概要:
材料工学分野と物理科学分野の理解をさらに深めるため講義と演習を行う。
材料工学分野:3年生の前期に学んだ材料組織学の演習を行う。特に実用合金状態図の理解を深めて応用力を身につける。金属物理学との関連性を理解する。
物理化学分野:3年及び4年途中までに学んだ物理化学に関する基礎知識を身につけるため、主として計算問題の演習を行い、専門科目に通じる基礎を養成する。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位であり、通常の科目と異なり自学自習が求められることに注意すること。
材料工学分野:各自演習問題を解き授業で解説する。基礎問題及び応用問題を解くことによって基礎力をしっかりと身に付け更に応用力を育てる。関連科目:材材料組織学、金属材料学、金属物理学物理化学分野:各自演習問題を解き,授業で解説する。特に基礎的な関数による数値の正確な計算と物理化学的な現象に関する論理的な思考を養うことが大事である。関連科目:物理化学Ⅰ・Ⅱ、材料化学Ⅰ
注意点:
材料工学分野:中間試験80%、小テスト・課題20%として100点満点
物理化学分野:期末試験80%,課題レポート20%として、100点満点
両分野ともにそれぞれ60点以上を合格とする。
必要に応じて、各分野の再試験を原則1回のみ実施する。
到達目標に記載した項目の内容を主な評価基準とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 金属の一般的な性質について説明できる。 | 2 | 前1,前9,前10,前11,前12 |
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。 | 2 | 前1,前9,前10,前11,前12 |
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。 | 2 | 前1,前9,前10,前11,前12 |
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。 | 2 | 前1,前9,前10,前11,前12 |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 2 | 前1 |
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。 | 2 | 前1 |
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。 | 2 | 前1 |
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。 | 2 | 前1 |
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。 | 1 | 前1 |
金属材料 | 炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前5,前7 |
合金鋼の状態図の読み方を利用して炭化物の種類や析出挙動を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前5,前7 |
状態図を用いて、鋳鉄の性質および組織について説明できる。 | 3 | 前2,前3,前5,前7 |
材料組織 | 物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
ギブスの相律から自由度を求めて系の自由度を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
熱分析の原理について説明できる。 | 3 | 前1,前5,前6 |
純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。 | 3 | 前1,前5,前6 |
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前8 |
相分離型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前8 |
全率固溶体型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。 | 3 | 前2,前5,前8 |
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。 | 3 | 前2,前8 |
包晶型反応の状態図を用いて、一般的な包晶組織の形成過程について説明できる。 | 3 | 前3,前8 |
偏晶型の反応と状態図を説明できる。 | 3 | 前4,前8 |
中間相生成型の反応と状態図を説明できる。 | 3 | 前4,前8 |
固溶体の自由エネルギー曲線から求められる合金の安定状態について理解できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
自由エネルギー曲線と状態図の関係を系統的にまとめ、説明することができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
カーケンドール効果を説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
自由エネルギーの変化を利用して、相変態について説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
凝固過程での状態変化や特徴を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前6,前13 |
析出過程での状態変化や特徴を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前6 |
共析変態で生じる組織を描き、相変態過程を説明できる。 | 3 | 前2,前6 |
物理化学 | 仕事、熱、エネルギーの概念について説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |