材料システム実験3

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料システム実験3
科目番号 4M18 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 プリント、熱力学データ、蒲池幹治 基本化学熱力学(三共出版)、山口喬 入門化学熱力学(培風館)、加藤正直 他 基礎からわかる機器分析(森北出版)  関連科目:材料化学、物理化学
担当教員 矢野 正明,清長 友和

到達目標

1.実験の基本的事項を理解し、実験を協力して遂行できる。
2.グループで協力して実験を行い、正確なデータを取得することができる。
3.各実験で得られた結果を解析し、他のデータ等と比較検討することができる。
4.実験結果及びその誤差の原因について考察することができる。
5.以上のことを報告書にまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の基本的事項を理解し、実験を協力して遂行できる実験の基本的事項を理解し、実験を遂行できる実験の基本的事項を理解し、実験を遂行できない
評価項目2グループで協力して実験を行い、正確なデータを取得することができる正確なデータを取得することができる正確なデータを取得することができない
評価項目3各実験で得られた結果を解析し、他のデータ等と比較検討できる各実験で得られた結果を解析できる各実験で得られた結果を解析できない
評価項目4実験結果及びその誤差の原因について説明できる実験結果について説明できる実験結果について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質や材料の物理化学的な現象、に関する原理、実験方法及び解析方法を学ぶ。
(例えば蒸発、熱分解、液体電解質や固体電解質を用いた電池、腐食反応や溶解熱など)
実験をグループで協力して行い、安全に配慮する注意力を養う。
実務経験のある教員による授業科目:企業において各種表面処理鋼板の研究・開発に従事していた教員により,実際の研究・開発と机上の実験との関連性も含めて行うものである。
授業の進め方・方法:
実験項目について、事前に背景、目的、原理などを講義する。
グループで実験を行い、正確なデータを得るように工夫する。
実験は安全を優先し他人に任せず協力して行う。
得られた結果は各自でデータ解析及び考察を行い、報告書にする。
報告書の作成に当たっては、データ整理などに工夫し、関係する図書をよく調べる。
レポートは提出期限までに提出するとともに、再提出を求められたレポートも期限を守る。
注意点:
(1)点数配分:提出されたレポートを10点満点で採点。
(2)評価基準:全レポートの平均点6点以上を合格とする。
(3)再提出:不十分なレポートに対しては適宜再提出を指示する。
(4)提出を指示したレポートを1つでも未提出の場合は単位修得を認めない。
(5)事前学習として、指定したプリントのページを事前に読んでおくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験概要の説明 実験内容と授業内容との関連を知る
2週 実験準備、安全教育 実験に際しての安全確保を理解する
3週 炭酸カルシウムの平衡蒸気圧測定実験1 炭酸カルシウムの分解反応をCO2分圧により測定する
4週 炭酸カルシウムの平衡蒸気圧測定実験2 測定したデータを元に,物理化学の授業内容と関連させてΔHを計算する
5週 金属腐食の可視化実験 腐食反応を可視化し,腐食に伴いどのような反応が何処で起こるかを視覚的に観察する
6週 金属腐食と還元反応 金属腐食(酸化反応)は,還元反応とペアとなることにより進行することを実験で確かめる
7週 シュウ酸カルシウムの熱分析ならびに赤外分光分析1 シュウ酸カルシウムの熱分析過程を温度を変化さながら測定する
8週 シュウ酸カルシウムの熱分析ならびに赤外分光分析2 得られたデータから,どのような反応が起こっているか計算で求めるとともに, 赤外線吸収スペクトルを用いた分析を行う
2ndQ
9週 固体電解質による酸素分圧の測定1 酸素濃度と温度の変化における起電力を測定する
10週 固体電解質による酸素分圧の測定2 起電力変化から,酸素センサーとしての検量線を計算し,その機能を理解する
11週 中和熱および溶解熱の測定実験1 反応熱による温度上昇を測定する
12週 中和熱および溶解熱の測定実験2 温度上昇から,反応熱を計算する
13週 水酸化鉄ゾルの精製に関わる水素イオン移動速度の測定1 微細粒子の製造に利用されている凝集法により水酸化鉄ゾルを生成させる
14週 水酸化鉄ゾルの精製に関わる水素イオン移動速度の測定2 水酸化鉄ゾル生成時におけるpHの経時変化からイオンの移動速度を求める
15週 実験総括 実験結果を総括して,授業内容との関連を再確認させる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4前3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4前3,前9,前10,前13,前14
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前3,前9,前10,前13,前14
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4前3,前4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4前3,前4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4前3,前4
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4前3,前4,前9,前10,前11,前12,前13,前14
自然科学化学(一般)化学(一般)分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4前1,前5,前6,前7,前8,前13,前14
気体の体積と物質量の関係を説明できる。4前7,前8,前9,前10
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4前7,前8,前11,前12,前13,前14
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4前7,前8,前11,前12,前13,前14
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4前5,前6,前11,前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4前5,前6,前11,前12,前13,前14
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。4前11,前12
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。4前11,前12,前13,前14
酸化還元反応について説明できる。4前5,前6,前9,前10
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
測定と測定値の取り扱いができる。4前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
ガラス器具の取り扱いができる。4前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。4前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
試薬の調製ができる。4前5,前6,前13,前14
代表的な気体発生の実験ができる。4前3,前4
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。4前5,前6,前9,前10
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前13,前14
物理化学内部エネルギー、熱、仕事の符号の規則を説明でき、膨張の仕事を計算できる。4前3,前4,前9,前10
エンタルピーの定義およびエンタルピーが状態量であることを説明できる。4前3,前4,前7,前8,前9,前10,前11,前12
標準生成エンタルピーの物理的意味を理解し、反応エンタルピーを計算できる。4前3,前4,前7,前8,前9,前10,前11,前12
ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーの定義および自発的変化の方向性との関連について説明できる。4前3,前4,前9,前10
標準モルギブズエネルギーの定義に基づいて標準反応ギブズエネルギーを計算できる。4前3,前4,前9,前10
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートの書き方を理解し、作成できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力500000050
分野横断的能力200000020