数あることを知る
5週 鉄の不働態 不動態化の原理を理解する
6週 孔食と隙間腐食 局部腐食のメカニズムを理解する
7週 防食法の分類 様々な防食方法を知る
8週 耐食性評価法 耐食性の評価方法を知る
2ndQ
9週 溶液の導電率 溶液の導電率を変化させる要因を知る
10週 モル導電率 モル導電率を計算できる
11週 輸率 輸率を使って,イオンの移動に関する計算が出来る
12週 電極反応(電気二重層,拡散層) 電極近傍で起こっている現象について理解する
13週 過電圧(電荷移動過電圧,拡散過電圧) 過電圧の詳細について理解する
14週 水素過電圧 過電圧の中でも,特に特異な水素過電圧について理解する
15週 フォルマーバトラーの式,ターフェルの式 フォルマーバトラーの式からターフェルの式を導出できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。2
無機材料酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。2
イオン化傾向について理解できる。3
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。2
酸化還元電位と代表的な電極系について理解できる。2
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。3
ネルンストの式を用い、電極などの物質表面のイオンの働きを説明できる。3
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。2
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。2
物質表面が外界からうける作用を考察し、物理的、あるいは化学的な表面相互作用について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力500000050
分野横断的能力200000020