材料システム実験4

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料システム実験4
科目番号 4M19 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:配布テキスト
担当教員 奥山 哲也,川上 雄士,岩田 憲幸

到達目標

1.熱電対を利用した温度測定ができる。
2.金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いを説明できる。
3.金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性を理解できる。
4.熱分析実験結果から合金平衡状態図を作成することができる。
5.合金平衡状態図とミクロ組織の関係を理解し、説明することができる。
6.セラミックスの合成法や評価法について説明でき、実験で実践できる。
7.チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱電対を利用した温度測定や金属材料の温度計測方法が理解ならびに説明できる。熱電対を利用した温度測定方法が理解できる。熱電対を利用した温度測定方法が理解できない。
評価項目2金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いを説明できる。金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いが理解できる。金属材料やセラミックス材料の熱伝導率の違いが説明できない。
評価項目3金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解ならびに説明できる。金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解できる。金属材料の主な物質について電気抵抗の温度依存性が理解できない。
評価項目4熱分析実験結果から合金平衡状態図を理解しながら作成することができる。熱分析実験結果から合金平衡状態図を作成することができる。熱分析実験結果から合金平衡状態図を作成することができない。
評価項目5合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解ならびに説明できる。合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解できる。合金平衡状態図とミクロ組織の関係が理解できない。
評価項目6セラミックスの合成法や評価法について説明でき、実験で実践できる。セラミックスの合成法や評価法について理解でき、実験で実践できる。セラミックスの合成法や評価法について理解できず、実験で実践できない。
評価項目7チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解ならびに説明できる。チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解できる。チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得する方法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
 機械的強度や電気・電子的特性向上を目的とした機能性材料の開発では、構成元素の組合せによる新規材料の創製の他に、従来の材料における内部微細組織制御が重要となる。
 本実験では、(1)機能性材料の基本的諸性質と内部微細構造との関連について実験を通じて理解すること、(2)材料開発の地図である平衡状態図を実験により作成し、平衡状態図と微細組織の関係について理解を深めること、(3)セラミックスの合成と評価に関する知識・技術を習得することを目的とする。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は、企業で半導体材料の研究開発、機械部品材料の研究開発、熱処理・表面処理技術を担当していた教員により、その経験を活かして現場での技術の事例を含めた実験を行うものである。
授業の進め方・方法:
実験内容を予習し、遅延なくスムーズに遂行できるようにチームで協力して実験に取り組むこと。
補講実験は原則実施できないため、各自健康管理に努めること。
実験テーマの終了毎にレポートを課す。遅刻ならびにレポートの提出遅延は認めない。レポートは、その内容が適切と認められるまで再提出を課す。
進行具合によって、実験内容を若干修正する場合がある。その他、詳細についてはガイダンス時に説明する。
関連科目:金属物理学、材料組織学、材料物性学、セラミックス材料学、材料システム実験1-3
注意点:
到達目標に記載した項目の基礎的な内容に関する理解度とその活用度を評価基準とする。
成績は、各課題レポートの記述内容について評価し、全課題レポート点の総合評価として60点以上を合格とする。
不合格者については、指定期限までに当該課題レポートの再提出を課す。
次回の実験内容を事前に予習し、専門用語の意味、実験の内容等を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス ガイダンスの内容を理解する。
2週 実験装置の操作と整備 実験装置の操作方法と整備方法がわかる。
3週 K熱電対の温度特性評価と金属材料の電気抵抗率の温度依存性実験 K熱電対を使った温度特性評価ができる。
Fe, Al, Cu等、金属材料の電気抵抗率の温度依存性実験ができる。
4週 K熱電対の温度特性評価実験、電気抵抗率の温度依存性実験結果の考察とレポート作成 K熱電対の温度特性評価実験、電気抵抗率の温度依存性実験結果の考察とレポート作成ができる。
5週 金属材料やセラミックス材料の熱伝導率測定 金属材料やセラミックス材料の熱伝導率測定ができる。
6週 金属材料やセラミックス材料の熱伝導率測定実験結果の考察とレポート作成 金属材料やセラミックス材料の熱伝導率測定実験結果の考察とレポート作成ができる。
7週 Pb-Sn合金の熱分析実験 Pb-Sn合金の熱分析実験ができる。
8週 Pb-Sn合金の熱分析実験結果から合金平衡状態図の作成と考察・レポート作成 Pb-Sn合金の熱分析実験結果から合金平衡状態図の作成と考察・レポート作成ができる。
4thQ
9週 Al-Cu合金の溶体化・時効処理と機械的性質の測定 Al-Cu合金の溶体化・時効処理を実施し、機械的性質の測定ができる。
10週 Al-Cu合金の溶体化・時効処理実験結果から考察・レポート作成 Al-Cu合金の溶体化・時効処理実験結果から考察・レポート作成ができる。
11週 BaTiO3焼結体の合成 固相反応によってBaTiO3焼結体を合成できる。
12週 BaTiO3原料粉末の熱特性評価 BaTiO3原料粉末の示差熱・熱重量測定データからその熱特性を評価できる。
13週 BaTiO3焼結体の結晶相同定 粉末X線回折法によりBaTiO3焼結体の結晶相を同定できる。
14週 BaTiO3焼結体の作製・評価実験結果の考察とレポート作成 BaTiO3焼結体の作製・評価実験結果を考察し、レポートを作成できる。
