材料システム工学入門

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料システム工学入門
科目番号 1M11 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 奥山 哲也,川上 雄士,矢野 正明,山本 郁,周 致霆,岩田 憲幸,清長 友和,森園 靖浩,小袋 由貴,佐々木 大輔

到達目標

1. 生活用品や工業製品が、様々材料からつくられていることが理解できる。
2. 金属・セラミックス・高分子材料の大まかな分類ができ、これらの特徴を理解できる。
3. 材料システム工学科で学ぶ内容を理解し、把握できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生活用品や工業製品が、どのような材料からつくられているのか説明できる。生活用品や工業製品が、どのような材料からつくられているのか理解できる。生活用品や工業製品が、どのような材料からつくられているのか理解できない。
評価項目2金属・セラミックス・高分子材料の大まかな分類ができ、これらの特徴を説明できる。金属・セラミックス・高分子材料の大まかな分類ができ、これらの特徴を理解できる。金属・セラミックス・高分子材料の大まかな分類ができない。
評価項目3材料システム工学科で学ぶ内容を説明し、把握できる。材料システム工学科で学ぶ内容を理解し、把握できる。材料システム工学科で学ぶ内容を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、新1年生に対して材料システム工学に関連する技術の紹介や実験・実習を体験させることで、材料システム工学分野を学ぶために不可欠な向上心を付与し、さらには将来の材料工学技術者としての動機付けを行うことを目的とする。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は、企業で半導体材料の研究、機械部品材料の研究開発、鉄鋼材料の研究開発、化学材料の研究開発を担当していた教員らを含み、その経験を活かしてオムニバス形式の授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
新1年生の導入科目として学生の知識に合わせた内容を厳選して、材料システム工学科全教員がオムニバス形式で講義ならびに実習を実施する。
授業終了時に示す課題についてレポートを作成すること
注意点:
各授業で課されるレポートや実習課題に対して積極的に取り組み、提出期限を守ること。
評価基準
各講義に課されるレポートや実習課題を80%、学生のポートフォリオを20%として評価し、60点以上を合格とする。
各レポート・課題の再提出は必要に応じて実施する。
提出を指示したレポートを1つでも未提出の場合は単位修得を認めない。
到達目標に記載した内容を主な評価基準とする。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと   

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、研究室見学 材料システム工学科の概要について理解する。
2週 材料システム工学全般に関する事項 材料システム工学全般に関する事項について理解する。
3週 金属材料の製造に関する基礎 金属材料の製造に関する基礎を理解する。
4週 金属材料の製造に関する応用 金属材料の製造の応用について理解する。
5週 熱を伝える金属の性質 金属の熱伝導特性について理解する。
6週 材料による電気伝導性の違い 材料による電気伝導性について理解する。
7週 近隣の工場見学 工場見学により材料システム工学と社会の関連について把握する。
8週 身近な製品に使われている表面処理技術 身近な製品に使われている表面処理技術について理解する。
2ndQ
9週 材料と環境問題との関連 材料と環境問題との関連について理解する。
10週 水素エネルギー社会 水素エネルギー社会について理解する。
11週 生体材料について 生体に使える材料について理解する。
12週 形状を記憶する合金の基礎と応用 形状記憶合金の基礎と応用について理解する。
13週 構造用セラミックス材料について 構造用セラミックス材料について理解する。
14週 機能性セラミックス材料について 機能性セラミックス材料について理解する。
15週 中間まとめレポート 前期の学習内容について再確認し、理解する。
16週
後期
3rdQ
1週 非鉄金属材料ができるまで、非鉄金属材料に求められる性能 非鉄金属材料の基礎について理解する。
2週 非鉄金属を使用した工業製品の紹介 非鉄金属の応用について理解する。
3週 高分子材料の基礎 高分子材料の基礎について理解する。
4週 鉄が作られるまで 鉄の製造プロセスについて理解する。
5週 原子力発電の仕組みと金属材料 原子力発電の仕組みと金属材料について理解する。
6週 金属を長く使用するには 金属の特徴について理解する。
7週 近隣の工場見学 工場見学により材料システム工学と社会の関連について把握する。
8週 金属を固める
切って曲げて叩いて
金属の凝固について理解する。
塑性加工について理解する。
4thQ
9週 金属の強さを調べる 金属の強さについて理解する。
10週 金属の熱処理 金属の熱処理について理解する。
11週 金属の結晶構造 金属の結晶構造について理解する。
12週 構造物の破壊について 構造物の破壊について理解する。
13週 エネルギー材料入門 創エネルギーや省エネルギーに貢献する材料についての基礎を理解する。
14週 バイオマテリアル入門 医療に貢献する金属、セラミックス、高分子生体材料の基礎を理解する。
15週 まとめ 後期の学習内容について再確認し、理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。2前3,前4,前9,前11,前12,後1,後2,後4,後5,後6,後9,後11
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。1後1
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。1後1
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。1前13,前14,後11
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。1
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。1
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。1前8
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。1前6,前13,前14,後1,後2,後11
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。1後1,後2
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。1後1,後2
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。1後1,後2
金属材料製銑および製鋼工程について、原料ならびに主設備、主な炉内反応を説明できる。1前3,前4,後4
純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。1
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。1
炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。1後4,後10
状態図を用いて、鋳鉄の性質および組織について説明できる。1後4,後8
純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。1前9,後1,後2
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。1前8,前9,後1,後2
有機材料有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。1
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。1
高分子化合物がどのようなものか説明できる。1前9
無機材料代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。1前8,前9,前13,前14,後13,後14
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。1前8,前9,前13,前14,後2,後13,後14
複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。1前8,前9,前13,前14,後3,後13,後14
材料組織弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。1前13,前14,後9,後12
力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。1後8,後9,後12
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。1後8,後9,後12
環境地球温暖化の現象を科学的に説明できる。1前9,前10,後5,後13
エネルギー資源問題について説明できる。1前9,前10,後5,後13
廃棄物処理の目的と資源化について説明できる。1前9,後4,後6
工作精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物のつくりかたを説明できる。1後1,後2
ガス溶接やアーク溶接の接合方法とその特徴を説明できる。1後1,後2
塑性加工法の種類を説明できる。1後1,後2,後4,後6,後8,後9,後12

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010