融体加工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 融体加工学
科目番号 0358 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:溶融加工(森北出版)及びプリント。参考書:金属の凝固(丸善),金属凝固学概論
担当教員 笹栗 信也

到達目標

1.鋳型の構造,役割及び各種鋳造法について説明できる.
2.鋳造品に表れる欠陥について3つ以上説明できる.
3.凝固時の固相及び液相中での溶質濃度がどのように変化するか説明できる.
4.凝固条件が変化すると、凝固組織がどのように変化するかを簡単に説明できる.
5.鋳物の凝固組織の形成過程や偏析の生じる理由を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造法と適用について理解している。鋳造法について簡単に説明できる。できない。
評価項目2鋳造品に現れる欠陥の種類とその原因及び対策について説明できる。 鋳造品に現れる欠陥の種類と原因について説明できる。できない。
評価項目3凝固時の溶質の固相内及び液相内の濃度変化について、3つのケースの凝固条件の場合について説明できる。凝固時の溶質の固相内及び液相内の濃度変化について、2つのケースの凝固条件の場合について説明できる。できない。
組成的過冷につい説明でき、その大きさによって、凝固界面の形態が変化することが説明できる。組成的過冷の大きさによって、凝固界面の形態が変化することが説明できる。できない。
鋳塊に現れる代表的なマクロ偏析の種類と成因について説明できる。鋳塊に現れる代表的なマクロ偏析の種類について説明できる。できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
鋳造法による製品の製造方法を学ぶとともに,鋳型内で生じる金属の凝固現象の基礎を理解する.
授業の進め方・方法:
授業の前半は教科書に沿って進める.後半の授業はノート講義となる.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋳造法の概要 鋳造法によるものづくりと、機械加工法によるものづくりの違いが説明できる。
2週 鋳型の構造と代表的な鋳造法1 砂の種類や基本的な鋳型の構造の理解、各部分の役割の理解。代表的な鋳造法の種類と特徴の理解。
3週 鋳型の構造と代表的な鋳造法2 代表的な鋳造法の種類と特徴の理解。
4週 鋳物の凝固 鋳型内での凝固の仕方の理解。押し湯の役割の理解。
5週 鋳造欠陥と鋳物の設計 引けス、高温割れ、低温割れ、焼付き、気孔など鋳造品に現れる欠陥の種類、原因及び対策の理解。
6週 液体から固体の核生成(均一核生成と不均質核生成) 均質核生成と不均一核生成に過冷が大きく関係していることの理解。
7週 中間試験 これまでの理解度の点検
8週 純金属の結晶成長 純金属の場合の、核生成後の結晶の成長が温度のみに支配されることの理解。
2ndQ
9週 平衡状態での合金の凝固 平衡状態で、凝固だ進むときの固相及び液相内での溶質の分布の理解。
10週 非平衡状態での合金の凝固1 固相内での溶質の拡散が無視でき、液相内での溶質の拡散が瞬時に起こるときの固相及び液相内での溶質の分布についての理解。
11週 非平衡状態での合金の凝固2 固相内での溶質の拡散が無視でき、液相内での溶質の拡散が、濃度勾配に基づいた拡散のみが起こるときの固相内及び液相内で溶質がどのように分布するかの理解。
12週 組成的過冷 固液界面近傍での液相内の溶質の分布に起因した組成的過冷が生じることの理解。
13週 凝固条件と凝固組織 組成的過冷の生じる条件、組成的過冷の大きさによって固液界面の形態がどのように変化するかの理解する。
14週 共晶凝固 代表的な2元共晶合金の凝固形態として3種あることの理解。
15週 鋳造組織とマクロ偏析 鋳塊に出現する、代表的なマクロ編成の種類と、マクロ偏析がミクロ偏析と深く関係していることの理解。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野工作鋳物のつくりかたを説明できる。3
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
鋳物砂の成分および必要な性質を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000