応用数学3

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学3
科目番号 5M02 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:新訂 応用数学,大日本図書,高遠 節夫 他5名著.参考図書:理工学の数学入門コース 複素関数,岩波書店,表実 著.物理・工学のための複素積分(基礎編),東海大学出版局,高橋宣明 他3名著
担当教員 田代 博之

到達目標

1.複素数の表現から正則関数による写像などの基本的な性質の理解.
2.複素積分の性質とコーシーの積分定理の理解.
3.留数の定義と意味,及び留数定理を利用した複素積分と定積分への応用の理解.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数の表現,利用法と写像の等角性について理解できる.複素数の表現,利用法については理解できる.複素数の表現や利用法を理解することができない.
評価項目2複素積分の性質とコーシーの積分定理を理解することができる.複素積分の性質やコーシーの積分定理はどうにか理解できる.複素積分の性質やコーシーの積分定理を理解することができない.
評価項目3留数の意味と複素積分や定積分への応用の理解と問題を解くことができる.留数の意味の理解ができ,基本的な複素積分の計算ができる.留数の意味や派生過程を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
科学技術の分野において,数学は基礎科目として最も重要である.特に本科目の内容は工学上の問題に直接的あるいは間接的に深く結びついており理工学系に進む者にとってその習得は必要不可欠である.従って,内容の理解と共に基本的な問題を解く力はもとより工学への応用に関した問題を解く力をつけさせることを目的としている.
授業の進め方・方法:
講義は基本的に教科書に沿って行うが,工学への応用例などを含めて講義する.実際に問題を解く力を養わせるために例題や問題に関してはその解法などを詳細に解説する.またその理解度を確認するために殆どの講義終了時に15分程度の確認小テストを行う.
注意点:
前期末試験以外に前期中間試験を行う.それ以外に理解度を確認するための小テストを殆どの講義の終了時に行う.前期末試験および中間試験は85点満点とし,その点数にそれぞれの期間の小テストの合計(最高15点に換算)を加えたものを試験の評価点とし,2回の試験の平均点で評価を行う.100%. 評価基準:60点以上を合格とする. 再試験は行う.
次回の授業範囲を予習し,専門用語の意味等を理解しておくこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数の表し方,複素平面,絶対値と偏角の性質 複素平面上での複素数の表し方を理解する.
2週 ド・モアブルの公式とそれを利用した方程式の解 ド・モアブルの公式を利用した方程式を解くことができる.
3週 複素関数の定義と複素関数によるz平面上の点とw平面上の点との対応について 複素関数によるz平面上の点とw平面上の点との対応について理解できる.
4週 正則関数 正則関数の意味を理解する.
5週 コーシー・リーマンの関係式 複素関数が正則であるための必要十分条件の証明を理解する.
6週 正則関数による写像の等角性について 正則関数による写像の等角性が局所的に成立することを理解する.
7週 複素積分とその性質 複素積分とその性質について理解する.
8週 複素積分とその性質についての続き 複素積分とその性質について理解する.
2ndQ
9週 コーシーの積分定理について コーシーの積分定理について理解する.
10週 コーシーの積分定理の応用について コーシーの積分定理の応用について理解する.
11週 コーシーの積分表示と導関数の積分表示について コーシーの積分表示と導関数の積分表示について理解する.
12週 関数の展開(テイラー展開とローラン展開)について 関数の展開(テイラー展開とローラン展開)についての理解と問題を解くことができる.
13週 孤立特異点と留数,留数の計算について 留数の意味とどのように派生したのかを理解する.
14週 留数定理について 留数定理の意味を理解し利用することができる.
15週 実積分への応用 留数定理を利用して実績分を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。5前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。5前1
分数式の加減乗除の計算ができる。5前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。5前1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。5前1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。5前1,前2,前3,前4,前5,前6
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。5前2,前3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。5前2,前3
簡単な連立方程式を解くことができる。5前2
無理方程式・分数方程式を解くことができる。5前2
1次不等式や2次不等式を解くことができる。5前2
恒等式と方程式の違いを区別できる。5前2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。5前4,前5
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。5前4,前5
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。5前4,前5
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。5
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。5
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。5
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。5
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。5
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。5
角を弧度法で表現することができる。4
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4
一般角の三角関数の値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4
合成関数の導関数を求めることができる。4
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4前6,前9,前10
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4前6,前9,前10
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4前6,前9,前10
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4前6,前9,前10
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4前7,前8,前10
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4前7,前8,前10
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4前7,前8,前10
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4前13,前14,前15
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4前13,前14,前15
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85000015100
基礎的能力85000015100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000