機能材料

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機能材料
科目番号 0365 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント。 参考図書:これまで使った材料工学科の専門基礎科目の教科書。河本邦仁編、無機機能材料、東京化学同人
担当教員 馬越 幹男

到達目標

1. 機能材料の製造プロセスに関する知識を習得し、実例を説明できる。
2. 機能材料の構造に関する知識を習得し、実例を説明できる。
3. 機能材料の性質に関する知識を習得し、実例を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1焼結、薄膜作製、溶融等の機能材料の製造方法を理解し、実例を挙げることができる。焼結、薄膜作製、溶融等の機能材料の製造方法を理解できる。機能材料の製造に関する基礎が理解できていない。
評価項目2誘電材料、磁性材料、固体電解質材料のそれぞれの化学結合、結晶構造を理解し、実例を説明できる。誘電材料、磁性材料、固体電解質材料のそれぞれの化学結合、結晶構造、および実例を理解できる。誘電材料、磁性材料、固体電解質材料のそれぞれの化学結合、結晶構造を理解していない。
評価項目3酸素濃淡電池、誘電性、磁性のそれぞれの基礎と材料を理解し、実例を説明できる。酸素濃淡電池、誘電性、磁性のそれぞれの基礎と材料、および実例を理解できる。酸素濃淡電池、誘電性、磁性のそれぞれの基礎と材料を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、無機物質の機能材料について、その基礎および応用に関する講義を行う。われわれの身の回りには様々な機能を有する材料が数多く存在しているが、目的とする機能を有する材料に関して、性質(機能)、構造、製造の三つの柱が相互に関係しているので、これらを知ることが重要である。そこで、本科目では性質(機能)、構造、製造に関する基礎的な知識を習得するために実例を挙げて教授する。
授業の進め方・方法:
基礎事項をしっかりと理解しておかなければ、応用は難しいので、これまで学んできた金属、無機物質に関する基礎事項の確認を最も重視する。また、機能材料に関する具体的事例の調査、報告書の作成、発表の時間を設け、これを通じて、実践性、創造性を高める一助としたい。
関連科目:材料工学科の専門基礎科目
注意点:
中間試験、定期試験の平均点が60点以上を合格とする。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度とその基本的な活用度を評価基準とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスーなぜ機能材料か 機能材料の多様性について理解する。
2週 原子、イオン、電子配置、周期表など 元素の構造と周期表について、復習し知識を再確認する。
3週 化学結合(金属結合、共有結合、イオン結合) 化学結合(金属結合、共有結合、イオン結合)に関する知識を再確認する。
4週 金属、化合物の結晶構造1 金属の結晶構造を復習し、イオン闕所に関するポーリングの法則と主要な結晶構造を理解する。
5週 金属、化合物の結晶構造2 複合化合物およびケイ酸塩の結晶構造を理解する。
6週 酸化物の点欠陥 酸化物における点欠陥の種類、表示法、および非化学量論的酸化物について理解する。
7週 平衡状態図 二元系化合物の状態図の基礎と実例を理解する。
8週 中間試験 合格点を目指す。
4thQ
9週 非晶質・ガラスの構造と製造 非晶質、ガラスの構造と製造方法を理解する。
10週 機能材料の製造プロセス1 セラミックス系機能材料の焼結による製造方法を理解する。
11週 機能材料の製造プロセス2 機能性薄膜の製造方法を理解する。
12週 機能材料の電磁気学的性質と応用例1 誘電材料の構造、誘電体の基礎と
ペロブスカイト型構造の強誘電性、および応用例としてPZTを理解する。
13週 機能材料の電磁気学的性質と応用例2 スピネル型構造の強磁性、および応用例としてフェライト磁石を理解する。
14週 エネルギー・環境関連材料 固体電解質であるジルコニアを用いた燃料電池の原理と応用例を理解する。
15週 生体材料 骨の生体材料として具備すべき条件を理解し、実例としてアパタイトの構造、性質を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010