概要:
金属材料の性質は,微細組織を構成する相の種類や分布に依存する。このため,化学組成や熱処理工程を工夫して微細組織の最適化を図り,優れた性質を持たせるようにしている。本実験の目的は,これまでに学習した「金属物理学1」や「材料組織学」などの内容について理解を深め,さらに材料研究に必要な実験技術の基礎を習得することである。
授業の進め方・方法:
班毎に分かれて,テキストに記載した実験項目を実施する。実験する際の注意事項はガイダンスにおいて説明する。実験前までにテキストに記載された内容をしっかり学習し,遅延なくスムーズに遂行できるように,班のメンバーで協力して取り組む必要がある。なお,実験の途中で,結果について個別に試問する場合があるので,得られた結果を十分に理解しながら実験を進めること。実験項目の全てに対してレポートを課す。また,調査課題レポートなどの提出も必要である。補講は原則として実施しない。次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
関連科目:金属物理学1・2,金属材料学1・2,材料組織学
注意点:
項目ごとに課される実験レポートや課題調査レポートなど,全て提出する必要がある。全てのレポートの記述内容を10点満点で評価し,それらの合計を100点満点に換算する。換算した結果が60点以上の場合を合格とする。不合格者については,当該項目のレポートに対して再提出を課す。しかし,レポートに改善が見られない場合や指定された期限を過ぎて提出された場合は不合格とするので,十分に注意すること。
評価基準:到達目標に記載した項目の基礎的な内容に関する理解度とその活用度を評価基準とする。
事前学習:実験当日までに目的・方法・レポート課題などを確認し,実験によってどのような結果が得られるか考えておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
実験内容の概要と実験を安全に行うための注意事項を理解 する。
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2週 |
実験装置の操作方法習得と整備 |
実験装置を整備し,その操作方法を理解する。
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3週 |
Al-Cu合金の硬さ測定 |
硬さ試験法の種類や特徴を理解する。
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4週 |
「Al-Cu合金の硬さ測定」のデータ整理とレポート作成 |
「Al-Cu合金の硬さ測定」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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5週 |
金属材料の引張強度 |
金属材料の引張試験について理解する。
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6週 |
「金属材料の引張強度」のデータ整理とレポート作成 |
「金属材料の引張強度」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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7週 |
鉄鋼・非鉄材料の組織スケッチ |
炭素鋼やアルミニウム合金の微細組織と状態図の関係について理解する。
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8週 |
「鉄鋼・非鉄材料の組織スケッチ」のデータ整理とレポート作成 |
「鉄鋼・非鉄材料の組織スケッチ」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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4thQ |
9週 |
鋼の相変態に及ぼす冷却速度の影響 |
鋼の相変態に及ぼす冷却速度の影響について理解する。
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10週 |
「鋼の相変態に及ぼす冷却速度の影響」のデータ整理とレポート作成 |
「鋼の相変態に及ぼす冷却速度の影響」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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11週 |
黄銅の圧延と加工硬化 |
黄銅を圧延した際の加工硬化挙動について理解する。
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12週 |
「黄銅の圧延と加工硬化」のデータ整理とレポート作成 |
「黄銅の圧延と加工硬化」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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13週 |
黄銅の硬さに及ぼす再結晶化現象の影響 |
冷間加工した黄銅を熱処理し,それに伴う再結晶挙動について理解する。
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14週 |
「黄銅の硬さに及ぼす再結晶化現象の影響」のデータ整理とレポート作成 |
「黄銅の硬さに及ぼす再結晶化現象の影響」に関する実験データを整理し,レポートにまとめる。
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15週 |
実験の総括 |
各実験項目の内容について復習する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 後2,後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料組織 | 弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。 | 3 | 後5 |
降伏現象ならびに応力-歪み曲線から降伏点を求めることができる。 | 3 | 後5 |
分野別の工学実験・実習能力 | 材料系分野【実験・実習能力】 | 材料系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。 | 4 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。 | 4 | 後1,後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
レポートの書き方を理解し、作成できる。 | 4 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。 | 4 | 後5,後11 |
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。 | 4 | 後5,後11 |
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。 | 4 | 後3,後5,後7,後9,後11,後13 |
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。 | 4 | 後7,後9,後13 |
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。 | 4 | 後3,後5,後11,後13 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。 | 4 | 後4,後6,後8,後10,後12,後14 |