材料システム実験1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料システム実験1
科目番号 2M16 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:配布実験テキスト/参考書:視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録(数研出版)、実験を安全に行うために(化学同人)
担当教員 岩田 憲幸,小袋 由貴

到達目標

1. 代表的な化学薬品の性質を理解し、正しく取り扱うことができる。
2. 代表的な実験器具や分析機器の特性を理解し、正しく取り扱うことができる。
3. 実験目的および内容を理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。
4. 工学的な実験レポートの書き方を理解し、適切なレポートが作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な化学薬品の性質を十分理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な化学薬品の性質を理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な化学薬品の性質を理解できず、正しく取り扱うことができない。
評価項目2代表的な実験器具や分析機器の特性を十分理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な実験器具や分析機器の特性を理解し、正しく取り扱うことができる。代表的な実験器具や分析機器の特性を理解できず、正しく取り扱うことができない。
評価項目3実験目的および内容を十分理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。実験目的および内容を理解し、グループで協力して安全に実験が遂行できる。実験目的および内容を理解できず、グループで協力して安全に実験が遂行できない。
評価項目4工学的な実験レポートの書き方を十分理解し、適切なレポートが作成できる。工学的な実験レポートの書き方を理解し、適切なレポートが作成できる。工学的な実験レポートの書き方を理解できず、適切なレポートが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の機器分析は、物質に含まれる化学成分の種類と含有量をはじめ、金属、セラミックス、プラスチックのような各種工業材料の同定・組成分析に必要不可欠であり、あらゆる産業分野における科学技術の根幹を支えている。近年は、分析機器性能の向上とともに、操作の簡便化・能率化、コンピュータによる制御やプログラム化など、目まぐるしい進歩を遂げているが、機器分析法の基礎的な理論や普遍的な原理を理解することは重要である。本実験科目では、基礎化学、材料化学、物理化学分野の実験を通して、化学反応の基本である熱分解反応、中和反応、酸化還元反応、沈殿反応、電析反応についての理解を深めるとともに、代表的な化学薬品、実験器具や分析機器の正しい取り扱い方を習得することを目標とする。また、工学的な実験レポートの書き方を習得し、適切なレポートを作成するための基本的な能力を養う。
授業の進め方・方法:
クラスを12のグループに班分けし、グループで協力して安全に配慮した実験を行う。
実験の基礎となる課題演習を適宜実施する。
本実験科目は、化学Ⅰ、化学Ⅱ、化学実験、基礎材料化学とも深く関連しているため、当該授業科目で理解が不十分な内容を再度復習しておくことが望ましい。
注意点:
事前に実験テキストを熟読し、実験内容について十分な理解を得るための予習を必ず行うこと。
実験テーマ毎にレポートを作成し、当該テーマの担当教員まで提出すること。
原則として、レポートの提出期限は実験終了後、1週間以内とする(提出期限厳守)。
特段の理由なく、提出期限を過ぎたレポートは受理しないので注意すること。
レポートの記載内容が不十分であると判断される場合は、必要に応じて再提出(再々提出)を指示することがある。
すべての実験テーマのレポートを提出、それらの平均点で総合評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
再試験は実施しない。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度とその活用度を評価基準とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験ガイダンス 本実験科目の学習意義と目的を理解する。
2週 実験における安全の心得 実験を安全に行うために必要な心構えを理解する。
3週 課題演習 実験を行うために必要な基礎知識を理解し、応用力の向上を図る。
4週 熱重量測定:CuSO4・5H2Oの重量変化 熱重量測定によるCuSO4・5H2Oの重量変化の測定法について理解する。
5週 熱重量測定のデータ整理とレポート作成 熱重量測定によるCuSO4・5H2Oの重量変化の測定法について理解する。
6週 中和滴定Ⅰ:NaOH中のNa2CO3の定量 中和滴定によるNaOH中のNa2CO3の定量分析法について理解する。
7週 中和滴定Ⅰのデータ整理とレポート作成 中和滴定によるNaOH中のNa2CO3の定量分析法について理解する。
8週 中和滴定Ⅱ:市販食酢中の酸濃度の定量 中和滴定による市販食酢中の酸濃度の定量分析法について理解する。
4thQ
9週 中和滴定Ⅱのデータ整理とレポート作成 中和滴定による市販食酢中の酸濃度の定量分析法について理解する。
10週 酸化還元滴定:CuSO4・5H2O中のCuの定量 酸化還元滴定によるCuSO4・5H2O中のCuの定量分析法について理解する。
11週 酸化還元滴定のデータ整理とレポート作成 酸化還元滴定によるCuSO4・5H2O中のCuの定量分析法について理解する。
12週 沈殿滴定:食塩水中の塩素イオン濃度の定量 沈殿滴定による食塩水中の塩素イオン濃度の定量分析法について理解する。
13週 沈殿滴定のデータ整理とレポート作成 沈殿滴定による食塩水中の塩素イオン濃度の定量分析法について理解する。
14週 ファラデー定数測定:硫酸銅浴からの銅電析 硫酸銅浴からの銅電析によるファラデー定数の測定法について理解する。
15週 ファラデー定数測定のデータ整理とレポート作成 硫酸銅浴からの銅電析によるファラデー定数の測定法について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。4後2,後4,後6,後8,後10,後12,後14
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。4後2,後4,後6,後8,後10,後12,後14
測定と測定値の取り扱いができる。4後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4後5,後7,後9,後11,後13,後15
ガラス器具の取り扱いができる。4後4,後6,後8,後10,後12,後14
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。4後4,後6,後8,後10,後12,後14
試薬の調製ができる。4後6,後8,後10,後12
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4後1,後4,後6,後8,後10,後12,後14
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4後4,後6,後8,後10,後12,後14
レポートの書き方を理解し、作成できる。4後5,後7,後9,後11,後13,後15
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4後5,後7,後9,後11,後13,後15
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4後5,後7,後9,後11,後13,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3

評価割合

試験発表相互評価取り組みポートフォリオレポート合計
総合評価割合00050050100
基礎的能力0003003060
専門的能力0001001020
分野横断的能力0001001020