科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 地学
科目番号 1M06 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「地学基礎」数研出版、「生物基礎」東京書籍
担当教員 藤本 晶子

到達目標

地球環境や地球生態系に配慮した工学に取り組むために必要なライフサイエンス・アースサイエンスの基本知識を身に付ける。
1.宇宙における惑星としての地球の特徴を理解し、現在の姿に至るまでの地球の成り立ちについて説明できる。
2.地震・火山などの地殻変動メカニズムについて説明できる。
3.太陽放射を原動力とする気圏・水圏の相互のエネルギー循環について理解するとともに、それらを気象現象と結びつけて説明できる。
4.生物の多様性における共通性や生態系を理解し、生物界における物質循環とエネルギーの流れについて説明できる。
5.人間活動と生態系・地球環境の保全、ならびに自然災害について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1宇宙における惑星としての地球の特徴を理解し、現在の姿に至るまでの地球の成り立ちについて説明できる。さらに、宇宙の始まり、太陽系の進化について説明できる。宇宙における惑星としての地球の特徴を理解し、現在の姿に至るまでの地球の成り立ちについて説明できる。宇宙における惑星としての地球の特徴を理解し、現在の姿に至るまでの地球の成り立ちについて説明できない。
評価項目2地震・火山などの地殻変動メカニズムについて説明できる。さらに、地球内部の熱エネルギー対流と結びつけて説明できる。地震・火山などの地殻変動メカニズムについて説明できる。地震・火山などの地殻変動メカニズムについて説明できない。
評価項目3太陽放射を原動力とする気圏・水圏の相互のエネルギー循環について理解するとともに、それらを気象現象と結びつけて説明できる。さらに、日本の気候について気象の知識を用いて説明できる。太陽放射を原動力とする気圏・水圏の相互のエネルギー循環について理解するとともに、それらを気象現象と結びつけて説明できる。太陽放射を原動力とする気圏・水圏の相互のエネルギー循環について理解するとともに、それらを気象現象と結びつけて説明できない。
評価項目4生物の多様性における共通性や生態系を理解し、生物界における物質循環とエネルギーの流れについて説明できる。さらに、地球史における生物の変遷を多様性の観点で説明できる。生物の多様性における共通性や生態系を理解し、生物界における物質循環とエネルギーの流れについて説明できる。生物の多様性における共通性や生態系を理解し、生物界における物質循環とエネルギーの流れについて説明できない。
評価項目5人間活動と生態系・地球環境の保全、ならびに自然災害について説明できる。さらに、防災や保全に関して工学的視点で考えることができる。人間活動と生態系・地球環境の保全、ならびに自然災害について説明できる。人間活動と生態系・地球環境の保全、ならびに自然災害について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学に取り組む際には、現実の人間生活ならびに我々の住む地球の環境および生態系に配慮が必要となります。言い換えれば、惑星としての地球の特徴とその成り立ちを知り、現在の活きた地球上の地圏・水圏・気圏の姿を地学的な知識に基づき理解するとともに、地球史における生物圏の変遷と生態系の保全について生物学の観点から体得し、これらの知識を工学において応用・利用することが重要です。本授業では、工学に必要となるアースサイエンス・ライフサイエンスに関する基本知識を身に付けることを目的とします。
授業の進め方・方法:
通年授業の前半はアースサイエンスに関係する地学分野、後半はライフサイエンスに関連する生物分野と大きく2つに分けて授業を進めます。そして全授業の終盤において、2つの分野にまたがる複合的な事象について学び、両分野に関する基本知識を相互に結びつけます。板書を中心に、教科書の図を参照するとともに、必要に応じて映像教材を用いて説明します。
注意点:
授業の進め方は教科書の記載順序と異なるとともに、一部記載のない事項についても取り扱うので、しっかりとノートを取りながら受講してください。
中間試験50%、期末試験50%として評価する。再試験は行わない。評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 天文(1):太陽系の構成 太陽系が太陽を中心にそのまわりを周回する惑星・小天体で形成されることを理解する
2週 天文(2):地球型惑星と木星型惑星の比較 地球型惑星と木星型惑星の相違点を列挙して分類できる
3週 天文(3):太陽系と地球の形成過程 太陽系の形成過程を知るとともに、地球の形成過程について説明できる
4週 天文(4):太陽の誕生・進化・終焉、(宇宙の物質循環) 太陽をはじめとする恒星の一生を説明できる
5週 天文(5):宇宙の構造と銀河系 地球が宇宙のどこにあるか、宇宙の構造の観点から説明できる
6週 天文(6):宇宙の誕生 宇宙の始まりについて説明できる
7週 地殻変動(1):地球内部の構造 地球内部の層構造を説明できる
8週 地殻変動(2):プレートテクトニクスとプルームテクトニクス 超大陸の分裂・結合をプレートテクトニクスとプルームテクトニクスの観点から説明できる
