金属材料学Ⅱ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 金属材料学Ⅱ
科目番号 0357 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「非鉄金属」日本金属学会編。その他プリントを使用する。参考書:「金属材料学」宮川大海著、森北出版
担当教員 川上 雄士

到達目標

1.非鉄金属の種類と特徴および主用途を説明できる。
2.非鉄金属に適用されている金属学的技術(高強度化)を理解できる。
3.代表JIS合金(アルミ、銅、マグネシウム)の性能を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1非鉄金属の種類と特徴および主用途を説明できる。非鉄金属の種類と特徴を理解できる。非鉄金属の種類と特徴を理解できない
評価項目2非鉄金属に適用されている金属学的技術(高強度化)を説明できる。非鉄金属に適用されている金属学的技術(高強度化)を理解できる。非鉄金属に適用されている金属学的技術(高強度化)を理解できない
評価項目3代表JIS合金(アルミ、銅、マグネシウム)の性能を理解し説明できる。代表JIS合金(アルミ、銅、マグネシウム)の性能を理解できる。代表JIS合金(アルミ、銅、マグネシウム)の性能を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属材料に求められる特性は工業技術の進歩とともに多様化および高度化している。各種の金属材料を様々に製造、加工、運用、および新材料を開発していくためには、それぞれの金属の基本特性を理解しなければならない。本講義では、非鉄金属を中心に各種金属の固有の特性、および実用合金に適用されている金属学的技術を解説する。
授業の進め方・方法:
教科書およびプリントを用いて講義を行う。今までに学習した、材料組織学や金属物理学が実用合金にどのように適用されているか基礎技術の復習を含めて勉強する。同時に、今までに学んだ基礎学問の実用金属材料への応用力を養う。 
 関連科目:金属材料学Ⅰ、材料組織学、金属物理学Ⅰ,Ⅱ
注意点:
定期試験(中間試験40%+期末試験40%)80%、小テスト・課題等20%として評価する。
到達目標に記載した内容を主な評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする。
必要に応じて再試験を実施するが、評価は60点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 非鉄金属の概要(歴史、使用量、用途、将来予想) 鉄鋼材料と非鉄金属材料の違いを理解できる
2週 アルミニウム合金-1(物理的性質、精錬、加工技術等) アルミニウム合金の諸特性を理解できる
3週 アルミニウム合金-2(JISに規定された各種合金) JISに規定された各種アルミニウム合金を理解できる。
4週 アルミニウム合金に応用されている基礎技術-1(加工硬化、析出硬化) アルミニウム合金の強化法を理解できる
5週 アルミニウム合金に応用されている基礎技術-2(拡散、接合) アルミニウム合金の加工法を理解できる
6週 銅合金-1(物理的性質、精錬、加工技術等) 銅合金の諸特性を理解できる
7週 銅合金-2(JISに規定された各種合金) JISに規定された各種銅合金を理解できる
8週 銅合金に応用されている基礎技術(回復と再結晶) 銅合金の加工法を理解できる
2ndQ
9週 マグネシウム合金-1(物理的性質、精錬、加工技術等) マグネシウム合金の諸特性を理解できる
10週 マグネシウム合金-2(JISに規定された各種合金) JISに規定されたマグネシウム合金の諸特性を理解できる
11週 マグネシウム合金に応用されている基礎技術(結晶構造と加工性) マグネシウム合金の加工法を理解できる
12週 チタン合金(JISに規定された各種合金) チタン合金の諸特性を理解し、JIS規格合金を理解できる
13週 チタン合金に応用されている基礎技術(合金状態図) チタン合金の加工法を理解できる
14週 粉末冶金と応用されている基礎技術(焼結) 粉末冶金法の特長について理解できる
15週 その他の非鉄金属 その他の非鉄金属についての工業的利用方法を理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3前1,前4,前6,前9,前12,前14,前15
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。1前1,前4,前6,前9,前12,前15
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。2前1,前4,前6,前9,前12,前15
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。2前1,前4,前6,前9,前12,前15
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3前1,前4,前6,前9,前12,前15
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。2前1,前4,前6,前9,前12,前15
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。1前1,前4,前6,前9,前12,前15
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。2前1,前4,前6,前9,前12,前15
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。1前1,前4,前6,前9,前12,前15
金属材料製銑および製鋼工程について、原料ならびに主設備、主な炉内反応を説明できる。1前1
純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。1前1
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。1前1
炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。1前1
炭素鋼の連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方が説明できる。1前1
炭素鋼の焼きならしの目的と焼きならしによる機械的性質の変化を説明できる。1前1
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線と連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方とこれらの相違を説明できる。1前1
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。1前1
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。1前1
合金鋼の状態図の読み方を利用して炭化物の種類や析出挙動を説明できる。1前1
合金鋼のT.T.T.図、C.C.T.図の読み方が理解でき、目的に応じた適切な熱処理法を説明できる。1前1
合金鋼の添加元素と機械的性質に関する知識を利用して、合金鋼の用途を選択できる。1前1
合金鋼の用途、問題点、改良方法などを理解できる。1前1
状態図を用いて、鋳鉄の性質および組織について説明できる。1前1
純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。3前6,前7,前8
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。3前6,前7,前8
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。3前2,前3,前4
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。3前2,前3,前4
チタンの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。3前12
実用チタン合金の成分および特徴を理解し応用できる。3前12
無機材料金属結合の形成について理解できる。1前4,前9
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。2前4,前5,前9,前10,前15
複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。1前4,前15
金属基複合材料の分類や特徴を説明できる。2前4,前5,前15
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。1前4,前5,前15
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。1前4,前15
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。1前4,前15
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。1前4,前5,前15
セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。1前4,前5,前15
材料組織物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。1前4,前5,前9,前13
ギブスの相律から自由度を求めて系の自由度を説明できる。1前4,前5,前9,前13
環境資源化について説明できる。1前5,前8,前11,前13,前15
工作溶接法を分類できる。1前5,前8,前11,前13,前15
塑性加工法の種類を説明できる。1前4,前5,前8,前11,前13,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000010