電気化学1

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気化学1
科目番号 4M12 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:電気化学 基礎化学コース(丸善),新しい電気化学(培風館),イオン平衡(化学同人),ベーシック電気化学(化学同人),エッシェンシャル電気化学(東京化学同人),金属電気化学(共立出版)
担当教員 矢野 正明

到達目標

1.反応の平衡定数を理解でき,溶液中のイオン間平衡が計算できる
2.ファラデーの法則,ネルンストの平衡電位式が理解できる
3.電池の起電力をネルンストの平衡電位式やイオン濃度等から計算できる
4.簡単な電位-pH図を作図できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目13~4種類の物質が共存する水溶液について,酸解離平衡から各イオン濃度を計算できる2種類の物質が共存する水溶液について,酸解離平衡から各イオン濃度を計算できる酸解離平衡を利用しての各イオン濃度の計算が出来ない
評価項目2ファラデーの法則,ネルンストの平衡電位式を利用して,電気化学反応による金属イオンの動きを計算できる ファラデーの法則,ネルンストの平衡電位式を利用しての計算ができるファラデーの法則,ネルンストの平衡電位式を利用しての計算ができない
評価項目3電池の起電力をネルンストの式やイオン濃度から計算できる電池の起電力を標準電極電位から大凡計算できる電池の起電力を計算できない
評価項目4簡単な電位-pH図を作図できる簡単な電位-pH図の概形を作図できる簡単な電位-pH図の概形を作図できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
溶液中のイオン間平衡,電気化学反応を支配する要因について学ぶ
実務経験のある教員による授業科目:企業において各種表面処理鋼板の研究・開発に従事していた教員により,実際の研究・開発と学問との関連性も含めて行うものである。
授業の進め方・方法:
この科目は,以下に示す科目と関連しており,事前に十分な理解が得られるよう復習しておくこと。
  化学,基礎材料化学,材料化学,物理化学
注意点:
(1)点数配分:中間試験50%,期末試験50%
(2)評価基準:60点以上を合格とする
(3)再試:再試は必要に応じて行う
(4) 提出を指示したレポートを1つでも未提出の場合は単位修得を認めない

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 溶液のイオン活量と活量係数 活量係数の計算が出来る
2週 イオン間平衡(強酸と強塩基) 酸解離平衡から,各イオン濃度が計算できる
3週 イオン間平衡(弱酸とその塩) 酸解離平衡から,各イオン濃度が計算できる
4週 ファラデーの法則(電気化学当量,電流効率) ファラデーの法則を使いこなす
5週 ダニエル電池 ダニエル電池の原理を理解する
6週 ネルンストの式 ネルンストの式の意味を理解する
7週 ネルンストの平衡電位式,参照電極 ネルンストの式を使い,平衡電位を計算できる。
8週 平衡電位と反応の方向  平衡電位の意味を理解する
4thQ
9週 セメンテーション反応 セメンテーション反応の原理を理解し,その応用例を知る。
10週 腐食反応 腐食反応と標準電極電位との関係を説明できる
11週 水の分解電圧 水の電気分解を説明できる
12週 電位- pH図(Pourbaix Diagram) 簡単な電位-pHを作図できる
13週 電池のいろいろ 身近な電池を説明できる
14週 過電圧 過電圧について説明できる
15週 ボルタンメトリー ボルタンメトリーが何であるか説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4後1,後2,後3
簡単な連立方程式を解くことができる。4後1,後2,後3,後8,後9,後12,後14
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4後1,後2,後3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4後1,後2,後3,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後14
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後1,後2,後3,後6,後7,後14
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4後1,後2,後3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4後1,後2,後3
自然科学化学(一般)化学(一般)原子のイオン化について説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
代表的なイオンを化学式で表すことができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
イオン式とイオンの名称を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
気体の体積と物質量の関係を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4後1,後2,後3,後4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。4後2,後3,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。4後2,後3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。4後2,後3,後6,後7,後8,後10,後11,後12
酸化還元反応について説明できる。4後2,後3,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後14,後15
イオン化傾向について説明できる。4後5,後6,後7
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。4後5,後6,後7
ダニエル電池についてその反応を説明できる。4後5,後6,後7,後8,後10,後13
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。4後6,後7,後8,後10,後13
一次電池の種類を説明できる。4後9,後10,後13
二次電池の種類を説明できる。4後10,後11,後13
電気分解反応を説明できる。4後4,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。4後4,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ファラデーの法則による計算ができる。4後4,後13
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後14,後15
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。2後4,後6,後7,後8,後9,後10,後12,後13,後14,後15
無機材料イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。4後4,後9,後10,後12,後13
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後12,後13,後14,後15
物理化学理想溶液と実在溶液の違いを説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020