2ndQ
9週 地殻変動(3):地震の分布とメカニズム 日本付近における地震の分布と発生メカニズムを種類別に説明できる
10週 地殻変動(4):火山の分布とメカニズム 日本付近における火山の分布と発生メカニズムを説明できる
11週 地殻変動(5):火山の地形 火山噴火様式と火山地形の関係を説明できる
12週 地殻変動(6):岩石の循環 ~火成岩・堆積岩・変成岩~ 岩石の循環について説明できる
13週 地殻変動(7):地層の形成 ~風化と河川の働き~ 河川の働きによる地層形成のしくみを説明できる
14週 気象(1):大気圏と対流圏 大気圏の層構造、ならびに対流圏の特徴を理解し、飽和水蒸気圧と高度の関係を説明できる
15週 気象(2):雲の形成 雲のできるしくみを説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 気象(3):地球の熱収支 地球全体では太陽放射と地球放射がエネルギーバランスしていることを理解する。
2週 気象(4):大気の大循環 熱収支の偏りが原因で大気の大循環がおこるしくみを説明できる
3週 気象(5):台風の発生とその進路 台風が発生して日本付近を通過するに至る一連の過程を説明できる。
4週 気象(6):海洋の大循環 海洋の大循環が、海水温の鉛直分布に因ることを理解する。
5週 気象(7):日本の天気 日本の四季を決める要素である大陸と海の影響について季節毎の違いを説明できる
6週 生物多様性(1):生物界の変遷 地球史における生物の変遷を理解し、生物の進化と多様性を結びつけて説明できる。
7週 生物多様性(2):進化論の歴史 進化論の発展について説明できる。
8週 生物多様性(3):生物の共通性 生物のもつ共通性を列挙するとともに、それぞれの役割になついて説明できる。
4thQ
9週 地球上の植生(1):植生の遷移 植生の遷移とそのしくみについて説明できる。
10週 地球上の植生(2):気候とバイオーム 地球規模での気候分布と世界と日本のバイオームの分布について説明できる。
11週 生態系(1):生態系の成り立ちとバランス 生態系の構成要素と生態ピラミッドについて説明できる。
12週 生態系(2):物質循環とエネルギーの流れ 生態系における物質(炭素・窒素)循環とエネルギーの流れについて説明できる。
13週 人間活動と生態系の保全 人間活動と生態系のバランスの関係性、ならびにその保全に関する取り組みを説明できる。
14週 人間活動と地球環境問題 地球温暖化などの地球環境問題の具体例を列挙し、それらの原因・対策について説明できる。
15週 日本の自然災害 地学的事象に関連す自然災害について列挙するとともに防災について考えることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前1,前4
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前2
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前3
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3前7
マグマの生成と火山活動を説明できる。3前10
地震の発生と断層運動について説明できる。3前9
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3前8
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3前7
地球上の生物の多様性について説明できる。3後6
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3後7
生物に共通する性質について説明できる。3後8
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前14
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3前14
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3後2
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後4
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3後9
世界のバイオームとその分布について説明できる。3後10
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3後10
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3後11
生態ピラミッドについて説明できる。3後11
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3後12
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3後14
有害物質の生物濃縮について説明できる。3後14
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000