科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 地学
科目番号 1M06 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「地学基礎」第一学習社
担当教員 大塚 史子

到達目標

地球環境および防災・減災に配慮した工学に取り組むために必要なアースサイエンスの基礎知識を身に付ける。
1. 宇宙の誕生・進化の過程で、太陽系に属する惑星として地球が誕生したことを理解できる。
2. 太陽系を構成する惑星・小天体のなかで、地球において生命が誕生・進化できた環境要因を理解できる。
3. 地球内部の熱がエネルギー源となり、地球のダイナミックな活動(地震や火山活動など)が起きていることを理解できる。
4. 地球誕生以降の地球環境の歴史を古生物のはたらきと関連づけて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1宇宙の広がりを理解し、ビッグバンから誕生した宇宙が、どのような過程を経て、現在に至っているのか、宇宙の歴史を説明できる。また、身近な恒星である太陽のエネルギー源や太陽活動のようすを説明できる。さらに、どのような宇宙環境のもと太陽系が誕生したのか考察できる。宇宙の広がりを理解し、ビッグバンから誕生した宇宙が、どのような過程を経て、現在に至っているのか、宇宙の歴史を説明できる。また、身近な恒星である太陽のエネルギー源や太陽活動のようすを説明できる。宇宙の広がりを理解せず、ビッグバンから誕生した宇宙が、どのような過程を経て、現在に至っているのか、宇宙の歴史を説明できない。また、身近な恒星である太陽のエネルギー源や太陽活動のようすを説明できない。
評価項目2太陽系が太陽を中心にその周りを周回する惑星・小天体で構成されていることを説明できる。地球型惑星における大気と温室効果の関係を説明できる。地球で生命が誕生・進化できた環境要因を、他の惑星と比較して説明できる。太陽系が太陽を中心にその周りを周回する惑星・小天体で構成されていることを説明できる。地球型惑星における大気と温室効果の関係を説明できる。地球で生命が誕生・進化できた環境要因を説明できる。太陽系が太陽を中心にその周りを周回する惑星・小天体で構成されていることを説明できない。地球型惑星における大気と温室効果の関係を説明できない。地球で生命が誕生・進化できた環境要因を説明できない。
評価項目3地球の内部の層構造を説明できるとともに、地球の大地形や地震・火山活動をプレートテクトニクスと関連づけて説明できる。また、日本付近の地震の特徴をプレート運動と関連づけて説明できる。さらに、地震に関連する自然災害や防災・減災について考えることができる。地球の内部の層構造を説明できるとともに、地球の大地形や地震・火山活動をプレートテクトニクスと関連して説明できる。また、日本付近の地震の特徴をプレート運動と関連づけて説明できる。地球の内部の層構造を説明できない。地球の大地形や地震・火山活動をプレートテクトニクスと関連して説明できない。また、日本付近の地震の特徴をプレート運動と関連づけて説明できない。
評価項目4地質時代の区分やその時間的なスケールを説明できるとともに、地質時代における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できる。さらに、これからの地球環境について考察できる。地質時代の区分やその時間的なスケールを説明できるとともに、地質時代における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できる。地質時代の区分やその時間的なスケールを説明できない。地質時代における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
私たちが住む地球は広大な宇宙を構成する天体の一つであり、地球を構成する元素はどこかの恒星の中で合成されたものである。また、太陽系に属する地球の気候変動は太陽活動と密接に関わっている。さらに、個体としての地球のダイナミックな活動(地震や火山活動など)は、現在の豊かな大地をもたらすが、時として大きな災害を引き起こす。地球のなりたちを理解し、気候変動や地球活動が引き起こす自然災害から身を守るためには、地学的知識が必要不可欠である。本授業では、地球環境保全や防災・減災などの工学分野に必要となるアースサイエンスに関する基礎知識を獲得し、また地学現象について自ら考え、データを読み解き分析する科学的素養を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
長い宇宙の歴史の中で、太陽系における唯一の水の惑星として存在する地球が、どのような環境のもとで誕生したのか学習する。同時に大気の温室効果や海洋の役割を学ぶ。次に地震や火山に代表される活動する地球へと授業を進める。その後、古生物の変遷を通して地球誕生からの地球史を学び、現在の地球環境問題や自然災害に関する事項を学ぶ。主体的対話的な学びになるようにグループによる意見交換の時間を確保したのち、プリント学習において習得した知識の整理を行う。各単元終了後に、学習した内容を確認するレポートを課す。基本的に教科書に記載された内容を学習するが、必要に応じて他の教材から引用した資料や映像教材を用いて説明する。
注意点:
授業の進め方は教科書の記載順序と一部異なるが、基本的な学習事項は教科書に従うため、教科書をしっかり読むこと。また、地学は自然現象を学ぶ学問であり、物理や化学、生物の基礎科目で学習する事項を包含し、また地理とも深く関連している。他教科の学習とも相乗効果があるので、多角的視点から受講してください。さらに、地学分野は自然災害等、日常と密接に関わる内容も多く、また科学技術の進展により、地学に関連した新しい発見がメディアで報道されることも多い。普段から地学に関するニュースに着目し、興味・関心を持って受講してほしい。試験60%、レポート40%を目安として評価する。前期成績50%・後期成績50%で総合評価し、60点以上を合格とする。原則として再試験は行わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 宇宙の広がりと構造 宇宙の広がりと構造を理解し、地球を含む宇宙の階層構造を説明できる。
2週 宇宙の始まりと進化 ビッグバンから誕生した宇宙が、どのような過程を経て現在に至っているのか、宇宙の歴史を説明できる。
3週 太陽 身近な恒星である太陽のエネルギー源や構造、太陽のスペクトル、太陽活動のようすを理解するとともに、太陽の一生を説明できる。
4週 太陽系の天体 太陽系が太陽を中心にその周りを周回する惑星・小天体で構成されていることを説明できる。
5週 惑星の形成とその進化 惑星の諸パラメータをグラフ化し、地球型惑星と木星型惑星に分類できることを理解し、各惑星の特徴やその形成過程を説明できる。
6週 生命の惑星・地球 地球で生命が誕生・進化できた環境要因を、他の地球型惑星と比較して説明できる。
7週 地球の熱収支 太陽放射と地球放射がバランスしていることを理解し、温室効果を説明できる。地球型惑星における大気と温室効果の関係を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 地球の構造 地球の形と大きさ、地球内部の構造を説明できる。
10週 プレートテクトニクス プレート運動と3種類のプレート境界の特徴を関連づけて説明できる。
11週 火山・地震 マグマの生成や火山噴出のしくみ、地震発生のメカニズムを説明できるとともに、日本付近の地震の特徴をプレート運動と関連づけて説明できる。
12週 化石と地質時代の区分 地球と生命の歴史を理解し、地質時代の区分や時間的なスケールを説明できる。
13週 先カンブリア時代の古生物の変遷 先カンブリア時代における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できる。
14週 顕生代の古生物の変遷 顕生代における生物の変遷から、地球環境の歴史を大気組成の変化と関連づけて説明できる。
15週 地球環境と自然災害 これまでの学習を振り返り、日本で起こる自然災害について列挙できるとともに、防災・減災、これからの地球環境について考えることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前1
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前1
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前1
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3前1
マグマの生成と火山活動を説明できる。3
地震の発生と断層運動について説明できる。3前1
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3前1
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前1
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000