材料システム実験5

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料システム実験5
科目番号 5M12 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 材料システム工学科(2017年度以降入学生、但し、令和4年度は材料工学科を含む) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 配布プリントおよび授業で使用するテキスト
担当教員 森園 靖浩,山本 郁,周 致霆,佐々木 大輔,矢野 正明

到達目標

金属材料の機械的特性の評価法について説明できる.

金属電析を分極曲線により解析できる.
チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の機械的特性の評価法について説明でき,活用できる.金属材料の機械的特性の評価法について説明できる.金属材料の機械的特性の評価法について説明できない.
評価項目2金属の鋳造・凝固について説明でき,活用できる.金属の鋳造・凝固について説明できる.金属の鋳造・凝固について説明できない.
評価項目3金属の電析・酸化を分極曲線により解析でき,活用できる.金属の電析・酸化を分極曲線により解析できる.金属の電析・酸化を分極曲線により解析できない.
評価項目4チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができ,上手くまとめることができる.チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる.チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本実験は,材料力学,塑性加工学,金属材料学,材料化学,電気化学,数値解析などの学習内容をより深く理解することを目的とする.
実務経験のある教員による授業科目:企業において各種表面処理鋼板の研究・開発に従事していた教員により,実際の研究・開発と学問との関連性も含めて行うものである。
授業の進め方・方法:
数名のグループに班分けをし,共同作業を通じて実験の重要性を学ぶと同時に金属材料の特性とその評価法について理解を深めるので,積極的に実験に参加すること.
事前学習として,配布されたテキストに必ず目を通して実験に臨むこと.
注意点:
レポートの提出期限を厳守すること.期限に遅れたレポート,また,明らかに他人のレポ-トを写したと判断されるものは,写されたレポートも含めて採点の対象としない.
作業着を着用していないなど安全上問題がある者,また,集合時間に遅刻した者は実験への参加を一切認めない.ただし,事前に公欠手続きを行った場合のみ,再実験を行うことを認める.
評価基準
達成目標に記載された項目について主な評価基準とする.
実験への取組み姿勢(20%),レポート(80%)として総合的に評価し,60点以上を合格とする,
ただし,レポート提出期限に遅れた場合は,いかなる理由があろうとレポートは採点せず,当該実験は0点として評価する.
再試験は実施しないが,レポートの再提出を求められた場合は,指定期日まで再提出すること.この場合も,指定期限に遅れた場合は,採点対象としない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス/
使用する薬品,装置に関する安全について
安全への心得を学習する.
使用する薬品,装置に関する安全について
2週 数値解析 数値解析の原理について理解する.
3週 円孔を有する試験片の引張試験と応力解析 引張試験による円孔付近のひずみを実験と数値解析を用いて理解する.
4週 鋼の熱処理と機械的性質の評価 鋼の熱処理と機械的性質の関係について理解する
5週 フラクトグラフィ 金属の破壊形態について理解する.
6週 鋼における衝撃値の温度依存性 鋼の衝撃値の温度依存性について理解する.
金属材料の機械的特性の評価法について説明できる.
7週 Alの凝固組織と冷却速度 Alの凝固組織と冷却速度について理解する
8週 オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化組織の観察 オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化について理解する
2ndQ
9週 オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化度の電気化学的検出 オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化度について理解する.
10週 低炭素オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化 低炭素オーステナイトステンレス鋼の鋭敏化について理解する
11週 分極曲線と還元反応 分極曲線の測定とその意味について理解する
12週 めっきと水素過電圧 めっきの製造における水素過電圧の影響について理解する
13週 金属の不動態化現象 金属の不動態化現象について理解する
14週 Alの溶解・鋳造 鋳型の構造、溶解方法、鋳造時に生じる引け、歩留まり、押湯の役割を理解する
15週 まとめ 材料評価実験の総括を行う.
チームで協力して実験を実施し、正確なデータを取得することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4前13,前14
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前13,前14
自然科学化学(一般)化学(一般)イオン式とイオンの名称を説明できる。4前11,前12,前13,前14
金属の性質を説明できる。4前11,前12,前13,前14
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。4前11,前12,前13,前14
気体の体積と物質量の関係を説明できる。4前11,前12
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4前11,前12,前13,前14
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4前11,前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4前11,前12,前13,前14
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。4前11,前12,前13,前14
酸化還元反応について説明できる。4前11,前12,前13,前14
イオン化傾向について説明できる。4前11,前12,前14
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。4前11,前12,前14
電気分解反応を説明できる。4前11,前12,前13,前14
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前5,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前5,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前5,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前5,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前5,前11,前12,前13,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前1,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前5,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前5,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前1,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4前1,前2,前11,前12,前13,前14
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4前1,前2,前11,前12,前13,前14
レポートの書き方を理解し、作成できる。4前1,前11,前12,前13,前14
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4前3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4前3
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。4前3,前4,前6,前7
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4前5,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4前11,前12,前13,前14,前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4前5,前6,前11,前12,前13,前14
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4前11,前12,前13,前14,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。4前11,前12,前13,前14,前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4前11,前12,前13,前14,前15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00010090100
基礎的能力000004040
専門的能力000504045
分野横断的能力000501015