材料組織学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料組織学
科目番号 3M16 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 図解 合金状態図読本(横山亨著,オーム社)/プリント
担当教員 森園 靖浩

到達目標

1. 相律を理解し,状態図上における自由度を説明できる。
2. てこの関係を理解し説明できる。
3. 質量%からモル%へ,モル%から質量%へそれぞれ変換できる。
4. 基本的な2成分系合金平衡状態図を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12成分系,3成分系の合金平衡状態図における自由度を説明できる。1成分系の平衡状態図上において自由度を説明できる。相律を理解していない。
評価項目22成分系合金平衡状態図において,てこの関係を理解し説明できる。てこの関係の意味を理解している。てこの関係を理解していない。
評価項目33成分系以上でも質量%-モル%の変換が計算できる。2成分系において質量%-モル%の変換が計算できる。質量%とモル%の間での変換が全く計算できない。
評価項目4様々な2成分系合金平衡状態図について説明できる。基本的な2成分系合金平衡状態図を説明できる。2成分系合金平衡状態図を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属材料のほとんどは,複数の元素が混ざり合った合金として存在します。この合金の組織や性質を知るためには,その成分と温度の関係を表した「平衡状態図」の理解が不可欠です。本科目では,2元系合金の平衡状態図を中心にその基礎と応用について学びます。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って進めます。また,必要に応じてプリントを配付します。
状態図を見れば,加熱・冷却した際に変化する合金の組織を予想することができます。このため,状態図は材料開発に欠かせない,必須のツールです。本科目は「金属物理学1・2」や「金属材料学1・2」に関連する内容を含みますので,確実な理解が必要になります。
注意点:
中間試験45%,期末試験45%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上の場合を合格とします。必要に応じて再試験を実施します(但し1回のみ)が,評点は60点になります。
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【新型コロナ流行に伴って中間試験が中止された場合の評価方法】
期末試験90%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上の場合を合格とします。必要に応じて再試験を実施します(但し1回のみ)が,評点は60点になります。
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評価基準:到達目標に記載した内容を主な評価基準とします。
事前学習:次週の授業範囲を予習し,専門用語の意味などを理解しておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 はじめに 授業の全体像を理解します。
2週 相律 平衡や相律などの重要な用語について理解します。
3週 水の状態図/純金属の状態図 水や純金属の状態図について理解します。
4週 水と食塩の2成分系状態図 状態図の作成方法について理解します。
5週 てこの関係 てこの関係について理解します。
6週 モル%と質量% モル%と質量%の間での変換方法について理解します。
7週 合金 固溶体や金属間化合物について理解します。
8週 中間試験
2ndQ
9週 状態図の基本形 基本となる7つの状態図について理解します。
10週 平衡状態図1 全率固溶型について理解します。
11週 平衡状態図2 共晶反応型(固溶しあわない場合)について理解します。
12週 平衡状態図3 共晶反応型(固溶限がある場合)について理解します。
13週 平衡状態図4 包晶反応型や偏晶反応型などについて理解します。
14週 実用合金の平衡状態図 Fe-C系,Al-Cu系の状態図について理解します。
15週 3成分系平衡状態図 3成分系における合金組成の表し方を理解します。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野金属材料純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。4前3
材料組織物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。4前4
ギブスの相律から自由度を求めて系の自由度を説明できる。4前4
純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。4前4
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。4前5,前10,前11,前12,前13
全率固溶体型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。4前10
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。4前11,前12
包晶型反応の状態図を用いて、一般的な包晶組織の形成過程について説明できる。4前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000