応用数学2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学2
科目番号 4M36 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:新訂 応用数学,大日本図書,高遠 節夫 他5名著.参考図書:精説ラプラス変換,共立出版,久保忠 他2名著.
担当教員 田代 博之

到達目標

1.ラプラス変換による常微分方程式の解法の習得.
2.フーリエ級数とフーリエ変換,及び実際の応用例と使用例の理解.
3.フーリエ級数とフーリエ変換の計算手順の理解.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換によって常微分方程式を解くことができる.ラプラス変換によって基本的な常微分方程式は解くことができる.ラプラス変換によって常微分方程式を解くことができない.
評価項目2フーリエ級数の意味を理解し実際の応用例も理解できる.フーリエ級数の意味は理解できるが基本的な問題しか解くことができない.フーリエ級数の意味を理解できない.
評価項目3フーリエ変換の意味の理解と計算ができる.計算はできるがフーリエ変換の意味は理解できない.フーリエ変換の意味の理解も計算もできない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
科学技術の分野において数学は基礎科目として最も重要である.特に本科目の内容は工学上の問題に直接的あるいは間接的に深く結びついており理工学系に進む者にとってその習得は必要不可欠である.従って,内容の理解と共に基本的な問題を解く力はもとより工学への応用に関した問題を解く力をつけさせることを目的としている.
授業の進め方・方法:
講義は基本的に教科書に沿って行うが,工学への応用例などを含めて講義する.実際に問題を解く力を養わせるために例題や問題に関してはその解法などを詳細に解説する.またその理解度を確認するために殆どの講義終了時に15分程度の確認小テストを行う.
注意点:
後期末試験以外に後期中間試験を行う.それ以外に理解度を確認するための小テストを殆どの講義の終了時に行う.期末試験および中間試験は85点満点とし,その点数にそれぞれの期間の小テストの合計(最高15点に換算)を加えたものを試験の評価点とし,2回の試験の平均点で評価を行う.100%. 評価基準:60点以上を合格とする. 再試験は行う.
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ラプラス変換の定義と例および基本的性質. ラプラス変換の定義と例を理解する.
2週 ラプラス変換の基本的性質の続き. ラプラス変換の定義と例を理解する.
3週 ラプラス変換の基本的性質の続きと変換表の説明 ラプラス変換の定義と例を理解する.
4週 原関数と像関数との対応について. 原関数と像関数との対応について理解する.
5週 逆ラプラス変換について. 逆ラプラス変換について理解する.
6週 ヘビサイドの部分分数展開定理について. ヘビサイドの部分分数展開定理を利用して部分分数に展開できる.
7週 ラプラス変換の応用として常微分方程式の解法について. ラプラス変換の応用として常微分方程式の解法の理解と問題を解くことができる.
8週 ラプラス変換の応用として常微分方程式の解法の続き. ラプラス変換の応用として常微分方程式の解法の理解と問題を解くことができる.
4thQ
9週 ラプラス変換の工学への応用例について. ラプラス変換の工学への応用例について理解する.
10週 フーリエ級数の定義およびその使用例について. フーリエ級数の定義およびその使用例について理解する.
11週 フーリエ級数の例およびフーリエ級数の収束定理について. フーリエ級数の例およびフーリエ級数の収束定理について理解する.
12週 複素形フーリエ級数について. 複素形フーリエ級数についての理解と問題を解くことができる.
13週 フーリエ級数の偏微分方程式への応用について. フーリエ級数の偏微分方程式への応用についての理解と問題を解くことができる.
14週 フーリエ積分の定義および複素形フーリエ積分について. フーリエ積分の定義および複素形フーリエ積分についての理解と問題を解くことができる.
15週 フーリエの積分定理およびフーリエ変換,積分方程式について. フーリエの積分定理およびフーリエ変換,積分方程式の理解と問題を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。4後1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。4後1
分数式の加減乗除の計算ができる。4後1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。4後1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4後1,後2
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。4後1,後2,後3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4後2,後3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4後2,後3
簡単な連立方程式を解くことができる。4後2,後3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。4後2,後3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。4後2,後3
恒等式と方程式の違いを区別できる。4後2,後3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4後3,後4,後5
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後3,後4,後5
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4後3,後4,後5
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4後5,後6
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4後5,後6
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4後5,後6
合成関数の導関数を求めることができる。4後5,後6
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4後5,後6
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4後5,後6
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4後7,後8,後9,後14
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4後7,後8,後9,後14
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4後7,後8,後9,後14
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4後7,後8,後9,後14
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4後7,後8,後9,後14
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後15
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後15
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後15
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4後13
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4後13
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4後13
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4後13
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後12
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後12
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後12
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4後9,後10,後11,後13
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4後9,後10,後11,後13
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4後9,後10,後11,後13
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。2
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。2
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。2
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。2
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85000015100
基礎的能力85000015100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000