応用数学1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学1
科目番号 4M05 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田代 嘉宏・難波 完爾 著 新編 高専の数学3(森北出版)斉藤 斉・高遠 節夫 他4名 著 新訂確率統計(大日本図書)
担当教員 原田 哲夫

到達目標

1. 基本的な確率の問題が解ける。
2. 確率変数の概念を理解し、その特性値を求めることができる。
3. 周囲の各種事象を問題提起し、統計学的に解析できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な確率の問題が解ける。基本的な確率の問題が解ける。基本的な確率の問題が解けない。
評価項目2確率分布の概念を理解し、それを用いて調べたい事象の解析ができる。確率分布の概念を理解し、代表的な事象の解析ができる。確率分布の概念が理解できていない。
評価項目3身近な事象の推定、検定ができる。代表的な事象の推定、検定ができる。代表的な事象の推定、検定ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
代数学、幾何学及び微分積分学等の基礎数学に続くものとして応用数学を学ぶ。前期では確率、データの整理、後期では統計学について学ぶ。どちらも実学であるので、身近な問題を数学的にどう解析するかを練習問題等を通して実用的なものとして習得する。
授業の進め方・方法:
演習問題を多く解いたり、身近な問題に対して理論を適用することに重点をおいて授業を行う。
また、毎回授業の最初に、前回の授業内容の理解確認のため小テストを行なう。
注意点:
本科目は学修単位であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
評価方法の詳細
4回の試験(前期中間、期末、後期中間、期末:各25%)とレポート、課題等から評価する。
試験成績70%、レポート、課題等30%として総合評価する。(60点以上を合格とする。)
再試験をおこなう。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 事象と確率 確率の定義を理解し、簡単な確率を求めることができる。
2週 順列と組み合わせ 順列、組み合わせの概念を理解し、計算することができる。
3週 確率演習1 順列、組み合わせを用いて、確率を計算できる。
4週 同時確率と条件付き確率 2つ以上の事象が関わる確率について理解できる。
5週 確率演習2 条件付き確率を求めることができる。
6週 ベイズの定理 ベイズの定理を理解し、それを用いた計算ができる。
7週 確率の総合演習 確率の代表的な問題が解ける。
8週 1次元のデータ 1次元のデータの整理について理解する。
2ndQ
9週 様々な特性値 特性値の概念を理解し、それらを求めることができる。
10週 2次元のデータ 2次元のデータの整理について理解する。
11週 共分散と相関係数 共分散と相関係数の概念を理解し、それらを求めることができる。
12週 回帰直線 回帰直線の概念を理解し、求めることができる。
13週 母集団と標本 ランダムサンプリングが理解できる。
14週 データの整理演習 身近なところにある、様々なデータの特徴を解析し、特性値を求めることができる。
15週 確率、データの整理総復習 基本的な確率を求めることができ、データの解析ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 確率変数と確率分布 確率変数と確率分布の概念を理解できる。
2週 確率変数上の関数とその性質 確率変数上の関数、その確率分布を理解できる。
3週 離散型確率分布 離散型確率変数の分布を理解し、それらの平均、分散を求めることができる。
4週 確率分布演習1 基本的な確率分布の問題を解ける。
5週 2項分布 2項分布が理解できる。
6週 ポアソン分布 ポアソン分布が理解できる。
7週 確率分布演習2 2項分布、ポアソン分布の問題が解ける。
8週 連続型確率分布 連続型確率分布の概念を理解できる。
4thQ
9週 正規分布 正規分布が理解できる。
10週 正規分布を用いた確率の算出 正規分布を用いて、確率を求めることができる。
11週 2項分布、ポアソン分布の正規分布による近似 2項分布、ポアソン分布の解析を正規分布を用いて行うことができる。
12週 標本平均と中心極限定理 中心極限定理を理解できる。
13週 母平均の推定 母平均の推定ができる。
14週 検定 身近な事象の検定ができる。
15週 統計学総復習 統計学の基本的な問題が解ける。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4
分数式の加減乗除の計算ができる。4
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4
簡単な連立方程式を解くことができる。4
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4
恒等式と方程式の違いを区別できる。4
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
角を弧度法で表現することができる。4
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4
一般角の三角関数の値を求めることができる。4
2点間の距離を求めることができる。4
内分点の座標を求めることができる。4
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。4
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。4
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。4
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。4
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。4
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。4
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。4
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。4
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力1500001025
専門的能力5000002070
分野横断的能力5000005