セラミックス材料学1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 セラミックス材料学1
科目番号 3M11 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:はじめて学ぶセラミック化学(日本セラミックス協会)/参考書:これだけは知っておきたいファインセラミックスのすべて(日本セラミックス協会)/教材:配布プリント
担当教員 岩田 憲幸

到達目標

1. セラミックスの特徴について説明できる。
2. 代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性の関係を説明できる。
3. ケイ酸塩やガラスの構造について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1セラミックスの定義と種類、特徴を正しく説明でき、かつそれらの用途を説明できる。セラミックスの定義と種類、特徴を説明できる。セラミックスの定義と種類、特徴を説明できない。
評価項目2代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性の関係を説明できる。代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性を説明できる。代表的なセラミックスの化学結合と固体構造・物性を説明できない。
評価項目3ケイ酸塩やガラスの構造を説明でき、かつそれらの性質を説明できる。ケイ酸塩やガラスの構造を説明できる。ケイ酸塩やガラスの構造を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
我々の身の回りにある材料は、セラミックス材料、金属材料、高分子材料、あるいはこれらの複合材料に分類される。セラミックスは、金属元素と非金属元素の組み合わせによるイオン結合または共有結合によってできており、耐熱性や耐食性に優れるほか、多くの特異な機能性を有する材料である。本科目では、セラミックス関連のものづくりを支える材料技術者に不可欠な「セラミックス材料学」の基礎的な知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義を行うが、プロジェクターを適宜使用し、補足説明に必要なパワーポイント資料やビデオ教材を提示しながら授業を進める。
無機化学の基礎的な知識を必要とするため、関連する授業科目で理解が不十分な内容を再度復習しておくことが望ましい。
本科目は、4年前期「セラミックス材料学Ⅱ」の授業科目に継続される。
注意点:
毎回、授業終了時に次回の授業内容を知らせるので、教科書の対応する範囲を事前に予習しておくこと。
2回の定期試験(中間試験:50%、期末試験:50%)を100%として総合評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
再試験は、授業内容のすべてを試験範囲として1回のみ実施する。
到達目標に記載した項目の基礎的な内容の理解度を主な評価基準とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス 本科目の学習意義と目的を理解する。
2週 人間生活とセラミックス 身の回りのセラミックスを把握し、セラミックスとは何かを理解する。
3週 原子の構造と化学結合Ⅰ セラミックスを構成しているものや物質の構成について理解する。
4週 原子の構造と化学結合Ⅱ 原子・分子・イオンと電子配置について理解する。
5週 原子の構造と化学結合Ⅲ 元素と化学結合の種類について理解する。
6週 固体構造と物性 結晶とは何かを把握し、結晶の構造について理解する。
7週 後期1~5週学習内容の復習 後期1~5週で学習した内容の理解度を高める。
8週 中間試験 理解が不十分な内容を復習し、理解度の向上を図る。
4thQ
9週 固体構造と物性Ⅰ 無機物質の結晶構造および結晶の構造と性質について理解する。
10週 固体構造と物性Ⅱ 結晶の不完全性と特性変化について理解する。
11週 固体構造と物性Ⅲ ケイ酸塩の構造と性質について理解する。
12週 固体構造と物性Ⅳ ガラスの構造と性質について理解する。
13週 平衡状態図Ⅰ 平衡状態図から得られる情報と物質の三態について理解する。
14週 平衡状態図Ⅱ 系、成分、相および相律、一成分系状態図、二成分系状態図について理解する。
15週 後期8~14週学習内容の復習 後期8~14週で学習した内容の理解度を高める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4後2,後7,後8
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。4後2,後7,後8
物質が原子からできていることを説明できる。4後1,後2,後7,後8
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4後1,後2,後7,後8
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4後1,後2,後7,後8
純物質と混合物の区別が説明できる。4後1,後2,後7,後8
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。4後1,後2,後7,後8
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。4後3,後4,後7,後8
同位体について説明できる。4後3,後4,後7,後8
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。4後4,後7,後8
価電子の働きについて説明できる。4後4,後7,後8
原子のイオン化について説明できる。4後4,後7,後8
代表的なイオンを化学式で表すことができる。4後4,後7,後8
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。4後4,後7,後8
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。4後4,後7,後8
イオン式とイオンの名称を説明できる。4後5,後7,後8
イオン結合について説明できる。4後5,後7,後8
イオン結合性物質の性質を説明できる。4後5,後7,後8
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。4後5,後7,後8
共有結合について説明できる。4後5,後7,後8
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。4後5,後7,後8
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4後5,後7,後8
金属の性質を説明できる。4後5,後7,後8
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4後3,後7,後8
イオン化傾向について説明できる。4後4,後7,後8
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。4後4,後7,後8
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。4後5,後7,後8
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。4後4,後7,後8
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。4後4,後7,後8
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4後6,後7,後8,後9,後15
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。4後6,後7,後8,後9,後10,後15
無機材料原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。4後4,後7,後8
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4後4,後7,後8
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。4後4,後7,後8
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4後4,後7,後8
原子価結合法により、共有結合を説明できる。4後5,後7,後8,後9,後15
イオン結合の形成と特徴について理解できる。4後5,後7,後8,後9,後15
金属結合の形成と特徴について理解できる。4後5,後7,後8
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。4後9,後10,後15
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後15
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後11,後15
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。4後1,後2,後7,後8,後9,後11,後12,後15
材料組織点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。4後10,後15
純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。4後13,後14,後15
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。4後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020