概要:
現代のエレクトロニクス産業の基盤をなす機能性材料の電気的・光学的特性を理解するためには、マクロ的組織の特徴を学習するだけでなく、原子・分子配列や電子・フォノン等の結晶中における挙動についての専門的知識を養わなければならない。本講義では、原子構造ならびに結晶格子を基礎とした固体物性について学習する。
授業の進め方・方法:
プリントを適宜配布しながら講義を実施する。
途中レポート提出を課す場合がある。他の学生に迷惑がかかるような学習態度が見られる場合は途中退席を命じる。講義において不明な点は授業の妨げにならない程度でその都度質問に応じる。
講義内容は物理を基本とするため、受講以前に物理の復習を推奨する。この科目は、5年通年科目の材料物性学Ⅱへ継続される。課題遂行状況に応じて中間試験実施の有無を決定する。
関連科目 材料物性学Ⅱ オフィスアワー:電子メール等によって事前に日時を打ち合わせること。
注意点:
到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度とその活用度を評価基準とする。
成績評価は中間試験50%、期末試験50%とし、中間試験を実施しなかった場合は期末試験100%とし、60点以上を合格とする。
不合格者については再試験を実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶学の基礎 |
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算や結晶系の種類,ミラー指数について説明できる。
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2週 |
X線(放射線)の安全教育 |
X線回折原理を理解し、実験を行う際の安全な取扱いについて理解できる。
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3週 |
X線回折の基礎(Bragg条件) |
格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
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4週 |
結晶構造因子と消滅則 |
X線回折の原理を理解し、結晶構造の解析に応用することができる。
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5週 |
原子構造 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。
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6週 |
エネルギー準位と電子配置 |
水素原子中の電子のエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。
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7週 |
確認試験(中間試験) |
中間試験にて到達能力を確認することができる。
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8週 |
電磁放射と軌道間遷移 |
量子条件から電子のエネルギー状態および軌道半径を導出し、説明できる。
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4thQ |
9週 |
イオン化エネルギー |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。
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10週 |
遮蔽効果 |
遮蔽効果について説明できる。
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11週 |
量子力学の基礎 |
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。
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12週 |
物質波 |
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。
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13週 |
Laue条件と逆格子 |
Laue条件と逆格子について説明ができる。
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14週 |
ブリルアンゾーン |
ブリルアンゾーンについて説明ができる。
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15週 |
波数空間 |
エネルギーの波数空間表示について説明ができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。 | 3 | 後9 |
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。 | 3 | |
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。 | 3 | 後9 |
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 3 | 後9 |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 3 | 後11 |
水素原子中の電子のエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。 | 3 | 後11 |
量子条件から電子のエネルギー状態および軌道半径を導出し、説明できる。 | 3 | 後7 |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 3 | 後9 |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 3 | 後9 |
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。 | 3 | |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 3 | |
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。 | 3 | 後2 |
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。 | 3 | 後3 |
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。 | 3 | 後2 |
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。 | 3 | 後10 |
無機材料 | Bohrの原子模型について説明できる。 | 3 | |
主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 3 | 後12 |
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | 後9 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。 | 3 | |