材料システム実験2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料システム実験2
科目番号 3M18 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教材:実験テキストを配布する
担当教員 奥山 哲也,森園 靖浩,山本 郁

到達目標

1.各種硬さ測定方法の違いが理解でき、目的に応じた硬さの測定ができる。
2.Al合金の復元・溶体化・時効硬化現象について理解し説明できる。
3.黄銅の軟化過程をビッカース硬さ試験により理解し説明できる。
4.黄銅の軟化過程とその組織について理解し説明できる。
5.X線ディフラクトメーターを用いて結晶構造を同定することができる。
6.チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種硬さ測定方法の違いが理解でき、目的に応じた硬さの測定ができる。各種硬さ測定方法の違いが理解できる。各種硬さ測定方法の違いが理解できない。
評価項目2Al合金の復元・溶体化・時効硬化現象について理解し説明できる。Al合金の復元・溶体化・時効硬化現象について理解できる。Al合金の復元・溶体化・時効硬化現象について理解できない。
評価項目3黄銅の軟化過程とその組織について理解し説明できる。黄銅の軟化過程とその組織について理解できる。黄銅の軟化過程とその組織について理解できない。
評価項目4黄銅の軟化過程とその組織について理解し説明できる。黄銅の軟化過程とその組織について理解できる。黄銅の軟化過程とその組織について理解できない。
評価項目5X線ディフラクトメーターを用いて結晶構造を同定することができる。X線ディフラクトメーターを使用することができる。X線ディフラクトメーターを使用することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属材料の性質は相の種類や分布により大きく変化し、基本的に化学成分や熱処理の組み合わせによって制御される。本実験では、今までに材料組織学、金属物理学、および金属材料学などの講義で学習した内容を実験によってさらに深く理解し、金属材料を製造、加工、運用、または開発するに必要な応用力をつける。
授業の進め方・方法:
配布テキストに従って各チームに分かれて実験を行う。実験を行う上での注意事項はガイダンスで説明する。実験前までにテキストに記載された内容をしっかり学習しておき、遅延なくスムーズに遂行できるようにチームで協力して実験に取組むこと。途中、実験結果について個別諮問を行う場合があるので、毎回真剣に実験に取り組み、得られた実験結果について十分理解しつつ進めること。実験テーマごとにレポートを課す。補講は原則として実施しない。 
  関連科目:金属物理学Ⅰ、Ⅱ 金属材料学Ⅰ 材料組織学
注意点:
到達目標に記載した項目の基礎的な内容に関する理解度とその活用度を評価基準とする。
成績は各課題での提出レポートの記述内容について評価し、全課題レポート点の総合評価として60点以上を合格とする。
不合格者については指定期限までに当該課題レポートの再提出を課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、実験概要と目的の解説 実験の概要と目的を理解できる
2週 実験装置の操作方法習得と整備 実験装置の操作方法習得と整備を理解できる
3週 各種硬さ試験とAl合金の復元処理実験 各種硬さ試験とAl合金の復元処理実験を理解できる
4週 各種硬さ試験とAl合金の復元処理実験結果の考察とレポート作成 各種硬さ試験とAl合金の復元処理実験結果の考察とレポート作成ができる
5週 Al-Cu合金の溶体化処理実験(溶体化処理温度・時間、焼入れ速度の影響を調べる。) Al-Cu合金の溶体化処理実験ができる
6週 Al-Cu合金の溶体化処理実験結果の考察とレポート作成 Al-Cu合金の溶体化処理実験結果の考察とレポート作成ができる
7週 Al-Cu合金の時効処理実験(時効処理温度・時間の影響を調べる。) Al-Cu合金の時効処理実験ができる
8週 Al-Cu合金の時効処理実験結果の考察とレポート作成 Al-Cu合金の時効処理実験結果の考察とレポート作成ができる
4thQ
9週 黄銅の再結晶化現象の硬さに及ぼす影響を調べる実験 黄銅の再結晶の挙動と硬さの関係を知る実験を遂行することができる。
10週 黄銅の再結晶化現象の硬さに及ぼす影響を調べる実験結果の考察とレポート作成 黄銅の再結晶の挙動と硬さの関係を理解することができる。
11週 黄銅の再結晶化現象の組織を調べる実験 黄銅の再結晶挙動と組織の関係を知る実験を遂行することができる。
12週 黄銅の再結晶化現象の組織を調べる実験結果の考察とレポート作成 黄銅の再結晶挙動と組織の関係を理解することができる。
13週 X線ディフラクトメーターを用いて酸化チタンの結晶構造の同定する実験 XRDの使い方を知ることができる。
14週 X線ディフラクトメーターを用いて酸化チタンの結晶構造の同定する実験結果の考察とレポート作成 XRDを用いて結晶構造の同定ができ、XRDのメカニズムを理解することができる。
15週 実験の総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。3
レポートの書き方を理解し、作成できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。3
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。3
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。2
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00030070100
基礎的能力0001003040
専門的能力0001003040
分野横断的能力0001001020