15週 実験の総括 実験データをまとめて総括できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4後9,後11,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4後9,後11,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後9,後11,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後10,後12,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4後10,後12,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4後10,後12,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4後10,後12,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4後9,後11,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4後9,後11,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4後9,後11,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4後9,後11,後13
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4後10,後12,後14
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。4後10,後12,後14
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。4後10,後12,後14
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4後10,後12,後14
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。4後10,後12,後14
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。4後10,後12,後14
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。4
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。3
金属材料アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。4後10,後12,後14
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。4後10,後12,後14
材料組織物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。4後10,後12,後14
ギブスの相律から自由度を求めて系の自由度を説明できる。4後10,後12,後14
純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。4後10,後12,後14
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。4後10,後12,後14
全率固溶体型の状態図を、自由エネルギー曲線と関連させて説明できる。4後10,後12,後14
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。4後10,後12,後14
包晶型反応の状態図を用いて、一般的な包晶組織の形成過程について説明できる。4後10,後12,後14
格子間原子型および原子空孔型の拡散機構を説明できる。4後10,後12,後14
拡散係数の物理的意味を説明できる。4後10,後12,後14
自由エネルギーの変化を利用して、相変態について説明できる。3後10,後12,後14
共析変態で生じる組織を描き、相変態過程を説明できる。2後10,後12,後14
マルテンサイト変態について結晶学的観点からの相変態の特徴を説明できる。2後10,後12,後14
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4後1,後3,後5,後7,後9,後11,後13,後15
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4後1,後3,後5,後7,後9,後11,後13,後15
レポートの書き方を理解し、作成できる。4後1,後4,後6,後8,後10,後12,後14,後15
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4後2,後5,後7,後9,後11,後15
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4後2,後5,後7,後9,後11,後15
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4後3,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。4後4,後7,後15
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4後8,後9,後10,後11,後13,後15
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。4後3,後9,後11,後13,後15
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4後5,後11,後13,後15
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4後3,後4,後6,後8,後10,後12,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後9,後11,後13
合意形成のために会話を成立させることができる。3後9,後11,後13
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後9,後11,後13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後10,後12,後14
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後10,後12,後14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後10,後12,後14
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後10,後12,後14
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後10,後12,後14
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後10,後12,後14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後10,後12,後14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後10,後12,後14
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後10,後12,後14
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後10,後12,後14

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00100000100
基礎的能力004000040
専門的能力005000050
分野横断的能力001000010