材料物性実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料物性実験
科目番号 0424 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:配布テキスト
担当教員 奥山 哲也,川上 雄士

到達目標

1.熱電対を利用した温度測定ができる。
2.金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いを説明できる。
3.金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性を理解できる。
4.熱分析の結果から合金平衡状態図を作成することができる。
5.合金平衡状態図とミクロ組織の関係を理解し、説明することができる。
6.チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱電対を利用した温度測定や金属材料の温度計測方法が理解ならびに説明できる。熱電対を利用した温度測定方法が理解できる。熱電対を利用した温度測定方法が理解できない。
評価項目2金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いを説明できる。金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いが理解できる。金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いが説明できない。
評価項目3金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解ならびに説明できる。金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解できる。金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解できない。
評価項目4熱分析の結果から合金平衡状態図を理解しながら作成することができる。熱分析の結果から合金平衡状態図を作成することができる。熱分析の結果から合金平衡状態図を作成することができない。
評価項目5合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解ならびに説明できる。合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解できる。合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解できない。
評価項目6チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解ならびに説明できる。チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解できる。チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械的強度や電気・電子的特性向上を目的とした機能性材料の開発では、構成元素の組合せによる新規材料の創製の他に、従来の材料における内部微細組織制御が重要となってくる。
 本実験では機能性材料の基本的諸性質と内部微細構造と関連について実験を通じて理解させる。また、材料開発の地図である平衡状態図の実験による作製を行い、平衡状態図と微細組織の関係について理解を深める。
授業の進め方・方法:
実験内容を予習し、遅延なくスムーズに遂行できるようにチームで協力して実験に取組むこと。
補講実験は原則実施できないため、各自健康管理に努めること。
実験テーマ終了毎にレポートを課す。遅刻ならびにレポートの提出遅延は認めない。レポートはその内容が適切と認められるまで再提出を課す。
進行具合によって実験内容を若干修正する場合がある。その他詳細はガイダンス時に説明する。
関連科目 金属物理学、材料組織学、材料物性学、材料組織実験、材料評価実験
注意点:
到達目標に記載した項目の基礎的な内容に関する理解度とその活用度を評価基準とする。
成績は各課題での提出レポートの記述内容について評価し、全課題レポート点の総合評価として60点以上を合格とする。
不合格者については指定期限までに当該課題レポートの再提出を課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ガイダンスの内容を理解する
2週 実験装置の操作方法習得と整備 実験装置の操作方法習得と整備方法がわかる
3週 K熱電対の温度特性評価 K熱電対を使った温度特性評価ができる
4週 K熱電対の温度特性評価実験結果の考察とレポート作成 K熱電対の温度特性評価実験結果の考察とレポート作成方法ができる
5週 セラミックス,金属材料等の熱伝導率測定 セラミックス,金属材料等の熱伝導率測定ができる
6週 セラミックス,金属材料等の熱伝導率測定実験結果の考察とレポート作成 セラミックス,金属材料等の熱伝導率測定実験結果の考察とレポート作成ができる
7週 Fe,Al,Cu等金属材料の電気抵抗率の温度依存性 Fe,Al,Cu等金属材料の電気抵抗率の温度依存性の測定ができる
8週 Fe,Al,Cu等金属材料の電気抵抗率の温度依存性実験結果の考察とレポート作成 Fe,Al,Cu等金属材料の電気抵抗率の温度依存性実験結果の考察とレポート作成ができる
2ndQ
9週 Al-Cu合金の熱分析 Al-Cu合金の熱分析測定ができる
10週 Al-Cu合金熱分析実験結果からの合金平衡状態図の作成と考察・レポート作成 Al-Cu合金熱分析実験結果からの合金平衡状態図の作成と考察・レポート作成ができる
11週 Al-Cu合金の状態図に対応したミクロ組織観察用試料の作製と観察 Al-Cu合金の状態図に対応したミクロ組織観察用試料の作製と観察ができる
12週 Al-Cu合金の状態図に対応したミクロ組織観察結果の考察とレポート作成 Al-Cu合金の状態図に対応したミクロ組織観察結果の考察とレポート作成ができる
13週 Al系実用合金のミクロ組織観察用試料の作製と観察 Al系実用合金のミクロ組織観察用試料の作製と観察ができる
14週 Al系実用合金のミクロ組織観察結果の考察とレポート作成 Al系実用合金のミクロ組織観察結果の考察とレポート作成ができる
15週 実験の総括 実験データのまとめおよび考察ができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。3
レポートの書き方を理解し、作成できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方がわかる。3
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。3
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。3
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。3
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。3
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。3

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00100000100
基礎的能力004000040
専門的能力005000050
分野横断的能力001000010