材料物性学2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料物性学2
科目番号 5M06 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書 : 物性科学 坂田 著 (培風館)。配布プリント
担当教員 奥山 哲也

到達目標

1.エネルギーバンド構造について説明できる。
2.導電現象について説明できる。
3.電子密度・フェルミエネルギー・電子の占有確率等の計算ができる。
4.固体の熱的性質について説明できる。
5.半導体の特性について説明できる。
6.量子力学の基礎について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エネルギーバンド構造について図を使って説明ができる。エネルギーバンド構造について説明ができる。エネルギーバンド構造について説明ができない。
評価項目2導電現象について説明と典型的な計算ができる。導電現象について説明ができる。導電現象について計算ならびに説明ができない。
評価項目3電子密度・フェルミエネルギー・電子の占有確率等について説明と計算ができる。電子密度・フェルミエネルギー・電子の占有確率等について計算ができる。電子密度・フェルミエネルギー・電子の占有確率等について計算ができない。
評価項目4固体の熱的性質について説明と典型的な計算ができる。固体の熱的性質について説明できる。固体の熱的性質について説明できない。
評価項目5半導体の特性について説明と典型的な計算ができる。半導体の特性について説明ができる半導体の特性について説明ができない。
評価項目6量子力学の基礎について説明と波動方程式の解法ができる。量子力学の基礎について説明ができる。量子力学の基礎について説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代のエレクトロニクス産業の基盤をなす機能性材料の電気的・光学的特性を理解するためには、マクロ的組織の特徴を学習するだけでなく、原子・分子配列や電子・フォノン等の結晶中における挙動についての専門的知識を養わなければならない。本講義では、電気・電子材料ならびに半導体・誘電体に関する固体物性について学習する。
実務経験のある教員による授業科目:実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で半導体材料の研究開発を担当していた教員を中心に、その経験を活かして現場での技術の事例を含めた固体物性に関する授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
プリントを適宜配布しながら講義を実施する。
途中レポート提出を課す場合がある。他の学生に迷惑がかかるような学習態度が見られる場合は途中退席を命じる。講義において不明な点は授業の妨げにならない程度でその都度質問に応じる。講義内容は材料物性Ⅰの基礎知識を十分身につけていないとついていけなくなるので、受講以前に材料物性学Ⅰを復習しておくことを推奨する。課題遂行状況に応じて中間試験実施の有無を決定する。
関連科目 材料物性学Ⅰ オフィスアワー:電子メール等によって事前に日時を打ち合わせること。
注意点:
到達目標に記載した項目の基礎的な内容と理解度とその活用度を評価基準とする。
成績評価は中間試験50%、期末試験50%とし、中間試験を実施しなかった場合は期末試験100%とし、60点以上を合格とする。
新型コロナ感染症拡大防止により試験が実施できなかった場合は授業中に課した課題を総合評価に取り入れ、配分については授業で周知する。
不合格者については再試験を実施する。授業進行に応じて演習問題を実施するので、必ず提出すること(提出なき場合は減点の対象とする)。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと結晶学の基礎1(4年次の復習) 4年次の結晶学の基礎について説明ができる。
2週 結晶構造の基礎 複雑な結晶構造について説明ができる。
3週 結晶構造の基礎2(応用) 高度な結晶学の基礎について説明ができ、応用することができる。
4週 金属材料と半導体材料の基礎 金属材料と半導体材料の基礎について説明ができる。
5週 半導体の基礎と電子のエネルギー状態 半導体の基礎と電子のエネルギー状態について説明ができる。
6週 電子のエネルギー状態 電子のエネルギー状態について説明ができる。
7週 結晶中における電子エネルギー状態 結晶中における電子エネルギー状態について説明ができる。
8週 確認試験(中間試験) 中間試験で理解度や計算能力の到達度を調べる事ができる。
2ndQ
9週 エネルギーバンド構造と占有確率 エネルギーバンド構造と占有確率について説明ができる。
10週 統計力学の基礎 統計力学の基礎について説明ができる。
11週 エネルギー状態密度 エネルギー状態密度について説明ができる。
12週 電子分布とエネルギー 電子分布とエネルギーについて説明ができる。
13週 電子分布とエネルギー2 電子分布とエネルギーについて説明および計算ができる。
14週 電気伝導の基礎 電気伝導の基礎について説明ができる。
15週 問題の説明と解答 試験問題で間違った箇所について説明ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンスと前期分の復習 導電現象等の前期分の内容について説明および計算ができる。
2週 電気抵抗の理論的取扱い 電気抵抗の理論的取扱いについて説明ができる。
3週 電気抵抗発生要因 電気抵抗の発生要因について説明ができる。
4週 半導体の電気伝導機構 半導体の電気伝導機構について説明ができる。
5週 半導体のキャリア密度の理論的解釈 半導体のキャリア密度の理論的解釈について説明ができる。
6週 ホール効果 ホール効果について説明と計算ができる。
7週 PN接合と整流作用 PN接合と整流作用について説明ができる。
8週 確認試験(中間試験) 中間試験で理解度や計算能力の到達度を調べる事ができる。
4thQ
9週 波動の基礎 波動の基礎について説明ができる。
10週 固体比熱の理論的解釈 固体の比熱について説明ができる。
11週 1次元調和振動 1次元調和振動について説明ができる。
12週 格子振動 格子振動について説明ができる。
13週 量子力学の基礎と波動方程式 量子力学の基礎と波動方程式について説明ができる。
14週 演算子と期待値 演算子と期待値について説明ができる。
15週 試験問題と解答の確認 試験問題で間違った箇所について説明ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4前1,前7
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。4前1,前7
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。4後1,後2,後3,後4
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。4前2,前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後7,後14,後15
不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。4前2,前3,前7,前8,前9,前10,前11,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
真性半導体の伝導機構について説明できる。4前3,前8,前9,前10,前11
無機材料結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。4前1,前8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力100000010
専門的能力900000090
分野横断的能力0000000