1. 原子の構造と安定性について説明できる。
2. 化学量論を説明でき、物質収支を計算できる。
3. 物質の三態と状態変化について説明できる。
4. 化学結合の種類と特徴を説明できる。
5. 化学反応速度について説明できる。
概要:
材料化学は、周期表に記載されている元素すべてを対象としており、これらの元素を用いて地球環境に配慮しながら、我々の生活に役立つ工業製品を作り出すための重要な担い手となっている学問である。本科目では、基礎化学の発展的内容について学習することを通して、環境への負荷が少なく、持続的な発展が可能となる社会の構築に貢献し、付加価値の高い工業製品を製造するために必要不可欠な「材料化学」の基礎的な知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行うが、演習問題を適宜実施し、それに関する解説をしながら授業を進める。
1, 2年生で学んだ化学Ⅰ、化学Ⅱとも深く関連しているため、当該授業科目で理解が不十分な内容を再度復習しておくことが望ましい。
本科目は、3年通年「材料化学Ⅰ」の授業科目に継続される。
注意点:
4回の定期試験(中間試験:50%、期末試験:50%)を100%として総合評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
再試験は、授業内容のすべてを試験範囲として年度末に行うこととし、100点満点で60点以上を合格とするが、最終成績は60点として評価する。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度を主な評価基準とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | |
イオン結合について説明できる。 | 3 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
共有結合について説明できる。 | 3 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 2 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。 | 2 | 前8,前9,前10,前11,前12,前15 |
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 3 | 前2,前3,前6,前7 |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 2 | 前4,前6,前7 |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 3 | 前5,前6,前7 |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 2 | 前5,前6,前7 |
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。 | 3 | 前5,前6,前7 |
無機材料 | 原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前6,前7 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | 前8,前9,前15 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。 | 3 | 前8,前9,前12,前15 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | 前8,前9,前15 |
原子価結合法により、共有結合を説明できる。 | 3 | 前12,前15 |
イオン結合の形成と特徴について理解できる。 | 3 | |
金属結合の形成と特徴について理解できる。 | 3 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。 | 3 | |
酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。 | 3 | 後3,後6,後7 |
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。 | 2 | 後3,後6,後7 |
物理化学 | 熱力学第一法則と内部エネルギーの概念を説明できる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
内部エネルギー、熱、仕事の符号の規則を説明でき、膨張の仕事を計算できる。 | 3 | 後4,後5,後6,後7 |
エンタルピーの定義およびエンタルピーが状態量であることを説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
標準生成エンタルピーの物理的意味を理解し、反応エンタルピーを計算できる。 | 3 | 後8,後15 |
エントロピーの定義を理解し、不可逆過程におけるエントロピー生成について説明できる。 | 1 | 後9,後15 |
標準モルギブズエネルギーの定義に基づいて標準反応ギブズエネルギーを計算できる。 | 2 | 後9,後15 |